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徳島不思議百物語 第14回「鳴門に人魚がいた時代」

第14回「鳴門に人魚がいた時代」

 「人魚」と言えば、大概の読者がその姿を連想できるし、伝説や昔ばなしに出てくるキャラクターとして認識しているだろう。日本だけの妖怪ではなく、龍=ドラゴンとおなじく中国やアジア、欧米でも認識されている世界的な幻獣である。

 その姿は、上半身が人間であり、下半身が魚であるという組み合わせが一般的であるが、希な例としては上半身が魚で、下半身が人間というビジュアルもある。我が国では、主に仏教の布教のプロモーションに使用され、海や川で殺生を生業とした漁師が死後、「人魚」として生まれ変わるという設定で、多くの因果応報伝説が生み出された。

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