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【日本一周】22県目/和歌山県

九州・中国・四国地方を巡って、西日本をだいぶ制覇できてきた。近畿では、和歌山と滋賀を残すのみ。
ここからは地元には帰らず、太平洋側を北海道へ向けて北上し、日本海側を南下して一気に巡ろうと計画した。

くじらの博物館

兵庫を出発し、大阪を抜け、奈良の山を越えた先にたどり着いたのは、捕鯨の文化が残るまち和歌山県太地町。目的地は「太地町立くじらの博物館」である。

まずは大きなシロナガスクジラ全身骨格標本がお出迎え。
比較できるものがないのでサイズが分かりにくいが、この標本の前では人間なんてちっぽけな生き物だなと感じた。

イルカショープールでは3頭ほどのイルカが泳いでいて、ショーの時間でも何でもないのにポーズを決めてくれた。
サービス精神旺盛。

「うまくできたでしょ!ほめて!」と言わんばかりに、プールサイドへ笑顔で近寄ってきてくれる。触れそうなほど近い。
とてもかわいい。

クジラショーエリアは自然の入江を区切って作られた天然プール。
なぜかクジラ達はゆっくりと横泳ぎをしていた。

よく見ると、私を観察しているらしい。じーっとこちらを見つめる目。
私が移動すると、移動した方向へ少しずつ横泳ぎでついてくる。おもしろい生き物だ。

ショーの練習をしている所にも遭遇。イルカよりも低くて、バション、と海に落ちていくようなジャンプ。
なんとも言えない愛着を感じた。
うん、クジラもかわいい。

そもそも、クジラとイルカの違いはなんだろう。
そう思ったところに説明書きがあった。ナイス。
"クジラの仲間は、口の中にヒゲがあるヒゲクジラ類と、歯があるハクジラ類のグループに分けられる。そのハクジラ類の中で、体長が4m未満の種類を「イルカ」と呼ぶ。"
とのこと。今日もひとつ賢くなった。

館内には、鯨に関する資料や標本もたくさん展示されていた。
特に印象に残ったのが、クジラの耳垢。年齢の調査に使えるらしい。おもしろい。

世界各国で発行されたクジラの切手コレクションもあった。こういうの大好き。

くじらピザ

腹ごしらえに、博物館を出て町内へ繰り出した。
まちなかにはクジラをイメージしたオブジェやアイテムがたくさんあった。

さっきまでクジラやイルカを見て「かわいい」と言っていたが、食べれると聞いて黙っている私ではなかった。一番お手頃で罪悪感が少なそうな「くじらピザ」を食べることに。

野菜スープでボイルされたクジラ肉を使っているとのこと。
クジラの味は魚っぽいような、牛の皮のようなにおいがする不思議な感じだった。

『当たり前だけど、生き物の命をいただいて私たちは生きてるんだな、食べ物すべてに感謝だな』と、ピザにかぶりつきながらふと思った、そんな和歌山の旅であった。

(2013年6月19日)

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