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理解できないモヤモヤと向き合ったら、アイディアが生まれた

こんにちは。『アート・イン・ビジネス』の9章でご紹介いただいている、浅野と申します。普段は、ぴあ株式会社でライブ・エンタテインメント市場の動向調査や、データ分析の仕事をしております。元々、アート、音楽、映画、スポーツと幅広くエンタメに強い関心があったので、特定のジャンルに絞らずに携われるぴあに入社しました。

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▶︎ヴェネツィア・ビエンナーレ(2015)にて。

モヤモヤと出会ってばかり

入社してからは、「お客様の嗜好に合った最適なコンテンツをおススメできるようになりたい!」という目標を持ち、未開拓ジャンルだった演劇やダンス、伝統芸能などにも足を運ぶようになりました。その中で幾度も体験したのが、「面白さがはっきりわからない。」というモヤモヤした感覚でした。その時に思い出すのが、学生時代に授業で紹介されたダミアン・ハーストの牛をホルマリン漬けした作品との衝撃の出会い。あの時も全く同じ感覚に襲われていたのです。様々なジャンルの作品を体験すればするほど、人におすすめポイントを伝えられないモヤモヤが積み重なり、フラストレーションが溜まる日々。突破口になるかもしれないと、現代アートの社会人向けのスクールに通うことにしました。このモヤモヤが晴れれば、何か自分が今後やりたいことが見えてくるのではないかという期待もありました。

アート仲間から刺激を受ける

アートスクールでは、アーティストが普段考えていることや、作品が出来上がるまでの思考の動きなどを知ることができて、作品の見方を養うことができました。講師や仲間とのコミュニケーションをとる中で、作品の愉しみ方の様々な切り口やパターンを知ることができましたし、「現代アートの魅力を伝えたいが具体的に何をすれば良いのかわからない」という仲間が多く、語り合う中で私自身も、「アートだけではなく、難しいと思われているジャンルの魅力をどうやってお客様に伝えていけるか」ということを真剣に考えるようになりました。また、現代アートをじっくり見て、考える癖がついたことで、他のジャンルの作品も以前より楽しめるようになっていました。これはもしかしたら、うまくプログラムを作れたら、現代アートを入り口にして、今まで観ていたジャンルをもっと愉しむことができるサービスができるのではないかと感じ、その時担当していた有料顧客へのサービス開発で実現してみようと考えるようになったのです。

形を変えながら続くアートプログラム

2016年度・2017年度に鑑賞ツアーやワークショップを試験的に実施してみて、エンタメを独自の基準で愉しんでいる非常に目の肥えたお客様に出会いました。正直なところ、集客は毎回厳しかったですし、参加されたお客様は、既に作品の本質を見抜く力がおありでしたので、このプログラムは終了することにしました。ただ、このようなお客様でも、自分のやり方とは違う新しい作品の見方に触れることには価値があるだろうと考え、2018年度には対話型鑑賞のイベントを開催しました。対話型鑑賞イベントをやってみて、様々な意見を否定せずに受け入れ、更に自分の発想を広げていく人が増えれば、アイディアがもっと生み出されるのではと考え、社内でのトライアルを実施し、その後、新入社員の研修に採用されることになりました。

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▶︎ぴあプレミアム会員向けに実施した「ART MEETS YOU!」

発想を外に出す勇気

お客様向けのプログラムが最後には社内研修へと形に変わってはしまいましたが、アートに深く触れて、作家のパッションに感化されたことで、ここまで続けてこられた気がします。「理解されないかも、やっても無駄かも」と今までの自分であれば蓋をしてしまったアイディアを形にすることができたのは、アートのおかげなのかなと思います。

アートプログラムの記録

2016年度
http://t.pia.jp/piacard/feature/art_meets_you/index2016.jsp

2017年度
http://t.pia.jp/piacard/feature/art_meets_you/

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