筑波大学生物学類の推薦受けてきた話!【2023年度】

 こんにちは、birdeaterです。
 普段は作品記事とか小説とかしか投稿しない人が急に受験の話をしだしてびっくりしたかもしれませんが、今回はタイトル通りのお話。
 小論文と面接について、それぞれ振り返ります。なお、試験内容は著作物なので、そのまま掲載はもちろんしません。いずれにせよ来年の赤本で出ると思うので、今回は何が出たかだけ紹介します。
 それでは早速、本編へ。



〇経緯と事前準備について

 本来は推薦を受ける気がなかった僕ですが、「実は一回多く受けれるだけお得なのでは?」と思い推薦へ。そしたらなんと、評定がギリギリ足りませんでした。校内評定がA評定って4.3以上ですが、僕は4.0でB評定。はなから推薦のことは考えておらず、評定なんて一時の数字だと思っていたので、まあ結果的に後悔する形にはなりました。とはいえ、筑波大学の推薦出願資格は「評定A以上もしくはそれくらいの学力があるもの(意訳)」とルーズだったので、校内選考が通って出願。3年間学級委員だったのと、課題研究発表会の成果が生かされてみたいで良かったです。
 というわけで、推薦の赤本を。赤本を始めたのは推薦を受ける1週間前、めっちゃギリギリ!しかも昨年分は前日に解きました。というのも、さっと目を通した感じ「あれ、そこまで難易度高くないか…?」といった所感でした。ここら辺は課題研究で生物をやっていたり、生物学オリンピックに出たり、記述能力は小説執筆で培われていたので、むしろ普通の試験よりも相性が良く感じて、赤本解いたときも8、9割くらい解けてたのもあり、そこまで緊張感はありませんでした。英語も元々共通テスト模試8割~9割くらい取っていたので、むしろ得意分野!という感じです。
 面接練習も、生物の先生に一回だけやってもらいました。個人的におしゃべりするの大好きなので、入退室のマナーだけ覚えて、あとは聞かれたことに対して答える、という感じでした。先生からも、「birdeater君に完全に空間を支配されてた」と言われたので、多分褒められてるよね!と思って自信を持てました。ただし、筑波大学の面接は「興味がある分野はとことん聞かれるから」と忠告されてもいました。実際、うちの高校にキノコが大好きすぎて朝一で学校来て一生中庭のキノコ観察してる先輩がいたんですけど、なんとその先輩が「ヤバい」というくらいだったので、そこはかなり畏怖しつつ、毎日帰ってから生物の論文を読んでいました。特に僕は昆虫が大好きで、それも理由で筑波大学入ろうと思ったので、昆虫系の論文は片っ端から読みました。たぶん推薦対策の時間のほとんどが論文読む時間でした。課題研究のとき「データを参考にするときは海外の論文も読むんだぞ!日本語の論文なんてこの世界にほんの一部しかないんだから!」と教えられていたので、当然英語の論文も読みました。とはいえ、興味のある分野だったのでめちゃくちゃ楽しかったです!
 あとはやっぱり筆記で知識を問われるところもあると思ったので、生物一問一答だったり教科書だったりはかなり100%に近い精度で頭に入れてました。ほんとは資料集も読んでおきたかったのですが、前日に学校に置いてきました((殴
 というのが事前準備です。基本的に推薦は「受かったらラッキー!」くらいで受けに行くつもりだったので、推薦対策といえばやはり論文をめちゃくちゃ読んだくらい。でもこれほとんど趣味だったので、そう思うと推薦対策という対策は、事前に赤本を解いたくらいかもしれません。


