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演技のスパイス

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演技について感じたこと、考えたことなどのまとめです。俳優さん、演出家さんなどをはじめ、モノを創ることに興味がある人になにかのヒントになることを目指して書かれた記事たち。
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#自分

ワンスペース問題の考察/どうやって相手に近づいたらしんどくないんだろう? 

ワンスペース問題の考察/どうやって相手に近づいたらしんどくないんだろう? 

2021年12月27日のツイートより

今日は「ワンスペース問題」について書いてみたい。と、この話を始める前に断っておくとこれは完全に僕の造語だ。「なんだそれ?」だと思うのでまずはそこから説明したい。

多くの俳優に対して僕はよく「相手をよく見て」「よく聞いて」「よく受けて」という意味のことを言うが、そうすると人によっては「目を逸らさずひたすら相手を見つめ続ける」現象が起きる。正面を向いて相手役を

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役柄を捉えるなんて簡単にいうけどさ

役柄を捉えるなんて簡単にいうけどさ

2023/05/16のtweetより

今月から再開した「演技のためのジム」は引き続きイプセン『人形の家』に取り組んでいる。これまでジムでは複数のシーンを取り上げて適宜ペアを組んでやってもらってきたのだが、今月はとにかく延々とラスト・シーンだけを全チーム、全日程で続けてもらっている。意外とこれが飽きないのだ。

ノーラがラストシーンでヘルメル相手にカマす台詞の数々は、やっぱり今見ても非常にスリリン

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自分の声、パワフルさとリアリティ。

自分の声、パワフルさとリアリティ。

2023/06/14のtwitterより

パワフルな演技とリアリティのある演技、いつでもこの2つの両立は難しい。騒がしく大げさな演技をすれば、不自然で、リアリティの無いお芝居になってしまうし、かといって自然さを追求して演じれば、スケール/サイズの小さな演技になってしまう。どう解決すればいいのか?

結論から言えば、リアリティを犠牲にしてでもパワフルでスケールの大きな演技をやってみたり、あるいは、

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声の対象

声の対象

2023/06/28のtwitterより

今日は「声の対象」ということについて考えてみたい。声は、演技を考える際にかなり重要な要素のひとつだろう。良い声を出すための指導をしてくれる「ボイス・トレーナー」なんて職業が存在していることからも、表現にとっていかにそいつが重要視されているかがわかるだろう。

発声の方法とか、そのためのストレッチとか、筋トレとか、もちろん、そういう「訓練」も有用だろう。そ

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