花咲く女神たち『三美神のラクリマ』～願いは地上を天国に～Part４「天国の門①」

ここは天国

祝福の虹の下に咲き誇る花たち

小鳥たちはでさえずり
美しいハープの旋律が聴こえる

オリンポス山の遥か天上
ギリシャ神が住まう神域から
「天国の門」へと向かうのは

ゼウス大神と
母エウリュノメ神の娘

輝きの女神 アグライア

喜びの女神 エウプロシュネ

繁栄の女神 タレイア

三姉妹の女神たち。


苦しむ人々を「お救いしたい」と願う
純粋な心に打たれ
娘たちを地上に降ろす
決意をしたゼウスの条件とは、

１つ、人間として生まれる事

２つ、天国での記憶は全て忘れる事

３つ、16才で能力に目覚めるが
必ず誰かの為に使う事


胸の高鳴りと共に
女神たちは様々な神域を通り抜け
一面真っ白い雲の上に降り立つ

永遠に続くかのような雲を進み続けるその先に、
やっと白く光輝く巨大な門を見つけた。

「あれが天国の門なのね!」

喜びのあまりアグライアが駆け出した。

良く見る
巨大な門前には大勢の人々が列をなしている。

人々を誘導する天使に話を聴くと
皆、地上へ転生する志願者だそう。

人々は「天国の門」を通る過ぎると
皆、姿を消している。

女神ではあるが順序を守り最後尾の列に並び
入口に辿り着く。

銀髪に髭を蓄えた恰幅の良い
老神が天使にテキパキと指示を与えている。

挨拶をすると快く話を聴いてくれた。

「なるほどの、
では東方の日の本へ生まれなされ。
これから重大なお役目がある国なのじゃよ。」

「東方の日の本の国!?」

三姉妹は顔を見合わせた。

知らない国だが、
「重大なお役目とあれば。」
素直に行き先を決めた。

そんな中、
伝令の神〈ヘルメス〉が飛んできた。

「父からの伝令です!!」と手紙を渡した。

ヘルメスの〈父〉とはゼウスである。
母はマイア、三姉妹とは異母兄弟だ。

手紙には

〖 実は、そなたたちより先に娘を１人送っておる。いつか出逢えるだろうが、
きっとそなたたちの大いなる助けとなるであろう。。
達者で励むのだよ。〗

父から心強い励ましと希望の伝令だった。



(続くー♡)