カジマヤーのコピー

カジマヤーの始まり


沖縄では数え97歳になる老人に赤色の着物を着せ風車を持たせて村の中を行列する盛大なお祝いのことを『カジマヤー』(風車)と言います。

今回はカジマヤーの始まりをご紹介します。


ある日、天の神が地上に降りてきてとても綺麗な土を見つけた。天の神はその土を使って人間を作り始めた。丁寧に時間をかけて、男と女の人形をそれぞれ3つづつ作った。人形に息を吹き込むのは夕方ではなく太陽が昇る朝にしようと思い、その日は6つの人形を木の下に残して天に帰っていった。

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翌朝、木の下に戻ると人形達はめちゃくちゃに壊されていた。天の神は腹を立てたが、もう一度作ることにした。作り終えた時にはまた夕方になっていたので、命を吹き込むのは翌朝にすることにした。また木の下に人形を置いて天に帰って行った。翌朝戻ってみると、またまた人形達は壊されていた。天の神は大変怒った。3度目の人形作り、その晩は木の陰に隠れて見張っていた。

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真夜中になると突然まぶしい光が輝き土の神が現れた。土の神は人形に近寄ると、それを壊そうとした。天の神は人形たちを守り土の神を大変怒った。土の神はと言うと、許可もなく土で勝手に作るとは!と大変ご立腹。それを聞いた天の神は土の神に謝り、100年の間でいいからこの土を貸してくれないかとお願いした。土の神は許して土を貸すことにした。天の神は6つの人形に命を吹き込んだ。6つの人形は人間になり、それぞれ三組の夫婦になった。その三組から子供が大勢生まれ人間の世が栄え、とても天の神は喜んだ。

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97年目に土の神がもう土を返してもらおう、と天の神に行った。天の神は、約束したのは100年の間で今はまだ97年目だと言い張った。

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土の神は97年の間にはうるう年が3年分あり、太陰暦では100年に相当する。天と地をつくった偉い神様には100年しかお許しをもらってないので、どうしても今日返してくれと土の神は言いた。天の神は困ってしまった。人間たち皆んなが100年生きた訳ではないし、子供や赤ん坊もいるのに土に戻すには可哀想だ。天の神も土の神も困り果てた。

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そこで2人は天と地を作った偉い神様に申し訳が立つように、97歳になった人間には、赤ん坊のおもちゃであるカジマヤー(風車)を持たせて子供のマネをさせて、地上には97歳以上の人間はいないと言うことにしよう。

こうして沖縄では97歳になると子供に還ると言われ、カジマヤーを持たせて祝う風習がうまれ、いまでも行われている。

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おしまい。

また、沖縄の民話をご紹介したいと思います。

それではまた。

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