Big4とUSCPAについて


*2013-2015年にアメリカのBIG4のAuditチームで働いた時の経験を元に書いております。一部情報が古いところがあるかもしれませんので、ご了承ください。

Big4の年収
アメリカで会計学を学んでいる生徒の多くが目指す就職先はBig4と呼ばれる4大監査法人(PWC/ Deloitte/EY/KPMG)です。

Big4間で給与や待遇は大きく変わりません。ポジション毎の給与は大体以下のような感じだと思います。

Associate: $45k – $60k
Senior Associate: $60k – $80k
Manager: $80k – $120k
Senior Manager: $120k – $150k
Managing Director: $150k – $200k
Partner: $300k+

Work-Life Balance
多くの方が一番気になるのはこの部分かもしれません。これは配属されたチームによるところが非常に大きいのですが、繁忙期(主に1-3月)はそれなりの覚悟が必要です。ちなみに私の1年目の繁忙期のスケジュールは月曜から木曜は9時―23時、金曜から日曜は9時-17時という感じでした。1月から2月の後半までこのスケジュールが続き、40連勤くらいしてました。恐らくこれはかなり忙しい現場の部類に入ると思います。ただチームは本当にいいメンバーだったので、人間関係のストレスはほとんどなかったことは救いでした。3月から5月は別の小さな日系のクライエントのチームにアサインされ、仕事は9時―21時で週末は普通に休みだったので、だいぶ楽になりました。また6月から12月までは残業はほとんどなかったので、1年を通してみれば、そこまで悪くないという見方もできます。ただこれはあくまでアソシエイトの場合なので、シニアになるとさらに忙しくなります。


お勧めのOffice
大都市のOfficeのほうが給与は若干高くなりますが、その分物価も高く、Competitiveな労働環境です。また日本人のチームの規模が大きいので、アメリカのOfficeとはいえ、日本人特有の上下関係やしがらみがあるケースも多いです。採用人数も多いのですが、その分応募する人も多いため、競争倍率は高くなります。また大都市の方がキャリアが第一と考える人が多い印象で、あまりファミリーフレンドリーな環境ではないかもしれません。

個人的には私が働いていたアトランタはかなりお勧めです。まず応募してくる人が大都市の他のOfficeに比べ圧倒的に少ないため、競争倍率はかなり低いです。また土地柄クリスチャンが多く、仕事よりも家族優先という文化があるのも、働きやすい要因です。またアトランタは実は日系の企業が多く、日本人学校があったり、日本食などもほぼ何でも手に入りますので、日本人にとって暮らしやすい場所だと思います。物価も低めで、アパートもプールとジムがついているところも多いです。ただし公共機関の交通手段は充実していないため、車の購入はほぼ必須となります。


キャリアパス
パートナーになり引退するまで働けば、年収1億を超えることも可能ですが、それはかなり狭き門です。Big4で2-3年働いて、一般企業のFinanceのポジションに転職する人はかなり多いです。将来日本に戻ることを考えているなら、一番これがお勧めのキャリアパスだと思います。実は日本で働く場合、Big4に長くいると、内部監査やControllership以外のポジションへの転職が難しくなる場合があります。もしFP&Aの仕事がしたいなら早い段階で一般企業に転職することをお勧めします。またBig4からFP&Aへの転職が難しい場合はありますので、その場合は経理や内部監査を挟んで、社内移動や再度転職をするという方法が効果的です。ちなみにアメリカで転職を考えている場合は、Manager/Senior ManagerになるまでBig4でキャリアを積むと、大企業のDirectorクラス、中小企業のCFOクラスでの転職も可能となってきます。そのため2-3年で転職するよりも、Managerになるまでは残ったほうがメリットはあるかもしれません。


USCPA
4つの科目のテストをパスしないといけないのですが、それぞれの科目の合格率は50%程と、難易度としてはそこまで高くありません(ただこれは全体の合格率となりますので、日本人に限定したらもっと低くなると思います)。USCPAの学習教材をきちんと勉強すれば、問題無く受かるレベルだと思います。ただし、仕事をしながら勉強する時間を確保するのは、なかなか至難の業ですので、学生中にUSCPAの勉強を始めることをお勧め致します。ちなみに私の場合は、大学を卒業してから入社まで5か月ほど間がありましたので、その間にCPAの勉強に専念し、仕事が始まる前に何とか全てのテストにパスすることができました。Beckerという教材を使ったのですが、大体一科目100~120時間くらいは勉強したと思います。また体感的な難易度は難しい順にFARー>REGー> AUDー>BECという感じでした。個人差はあると思いますが、FARとREGは容量がかなり多いので、一番最初にやることをお勧めします。

また1点気を付けなければいけないのは州によってCPAを取るためのEducational Requirementが違うというところです。そのため自分の働きたい州のEducational Requirementを満たすようにクラスを取る必要があります。

CPAを取るメリットとしては
1. USCPAボーナスが支給される(入社1年目にとれば$5000)
2. 仕事に必要な知識が深まる
3. ManagerになるためにはUSCPAが必須
4.転職する際に有利になる
等があります。

ただし、もしBig4に入って、数年で転職を考えているなら、無理して取らなくてもいいかもしれません。転職ではUSCPAを持っていると多少は有利になりますが、別に持っていなくても、アメリカのBig4の経歴があれば、転職にはさほど困らないと思います。

かなりざっくりとした内容にはなりますが、Big4またUSCPA取得を考えている方の参考になれば幸いです。

質問がある方はコメント欄に記入頂ければ、回答させて頂きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?