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龍と、謎の瀬織津姫を訪ねて その後編

 水と浄化を司る、謎の神様、
瀬織津姫せおりつひめ
を、
主祭神としてお祀りする
全国でも数少ない神社を探し、
愛知県東栄町のつき神社を訪ねた
私と友人。

ちなみに前編でも記しましたが、
瀬織津姫せおりつひめとはこんな神様。

瀬織津姫(せおりつひめ)は、神道の大祓詞に登場するである。瀬織津比咩瀬織津比売瀬織津媛とも表記される。古事記日本書紀には記されていない神名である。
(中略)
水神祓神、瀧神、川神である。九州以南では海の神ともされる。祓戸四神の一柱で祓い浄めの女神。「人の穢れを早川の瀬で浄める」とあり、これは治水神としての特性である

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)


さて、その瀬織津姫を祀る神社の 
浄化のパワーに癒されつつも、
つき神社が元熊野神社であることから
本来、瀬織津姫せおりつひめが祀られていた、
合祀前のつき神社の所在地を探すべく
友人と共に付近を探索することに。


元々五感に優れた友人が、
近くに川が流れている事を発見、
その脇に水天宮があるという。

ひょっとしたら、そこが、
水と浄化の神様瀬織津姫せおりつひめを祀る
槻神社の跡地ではないかと推測。

徒歩で田んぼ道を歩いてゆくと、
そのあぜ道が川に突き当たる場所に
旧い小さなお社が建っている。

とはいえ、そこは民家の庭先の奥。
黙って立ち入るのは無礼と思ったら
ちょうどその家のご主人らしき方が
全く偶然に、その社の近くで、
庭仕事をしていらっしゃいます。

そこで勇気を出してお声がけ。
このお社は瀬織津姫せおりつひめ様のお社では?

すると、そのご主人、
あっさりと「そうですよ。」
今は熊野神社に合祀されたけど、
以前は、ここにつき神社があった、
と、まったく想像通りのお返事。

ご主人の曽祖母までが、
合祀前のつき神社をご存じで、
今は跡地に立てられたこのお社を
ご主人のご一家が、大切に、
守っていらっしゃるとのこと。

まさに、瀬織津姫せおりつひめ様に導かれ、
本来の地にたどり着いたのです。


瀬織津姫を祀った槻神社の跡地に建てられたお社(水天宮ではありません)


確かにそのお社の背後には、
清らかな水が流れる川があります!
そしてつき神社跡地の背後は、
ちょうど川底が浅く、
早瀬になっている場所。
まさに、「祓い清める」水の神様、
瀬織津姫せおりつひめ様にふさわしい場所。


本来の槻神社があった背後の川。早瀬はまさに瀬織津姫さまを思わせる


さらに槻神社跡の社のすぐ裏は崖で
そこをよく見ると、
木の根と岩が張り出し、
その下の穴にはわずかに湧き水が。

この根と岩の感じは、
何かに似ている・・・・


瀬織津姫を祀った槻神社跡の社のすぐ背後の崖


そう、規模は全く違いますが、
沖縄の各地にある神聖な神々の聖地、
御嶽うたきによく似ています。

こうした精霊の住みそうな、
岩と森と水が織りなす地を、
古来から日本人は、神々が宿る、
聖地として崇めてきたのでしょう。


それは縄文時代から営々と続く、
自然信仰・精霊信仰が、
現代もずっと生き続けている、
日本ならではの民間信仰であり、
今、まさに地球の危機を救う、
ネオ・アニミズムの世界観です。


ご参考までに、
ネオ・アニミズムについては、
この記事をご参照ください。

瀬織津姫せおりつひめを祀る槻神社は、
やはり、川・水の近くにあった!

その川の水はあくまで清く、
対岸の森は桜と新緑が美しい、
日本の原風景そのものでした。


瀬織津姫はこの美しい川に、今もいらっしゃるのかも

そして、その時、空を見上げたら、
まさにとぐろを巻いた龍神さまが、
私たちを見下ろしているのでした。


左上の空から見下ろす龍神様

そういえば瀬織津姫は龍神でもあり
また弁天様でもあるとか。
水を司る神様に、
改めて頭を下げたのであります。


近くの湯谷温泉、はづ別館で、
素晴らしい温泉と宿を満喫。
せせらぎの音をBGMに熟睡。


湯谷温泉 はづ別館 窓の下は川!


その夜半、激しい雷雨があり、
世の中の穢れを洗い流して、
翌日は清々しい晴天!


せっかく奥三河まで来たのだから、
と、友人がネットで探し、
「蔦の淵」という滝を近くで発見。

日本のナイアガラ、とも言われ、
ちょっと大げさとは思いつつも、
その説明版を見ると、
なんと、ここにも龍神伝説が。

この滝壺というか、深い淵は、
竜宮城に繋がっている、という
昔からの伝説があるそうです。


龍神伝説が残る蔦の淵


瀬織津姫を祀る神社を訪ねた旅は、
奇しくも「龍」に出会う旅となり、
私たちの映像制作やプラニングに、
鮮烈なイメージを、残したのです。

今年は辰年。
龍の年。

破壊と再生の年。


私たちは、さらにこれからも、
地球生態系を再生するための、
新たな智慧と勇気を求めて、
旅を続けるのであります。


birdfilm 映像作家:増田達彦














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