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地域間サブスク化の可能性、点から面への絆コスト/大野微住(後記)

文:田中   

出鼻を挫かれた。

本来今月4月にwebサイト『微住.com』をオープンし本格的に微住者受け入れの窓口として動くはずだった。コロナの影響で2年前からやっている「アジア微住」のライフワークも、そして微住者の受け入れも一旦ストップしてしまった。

大打撃...!!と思いきや、「移動」というものが奪われたこの状況下だからこそ、微住でやるべきことや意義がこれまで以上に浮かび上がってくる。「微住」は一見すると自由な移動にともなうものと思われるかもしれないが、その逆でコロナで変わる“移動に対してコストや面倒をともなう時代”こそ特別な価値を持っていく。「旅」は観光的消費活動のためのものではなく、もっと特別な時、特別な目的のためのものになるのだろう。

『微住.com』は募集自体は一旦ストップだが、オンラインを駆使し映像や文章などで「微住」をこれからの地域カルチャーとして発信していきます。      コンテンツがある程度整うまでオープンはもう少々お待ちください。

移動拡張の評価経済「シェア」から、分配所属の信用経済「トラスト」へ

いよいよオープンを間近に迎えていた福井県大野市の新しい宿泊施設「荒島旅舎」。グランドオープンは延期だが、荒島社の皆さんがなぜ商店街の新しく宿を作るか、トークでも触れていますが、是非彼らのnoteをチェックしてもらいたい。

桑原さんとのトークで感じたことに対して少し補足と、考えをまとめておこう。

「地域の中で、お金を支払う対象やタイミングが変わるのではないか。」
これまではもの単体や、イベントという“点”に我々はお金を支払っていた。
トークの中で提案した「これから生活上のあらゆるものはサブスク化し、地域間で経済活動にもサブスクがあり得るかもしれない」。少し強引な言い方をすると「この商店街の一員になる費用」という可能性だ。地域という“面”に向けた支払いだ。費用や支払いという言葉だとなんか違和感あるのと、ペイではなく、ファンディング(支援)に近いかもしれない。
それは無料/フリーではダメ。評価経済ではフリーという方法が広まったが、次なる信頼経済にはコストがかかる。「絆コスト」。
ただしそれは桑原さんも言っていたように“貨幣”ではないものも含まれた商店街独自の資本やルールづくりなのかもしれない。

僕らは評価経済における不特定多数とのシェアではなく、トラストできる「居場所」を探している。そこにおける地域の存在は普段使う“コミュニティー”という言葉のイメージよりかは、血縁ではない“家族”のイメージに近い。

内向する我々や地域の心、移動過多ではなくなる世界で、特定の居場所「ゆるさと」を探し受け入れる旅「微住」、そしてそれにともなう地域づくりと経済の仕組み。最近気になるキーワードは「贈与」や「ギフト」。

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