〇Day1:小論文

 自宅が関東圏なので、なんとか車で送ってもらい到着した試験会場。筑波大学はとにかく敷地が広いです。やばい。
 着いてからは、まずスマホの電源を切ります。それからひたすら、教科書を熟読。資料集は先述した通り学校に置いてきてしまったのですが、もしかしたら資料集読むほうが良いかも。
 ようやく試験開始。最初の英語の長文は「細菌の分類方法」についてでしたね。英語で論文を読んでいた経験も生き、ほとんど注釈を読まないままでも精読可能でした。どこかの一文だけ精読無理だったかも。
 ということもあって、英語は結構順調に記述。壮大なミスリードをしていなければ、かなり良いスコア取れてるんじゃないかと思います。個人的に心配だった穴埋め問題ですが、「生物を見るためのもの」かつ「なんたらかんたらさんによって発明された」というヒントから選択肢無でビタ入れの問題で結構悩みましたが、多分生物を見るなら顕微鏡だろ!と思って書いたら合ってました。なんたらかんたらさん、「レーウェンフック」さんでしたね。
 大問2は植物。独立栄養生物とは何かの記述はほぼ完登できたと思います。あとから教科書を確認しましたが、ほぼ全く同じこと書いていました。100字で結構ゆとりがあったので、炭素循環のお話も添えておきました。植物が緑色に見える理由も、なんと自作のSS「まかべーと学ぶ高校"生物"」で全く同じことを説明したのがそのまま経験として活きました。最後の「陸上植物が移動できないことによる不利益」は、捕食者から逃れられない旨を説明。高校の中の植物の葉をすりつぶして匂いを嗅ぐ遊び(麻薬じゃないよ!)をしていたとき、サンショウの葉っぱの付け根にある棘が指に刺さったときの記憶が浮かんで、物理的、及び化学的な防御方法をそれぞれバラや、ダイコンとサンショウ等の植物の種名を上げながら記述しました。
 大問3はDNA。今年の試験では遺伝か発生のどちらかは絶対出ると思ったので的中。半保存的複製のメリットを問う問題では「塩基の相補性」という観点から記述。そのあとのアミノ酸を指定するコドンの通り数は、コドンの個数である4を3乗して、アミノ酸を指定しない終止コドン3種類を引いた61通りかな?(ここあんまり自信ない)
 最後の計算問題は塩基の割合の問題。苦手分野なのでぎょっとしましたが、落ち着いて解いたらなんら難しくありませんでした。分数を使って一発で解いても、それぞれの比を使って論理パズルみたいに解いても解けたので、二通りの解法を記述したと思います。

 これで終了。だいたいここまでで65分、試験時間は120分だったので、残り1時間くらいはひたすら見直しの時間に使いました。全体としてはさほど難しくなかったので、個人的には満点取れててもおかしくないんじゃないかと思ってます。点数低かったら恥ずかしいのでもう言いません。


