見出し画像

世界に触れて、味わう

数式をひたすら追ってみると
ほぼほぼ眠くなるのだけれど
それでもめげずに追ってみる。

計算に使う公式
この証明まで踏み込んだら沼だ!と察知して
そこは公式化してくれた先人を信じて感謝して

なんとか進んでみて
シンプルな式にたどり着く。

おぉぉ。
こうなるのか、と、じわり感慨深く眺める。

式の表すことをイメージしてみる。
変数を少しいじったりして
物理的な意味を見出して

言葉でも画でも表現できない
自然の姿を垣間見た気分になって

それで

何がわかったか、というと
はなはだ心許なく
わかったようで、何もわかっていない。

手にしたものといえば
世界にふれて、味わった、という
幻想のような静かな愉悦。


学生の頃
電子顕微鏡のモニターを見ながら
RANCID聴いてた時間とか

実験の合間にキャンパスのベンチで
ぼーっとしてた時間とか

今になって思い出す。

結局何にもわからないときだって
少なくとも世界にふれて、味わったな、と
心地よい諦観が漂う。

そうやって明日に向かう。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?