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入社したての頃の私に見えていなかった光景(キャリアの話)

とにかく世間知らずな学生だった私は、社会人になってから少しずつ会社員としての働き方を学んで、下書きなし・出たとこ勝負な会社員人生を送ってきた。自分でキャリアを切り拓く意識の重要性を感じ、過去を振り返ってみた。

入社時のキャリアイメージ

どんな仕事をしてどんなスキルを身につけたいか、漠然と考え始めたのは、人事担当の方から配属先の希望を聞かれた時が初めてだったかもしれない。

もちろん、就職活動をするうえで会社員という選択をし、業界を絞り、なりたい自分の淡いイメージを抱いて面接を受けていた。

けれど、私がその当時描いたキャリアイメージはあまりにも抽象的。ありたい自分や目標というよりは、幼稚園児が将来何になりたいかを考えるのに近いものだった

抽象的だった原因は、学生時代から特段やりたい事があった訳ではなく、まず会社の一員になり、そこで自分を磨き、ゆくゆくは会社で一人前になれたらという意識からだ。ビジネスに役立ちそうな勉強、スキルはこの時点で皆無。おそらく同期から数歩遅れであろう状態で社会人をスタートさせた。

人事担当者との面談で配属先希望を聞かれるが、私自身が会社という組織を全く理解していない状態。学生時代の専攻から生かせそうな専門性がない事も手伝って、当時の私の答えは「ヒトカネモノに関する部署ならどこでも良いです」である。置かれた場所で咲いてやる!的なチャレンジャー精神の持ち主と言えば聞こえがいいが、重要な分岐点でかなり投げやりな回答をしたことを今も鮮明に覚えている。

バカ正直さは自分らしくて良いと思うが、何かもうちょっと答え方があっただろうにと突っ込みたくなる。あと、多少願望があっても、あまり自分の意見を言わないタイプの性格は、面談では災いでしかない。相手はエスパーではない、はっきりと伝えない事には叶うものも叶わないのだから。

キャリアイメージを具体化させるロールモデル探し

入社以来、本能的に周りでロールモデルになりそうな人を探しながら働いていた。これは今考えても妥当な考えだと思う。ただこの時、ロールモデルの相手を無意識に「女性」に絞っていたのは失敗だった。余計なフィルターをかけ、視野を狭めたと痛烈に感じる。なぜ女性に絞ったのか考えると「結婚後も働けるか」という漠然とした不安に囚われていたからかもしれない。

結果、しっくりくるロールモデルは見つからなかった。原因は単純に社内の人を知らなかったこと、ロールモデルの意味をきちんと理解していなかったこと。「仕事の仕方」という切り口でロールモデルを探せば、ロールモデルとなる人物は必ずいたと思う。しかし、ワーママで管理職ポストにいる人を女性社員が僅かしかいない会社で探すのはは賢くないやり方だったと思う。

キャリアはなりゆきにしてもいい?

中島みゆきさんの歌で「この船をこいでゆけ、お前の手でこいでゆけ、お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるな」というような歌詞の曲がある。お前が消えて喜ぶ者‥のフレーズはともかく、自分の人生を切り拓くことは他人任せにすべきことでは無いし、後悔しないためにも決定権は自分自身でもつべきだ。私はこの辺をなおざりにしていたので、なりたい自分への道を遠回りしてきたと思う。

ただ、会社員である以上は配属という制約は仕方ないと思うし、何かしら経験したこと自体はマイナスにはならないと思う。なりゆき上、色々な場所に身を置くことになったとしても、縁があるかないか、そこに止まるかどうかは結局自分自身が決める事だと思う。

ヘタなりに、前に進んでいた

結局、人事と面談後に私が最初に配属を受け任された仕事はいわゆる一般庶務。ビジネススキルのない私には最高にマッチした職務で有り難いのひと言。そのうえ、大所帯の部署だったため社内の顔見知り(人脈)が築けた事が何よりの宝物になった。

徐々に仕事に慣れるにつれ、今のままだと先が見えないと感じ、専門性を身につけたいという思いが沸く。肝心の専門性の方向性が定まらずにいて、踊り場に立つ状態に思い悩む。勉強すれば良いのだが、「何か武器が欲しい」と思ってもその「何か」を見出せずにいた。

思いがけず異動があり、異動先は大所帯ではなく小規模組織、同僚はベテラン社員だらけ。教わる技術が低く、他部署とも関わることが増えた結果、ノミの心臓は疲弊。職務経験0で無力感に打ちひしがれながらも上司の暖かい人柄に救われた。必要に駆られる感覚だけは自分にハマって、見よう見まねで働いてるうちに自分にも少し武器的な物の輪郭くらいは見えてきたと思う。

振り返ってようやく気づけたこと

自己分析になるが、私は「自分が人の役に立てること」が原動力らしく、自らの目標の為にコツコツ畑を耕すという性分ではないことは一貫しており、これは就職活動時代から薄々自覚していた。これは、私の強みであり弱みだと思っている。

私の経歴は育休で断続しがちだが、少ないながら経験した事をようやく棚卸しし始めている。自分には何も無いと思っていたがそれは間違いだ。技術も経験も足りないが経験自体は無くならない。今後はどんなスキルが必要か、どんな経験を積みたいか自分で決めていこう。入社したての頃には見えなかった光景が、仕事と育児で思い悩んだ時期を脱け出し、今ようやく見え始めてきたと思った。






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