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自己免疫疾患(指定難病)とともに生きる (8) - JANGAN MALU-MALU! Living with an Autoimmune Disease

【世界中からのメッセージ】

 もう一つ、病気のおかげと思うこと、それは、この連載で自分が今感じていることなどを発信し始めたところ、世界中の友人から本当にたくさんの温かいメッセージが届き始め、皆さんが心を寄せてくださって、自分が世界中の人に支えられて生きていることを強く実感したことである。
 現在は治療により自己の免疫機能を抑えているため、感染症にかかりやすく、面会にも制限があるが、ありがたいことに、体調管理に気をつけながら面会に足を運んでくださる方も多く、大きな幸せを感じる。主治医から、今、自己の免疫機能を抑えた状態で新型コロナウイルス感染症などにり患してしまうと重症化のリスクが怖いので十分に気をつけるよう念押しされているので、もちろん、今は治療を最優先に考えなければならない。体調管理に十分気をつけながら、同時に、心が感じる幸せ、喜びのバランスをとりながら、前に進んでいこう。
 今回の病気をきっかけに、これまで忙しさにかまけて長いこと会えていなかったり、話す時間がとれていなかったりした友人たちと、久しぶりに時間を共有し、心を通わせ、コミュニケーションを重ねる時間がとれるようになった。そんな、世界中のたくさんの皆さんから、前に進む大きなパワーをいただいている。私の前向きに感じる気持ちの源は、やはり「人」でしかない、と再認識した。

 この連載は、今のところ日本語でしか発信していないが、ありがたいことに日本語を理解しない友人も読んでくれているようで、たくさんの温かいメッセージをいただいた。聞くと、AI翻訳で読んでくれたとのことである。どれだけ正確なニュアンスが伝わっているのかは分からないし、自分で直接相手に伝えることばとは異なっているが、それでも、皆さんからいただくメッセージの内容から、私の今感じていることが、ストレートに世界中の相手の心に伝わっていることを確信する。AI翻訳を手放しで絶賛するつもりはないが、現在のAI翻訳の目覚ましい進歩も感じずにはいられない。
 同時に思うことは、日本語を理解する人でも、ことばの受け止め方、理解の仕方は人それぞれなので、自分が伝えたかったことばが完全に100%同じ想いで相手に伝わることはない。そう思うと、自分のことばで直接相手に伝わるのでも、AI翻訳を通して相手に伝わるのでも、それほど大した違いはなく、私の想いがストレートに相手の心に伝わって、その人なりの解釈をしてくれたらそれで良いのかもしれない。一方で、私には、やはり自分のことばで直接相手に伝えることを大切にしたいという思いも強くある。この点については、今後、より深く考えていきたい。
 世界各国の自己免疫疾患とともに生きている皆さんのネットワークを紹介してくれる人がいたり、当事者本人が実際に試して非常に効果的だった食事療法を教えてくれる人がいたり、たくさんの具体的なアドバイスが届くようになった。じっくりと、これからの自分らしい人生にふさわしい生き方を見極めていこう。

 たくさんのメッセージの中で、「私自身膠原病こうげんびょうです」、「私の身近にも膠原病や指定難病とともに生きている人がいます」と知らせてくださる方もたくさんいて、同じような状況を共有している仲間が、身近にもたくさんいることを知った。こういう現実は、自分ごととなるまで、なかなか目に入らない、いや、実際には目に入っていても、見えていない、認識していない、気にしていないのかもしれない。実際、私は、これまで膠原病についてほとんど何も知らず、今回、リウマチや膠原病の可能性があると初めて聞いたとき、「はて、リウマチって聞いたことあるけど、高齢者の病気?どんな症状だった?膠原病って一体なに?自己免疫疾患なんだ!?」と戸惑いを感じたのが正直なところである。その後、自分ごととなり、たくさん調べ、身近な人とたくさん話し、世の中には自分の知らないことがまだまだたくさんある、ということに気づかされた。知らないということは、悪意なく無自覚に相手を傷つけてしまう言動にもつながりかねない。私の経験や気づきを発信することで、そこから少しでも気づきを広げていけるような、そんなきっかけを作ることができたらうれしい。

(つづく)

(カバー画像:面会に足を運んでくださった方からいただいたお花やメガネ置きに癒されながらの食事)


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