【日本一周】3県目/山口県
寒さで目が覚めた。
外はまだ暗い。ぼんやりとしたまま車内の温度計を見てみると、気温は10℃を下回っていた。寒いわけだ。首元までぎゅっと寝袋を引き寄せ、体を縮ませながら再び目を閉じる。
次に目が覚めたのは6:30。空は明るくなっていた。夜中に起きた時より気温も上がっている。太陽とともに寝起きする生活も悪くはないな、と思いながら道の駅の駐車場で大きく伸びをした。
そんな山口旅のスタートだった。
秋吉台
山口県と言えば、私の中では秋吉台と秋芳洞のイメージ。
しかし、山口には一度も来たことはなくて、教科書の上でしか知らなかった。
カルスト台地がこんな山奥にあるのものなのか、と少し疑いながら山道を車で登っていく。
すると急に視界が開けて、見渡すかぎりの白いぽこぽことした岩たちが現れる。秋吉台だ。
地面から突き出ている石灰岩が、丘の上に羊の群れが広がっているようにも思えた。
わああ、と、ひとりの車内に声がこぼれる。
車を停めて、少し歩いた。
近くで見ると岩たちはザクザクした鋭さもあって、遠目で見た時に感じた羊の群れとはまた違って見えた。おもしろい。
写真で見るのと、実際にその場所に行くのとでは全然違うな、と実感を伴って思った瞬間だった。
秋芳洞
秋吉台の地下に位置するのが、秋芳洞という大きな鍾乳洞。
まず入口が美しい。
洞窟から流れ出る水も澄んでいて、キラキラと太陽を反射していた。
いざ、洞窟内部へ。
「百枚皿」という、ミニチュアの棚田のようになっている場所が一番気に入った。
他にもいろんな鍾乳石がライトアップされていたが、どうしてこんな形になるんだろう、と自然の造形にすごさを感じた。神秘的でもある。
そして、大学の探検部時代に岡山県の洞窟へ行ったことを思い出し、その時も出口で日光のありがたさを再確認したな、ということを懐かしく思った。
下関水族館「海響館」
実は日本一周の裏の目的のひとつとして、"全国の水族館をめぐる"というものを設定していた。かつては水族館の飼育員になりたいと思っていたくらい、海の生き物が好きなのだ。
そのため、ずっと行ってみたかった海響館に行くことにした。
まずは腹ごしらえに、ふく刺しぶっかけ丼をいただく。
魚を見に来たのに魚を食べるなんて残酷、とは思わない性格でよかった。下関に来たからには、フグを食べなければ。
館内は海獣も多くて、アザラシがずっとこっちを向いてくるくる回っていたのがかわいかった。
ベストショットなペンギン。
イルカとアシカのショーも見た。
ストーリーがあって、今まで行った水族館と比べてもかなり満足度の高い。他の水族館だと、イルカを派手にジャンプさせておわり、みたいな所もあるのだ。
海響館、さすがだ。
飼育が難しいというマンボウもいた。
のんびりと泳ぐ姿に癒される。
夜は夜で、海鮮丼を食べに行った。
このボリュームで1,000円とは良心的。
お腹いっぱい。ごちそうさまでした。
下関は本州の端っこ。対岸はもう九州なのだ。
山口県でグルメスイッチが入ったところで、次は待望の福岡県に入る。
(2013年4月27日)
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