識者にありがちな「学びなおし」の勘違い

学び直しと生産性は一定の相関関係がある。経済協力開発機構(OECD)のデータをみると、仕事に関する再教育へ参加する人の割合が高い国ほど時間あたりの労働生産性が高い傾向がある。これは統計なので、確からしいと判断できる。ただ、公的支援の在り方が問題だ。6月9日付け日本経済新聞31面特集に、シニア層の学び直しと費用の企業負担についてのコメントが記載されていた。現場感のない識者に在りがちな、間違った内容で残念。まず、学び直しが必要なのは中堅層、決してシニア層ではない。シニア層は、これまでの知識や経験をしっかり次の世代に引き継ぐことが、社会への最後の務め。また、「学びなおし」に参加できていない最大の理由は、費用の負担ができないのではなく、時間が割けないから。ちょっと現場でヒアリングすれば、明らかになる単純なレベル。経営者は、費用の負担ではなく時間の提供をするべきで、働き方改革の一環としても整合性があり、一挙両得ではないか?自分できちんと調査し、熟慮してから発言してくださいな。

#日経COMEMO #NIKKEI

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