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もし、タイムマシンに乗れるなら【表現者:みのり】

今回のエッセイは表現者さんに以下の物語を読んでから執筆してもらいました。

10月のある日のこと、あなたの自宅のポストに1枚の手紙が届いていました。差出人は国営の某機関。おそるおそる封を開けてみると、中には1枚のチケットが…。

封入されていた手紙を一通り読むと、どうやらあなたは『タイムマシンに乗る権利』を手に入れたようです。

この権利は、国の決まりで拒否することができないみたい。そして、滞在時間内に必ず達成しないといけない条件もあります。

それは、過去を生きるあなたか未来に生きるあなたのどちらかに出会い、今のあなたから伝えたい想いを伝えること。

タイムマシンに乗れるのは1回きり、滞在できるのはたったの24時間だけ。
さて、あなたは過去か未来、どちらのあなたに会いに行って、どんな言葉を伝えますか?

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個人的にはタイムマシンってなんか怖いし出来れば使いたくないのが正直なところなので、過去か未来のどちらに行くかとても悩みました。その結果、私は未来の自分に会いに行きたいと思いました。

沢山の経験を重ねる未来のなかで、私が選んだのは死ぬ直前の時間

みのりさん

未来を選んだ理由は、過去も魅力的ではあるけど、今までの過去があったからこそ今の私の性格や考え方があって、そんな今の私に満足してるし割と気に入っているので(笑)、今さら思い出を振り返るよりは未来の自分の姿を見てみたいと思ったからです。

そしていつの私に会いに行くかですが、これからたくさんの経験を重ねていくであろう未来の中でも、死ぬ直前の私に会いに行きたいです。

いつ死ぬかなんて今の私は分からないので、70年後に飛ぶかもしれないし、もしかしたら1週間後なのかもしれない、そんなハラハラドキドキを味わいながらタイムマシンに乗りこんで、未来の私と死までの24時間を共にします。

私の事を全部知っている今の私だからできること

wsでの1枚

今の私は漠然と死に対する恐怖があり、友人にも「永遠の命があれば欲しい〜」なんてたまに話したりします。
そんな自分がどのような最期を迎えるのか、突然なのか天寿を全うするのか、独りなのか誰かに看取られるのか、狂乱しているのか安らかなのか、想像するのも少し怖いけど、色々考えてみました。

未来の私もきっと死ぬのがとても怖くて沢山取り乱して、でも皆の中で残る私は最後まで格好よくありたいからそんな姿は誰にも見られたくなくて、それでも独り死んでいくのは不安で仕方ないんだろうな、と思います。
だから、せめて綺麗な気持ちも汚い気持ちも全部知っている今の私が傍に居て、未来の私を安心させてあげたいです。

そんな、人生の終わりを迎えようとしている私にかけてあげたい言葉は、
「怖くないよ。大丈夫だよ。今までお疲れ様。」
で、頭を撫でてあげて、背中をさすってあげて、本当は甘えたがりな私を私が思いっきり甘やかしてあげたいです。

最後について考えることで、未来の自分に夢を叶えさせてあげたくなった

そうして24時間経過後、2022年に戻って来た私はきっと、限りある日々を大切に生きていきたいという思いがとても強くなっていて、自分にも他人にも今より優しく出来る人になっているんじゃないかなと思います。
死への恐怖は消えないけど、死ぬ時は今の私がタイムマシンに乗って飛んで来て、そばに居てくれると想像すると、少しだけ気持ちが楽になるような気がします。

今回、自分の未来について、最期について考えたことで、過去や今の自分に見せても恥ずかしくないような未来の自分になりたいと思いました。
未来の自分に夢を叶えて誇らしい姿をさせてあげられるように、今の自分が今出来ることにこれからも全力で取り組んでいきたいです。

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(編集:響あづ妙

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