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恐怖ノート

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私の実際に経験した恐怖体験。
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#小説

「夜叉神峠の亡霊」〜跳躍〜9

我々は完全に追い詰められていた。 だからと言って、警察から逃亡しているわけでも、下手を打…

「夜叉神峠の亡霊」〜撤退〜8

村田は男の忠告を聞かなかった。 「今すぐ静かに山を下りなさい……」 結果的に私も村田と同じ…

「夜叉神峠の亡霊」〜遭遇〜7

私たちは夜叉神峠小屋を目指し重たい腰を上げた。立札に左と書かれている道を、書かれた通りに…

「夜叉神峠の亡霊」〜洗礼〜6

獣道は想像をはるかに超えて過酷なものだった。息は乱れ、呼吸法は己の鍛錬不足を痛感するほど…

「夜叉神峠の亡霊」〜入山〜5

家出をしてから3日目の朝になった。 村田と2人でホテルをチェックアウトしたのが早朝6時。店は…

「夜叉神峠の亡霊」〜甲府ステーションホテル〜4

眩しい陽射しがカーテンの隙間から射していた。部屋の埃が、差し込んだ陽射しの強い太陽光に、…

「夜叉神峠の亡霊」〜準備〜1

1988年の夏、私と村田はある計画を実行した。 あの夏に体験した不思議な出来事は32年を経った今でも鮮明に記憶している。 私と村田は16歳だった。アルバイトで多忙だった私と、毎日の部活に勤しむ村田は、週に一度だけ町道場で汗を流した。当時は少林寺拳法を学び、二人とも初段の真新しい黒帯を腰に巻いたばかりだった。15歳の秋頃、近所の体育館に少林寺道場が新しくできると知った村田は、私を誘った。その気になった私の思惑は、ただ喧嘩が強くなりたいという安易なものだったが、修練を重ねるにつれ

「廃アパートの呪詛」後編

私の涙目の訴えで、どうにか村田と浦川を説得することができた。 とはいえ、2人ともそうとうに…

「廃アパートの呪詛」前編

村田と遊ぶようになって2ヶ月が経った。 その頃から私の身体にはある異変が起ころうとしていた…

「洋館の妖しい住人」恐怖ノート 其乃二

運動会は無事に終わった。 優勝は逃したものの、あの日々の充実感は記憶に刻まれている。 村田…

「霊感少年との不思議な出会い」恐怖ノート 其乃一

1987年、夏休みの余韻も薄らいだ穏やかな初秋の放課後、僕は彼に出会った。 10月中旬に運動会…