〇Day2:面接

 得意だし楽しみだし大丈夫!論文もたくさん読んだぞ!の面接。
 前日くらいまで自信あったんですけど、当日めちゃくちゃ緊張してきました。ですが、研究発表で幾度となく経験した緊張、そして個人的に緊張は大好物!このドキドキ感がたまらないんですよね!圧迫面接でもなんでもかかってこい!ということで挑んだ面接でした。
 待合室は例のごとくスマホ禁止。言うことを事前にメモしていたりしたわけではなく、「自分が普段思っていることをしっかり伝えよう」「品定めされてる感覚を忘れて、大学の先生たちと楽しくお話してると思おう」という心構えで待機していました。
 それから始まった面接。まずドアがめっちゃ重くて閉まっちゃうと思ったので、入る前に一礼の原則を一時的に無視して一度ドアを閉めてから礼しました。それから席について面接開始。
 まずは受験番号、名前、出身校。それから、「生物学を志望した理由」を聞かれました。僕は小さいころ、めっちゃ自然の中で育ちました。高校で貰う地図帳見ると、一番デカい拡大地図でも、だだっ広い緑の平面に、ぽつんと地名が書かれているだけ、みたいな場所で幼少期を過ごした私は、そんな自然の中で様々な動物、とくに昆虫に出会ったのでした。それから大好きな昆虫のことを勉強したくて、筑波大学の生物学類を志望しています!と率直にお話しました。
 それから、「昆虫でもどんなことを勉強したい?」と聞かれました。もちろんここまでは想定内、僕はとにかく「社会性昆虫のエラー戦略」について勉強したいとお話しました。社会性昆虫はフェロモンで社会を形成しているけれど、中にはその受容精度が低い個体がいる。でも実は、そういう個体がいたほうが採餌効率が良いことが分かっている。だけど、どうしてエラー個体の存在が採餌効率を向上させているのかは分からない。それについて勉強したいとお話しました。これも論文をたくさん読んで身に着けた知識でした。
 すると、「でも論文って、海外のも読まなきゃいけないよね?」と聞かれました。もちろん、上で説明したように、課題研究の頃から英語の論文は読んでいますから!自信を持って答えられました。これもまた、高校の課題研究の経験が活きたところでした。
 他にも「社会性を持つ動物って昆虫以外にもいるけど、どうして昆虫がいいの?」と聞かれました。これも論文知識で、実は昆虫の神経細胞はたったの10万個、脊椎動物に比べると1/10000000しかないんです。シンプルな神経回路の構造故、それを直接ロボット工学の電子回路に転用することで、多脚ロボットの歩行アルゴリズムを開発することに成功している、という例を上げながら、他分野への転用が比較的容易であることをアピールしました。
 そのあと、「社会性昆虫を研究していくとして、生物学以外のどんな学問を応用して研究を進めていこうと思いますか?」と聞かれました。これは同時に「生物学以外のどんな学問が好き、得意ですか?」というニュアンスにも感じ取られたのと、過去に昆虫生態学の論文で存在確立の数式が説明されて脳を破壊されたのを思い出して、数学のお話をしました。実際生物学よりむしろ数学のほうを勉強していた気さえするくらいで、結城浩氏の「数学ガール」に心を惹かれて、とりわけゲーデルの不完全性定理が大好きなんです!集団行動には確率論の話もたくさん出てくるので、数学が活きると思います、と返答しました。加えて、愛読書である「ファーブル昆虫記」のファーブルの名前を挙げながら、「観察や直感からしか得られないような情報も大切にしていきたい」と述べました。
 また、「社会性昆虫以外の研究はどう?」とも聞かれました。昆虫は社会性以外にも、形態として非常に面白くて、これまたトンボの羽の構造なんかは、空気の粘性を無視できない規模の飛翔体に対して工学的に応用されていたりするので、それぞれの形について研究するのも面白いかもしれません、と話しました。
 ここからはパーソナルな話。高校でパソコン部に入っていて、全国のタイピング大会で一級資格を取得した話をしたあと、「それこそプログラミングとかして、工学に生かしたりしたいの?」と聞かれたのですが、高校の部活は課題研究でほとんど出れていなかったので、プログラミングを学ぶというよりはワードやエクセルの基本的な使い方を地道に勉強していた、と正直に伝えました。ですが、実は小学生の頃プログラミングを習っていたので、生かしてみたいという気持ちはあります、とも付け添えておきました。
 そして「高校時代頑張ったことはなんですか?」という質問。これはこれしかない、と思って高校時代の課題研究のお話。まずは何をやっていたのか聞かれたので、高校一年生の頃は「温度条件による生分解性製品の分解速度の差異について」、高校二年生では「銅鏡反応の安定化」をしたと返答。そこで、高校一年生のときの生分解性製品のお話を深堀りされました。そこで「生分解性プラスチックといえども1か月程度の研究期間では分解が見られなかったこと」「自然由来製品は草、竹、紙のうち紙が最も早かったこと」をお話したあと、「紙は純粋なセルロースとして取り出されているので、結合物質であるリグニンが除去されていて結合が弱まっていたのではないか」という仮説も同時にお話しました。課題研究やっててよかった…!!
 最後に、「時間があるので自己PRをどうぞ」と言われました。内心「(自己PR!?)」と動揺しましたが、実はぜひぜひお話したいことがあるのでした。それが、僕と友人が発起人となったゲーム制作サークルのお話。自力でメンバーを集めて、自身が中心となって制作を進行していく中で、自分の成長を実感できたというお話と、高校に入ったばかりの頃、趣味がなさすぎて無個性に焦っていたとき、思い切ってギターを始めました。軽音部に入るほどの勇気はなかったのですが、高校最後の文化祭で有志でバンドを組めて発表できて、本当にいろんなことが出来るようになったんだな…と実感しました。こうした積み重ねが僕の高校での成長であり、今の僕の長所でもあると思います、となんとか僕の固有性と長所を説明しようとしました。ちょっと下手だったかも。そしたら面接官の先生が、「じゃあそういうところも、大学入ってから頑張ってくれるんですね」っておっしゃってくださって、「あれ、確約!!??」とか思いましたが、そんなわけないのでステイクール。
 これで面接が終了しました。「あれ、もう!?」ってなりました。思い返すと「筑波大学じゃなきゃいけない理由」だったりとか、全然説明できてなくない!?なんてことも思いました。でも、情熱は伝わったと思うのであんまり後悔はありません。それに、三人の面接の先生、めちゃくちゃ優しかったんです!説明を聞いてるときもめちゃくちゃリアクションしてくれて、たくさん質問してくれて、ところどころ笑ってくださったりして、受ける前は超緊張してたのが、いつの間にか楽しい空間になっていました。もっと面接したかった~とさえ思っています。筑波大学の先生方に惚れました。


 というのが推薦のお話。
 まだ受かっているかは分かりませんが、合否に関わらずこの記事は残します。来年、筑波大学の推薦を受ける人の参考になることを願っています。
 勉強は「確実に」やっていきましょう!分かることを増やす意識より、「分からないことをなくす」イメージで!これからも頑張っていきましょう~

 それでは。


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