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DM。

 ある日、DMが届いた。

 元彼から。

 「フェイスブックで探したんだけど、見つからなかった」

 「ああ、面倒くさくて消しちゃったから」

 「何で、本名じゃないのに、私だと分かったの?」

 「語り口調とか、雰囲気、何となく、そうだって」

 「うわ、鋭い」


ねぇ、知ってる? 旦那さんが奥さんにDVしていて、その奥さんが逃げても、街角とかでどんなに変装していても、すぐに見つけてしまうんだって……怖いよね。それくらい共に過ごした時間の濃さって、本能的に、動物的に、他人からは理解出来ないような部分があるんだと思う。


 「あのさ……凄い例え話だね」

 「だよねー」


ねぇ、知ってる? 人間って男女の性別に限らず、誰でも無意識のうちに、その時々で、男性的にも、女性的にも、片寄るんだって。だから、男女比なんて無駄なんだよ。表裏一体。所謂、"オネエ"は最強だと断言する。わたしもね、自分の中で同性を男性的目線で観てる時あるもん。勿論、相手をどうにかしようなんて考えもしないんだけど……。


 「だから、女々しい男が存在する訳か……?」

 「そだねー」

 「ブーメランみたい……」

 「あはは、今ね可愛い女性と関わっていて、この同性の立場と内面の男性的目線を、もし本気で駆使したら……自分は最強だろうなあって思う事がある。リスク背負う気ゼロだし、そんな嗜好無いから試しもしないけど」

 「つまり、その辺の男じゃ、相手にならないと?」

 「どうだろう?でも人間と人間の間には情があるし、心が在る。遊びじゃないよね。落とすまでの"駆け引き"は必要だけど、それも"愛"があっての事」

 「勉強になります」

 「どの辺りが?」

 「女性の外見で、中身は男だって事」

 「端折り過ぎ……」


ある意味……良く分かっている。

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