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飼育日記「めだかのきもち」⑨水の中は凪

ヒメ♂の元気がない。ずっと定位置だった大きな葉の下を、新参の大柄な♀に譲り、水草の一角に留まっていることが増えた。餌を食べる勢いが無く、以前より細っそりして見える。調和が取れていると見ていた鉢の中で、パワーバランスの変化があったようだ。隔離して様子を見ることに。

新参の小柄なヒメ♀のお腹がプックリしてきたので、予定を早めて、ガラス鉢の4匹をメダカ鉢に移してみることにした。数分後、♂の1匹がヒメ♀に近づいて、水草の隅で産卵を促し始め、10〜15秒後、産卵を確認。しばらくして覗くと、黒♀の1匹も卵を付けていた。

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どうやら、お腹の膨らんだ♀に♂はすぐ気付くようだ。相性以前の自然の摂理といったようなものが、♂を動かすのかも知れない。

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メダカ鉢の中は今、私がずっと胸に描いていたビオトープのイメージそのものである。諍いもなく、みんなのびのびと、水草を縫ってスイスイ泳いでいる。いつも水草の陰にいたあの控え目な黒♀も、皆に混じって回遊している。養生中のヒメ♂、早く元気になって戻っておいで。

新しく来た♂2匹の存在は大きい。彼らは○どの♀にも公平である○♂同士争わない○気が立った♀にどつかれても動じず、鉢内を落ち着かせている○男前である…人間社会にもこんな人いるなあ、たまに、と笑ってしまう。

さて、この平和、いつまで続くことやら。   7.  23



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