「選ぶ」と「つくる」
現在、ほとんどの服は、つくられた状態で、店に並べて売られている。
人々は、その中から選んで購入する。
これがごく当たりまえで、服が、平面の布から裁断されて、縫われて、つくられているということを知らない人さえいるらしい。
自分がどんなものを着たいかイメージをすることなく、すでに並べられた物から選ぶ。
作りたいもののイメージを描き、道具、材料を使って、服を作る、ということを知らない。
服の分野では、オーダーというシステムもあるにはあるけれど、多くの人は、並べられたものから選ぶということに慣れきっている。
そして、この並べられたものから選ぶというシステムが、「売れ残り」を作り、大量生産、大量廃棄に繋がっている。
以前、店を運営していた時、洋服やバッグのオーダーを受けていた。
その時に思ったことがある。
オーダーに来る方の多くは、オーダーの仕方が分からない。何かしらオリジナルのものを作りたいけれど、どうやってオーダーしたらいいのか分からない。
完成した服を見て、欲しいと思ったら、その場ですぐに手に入る文化。
服が作られる過程を想像させる余地はない。
現代人は、すでにたくさんのものが目の前にあふれ、こんなのあったらいいな、というところから着想する経験が、とても少ないのかもしれない。
並べられたものを選ぶことに慣れすぎて、つくる、という感覚が薄れているのかもしれない。
「選ぶ」作業は、「つくる」作業よりもずっと楽。
・・・
そういう私も、noteの画像はいつもフリー素材から選んでいる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?