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70億分の1の奇跡

地球上の人口は70億人を10年前に越えたという。

そもそも命が生まれるプロセスは、間違いなく数字では表せないほどの奇跡の繰り返し。そして生を受けた人々が、まさに自分の意志で動き回っているように見える、ほとんどの行為が、そして出会いが、後で考えたら完全なタイミングで周りからの影響で起こっていることが多い。

生まれてから、いつどこで誰と出会うかは、神のみが知る、、、ということなのか。

出会い、そのまますれ違う人もいれば、そこからお互いの人生に大きな影響を与え合う出会いもある。ミュージシャンとの出会い、師弟の出会い、学校の友達との出会い、職場での出会い、家族や友人との出会い、コミュニティーとの出会い、、、それらは自分の意思とかけ離れたところにあるようでいて、実際今の自分は、周りの人たちで出来上がっていると言っていいい。

自分の自由になるのは、正しく、その時その時の感情とそれに伴う行動だけだ。

私にとって自分を表現し、社会と繋がる最大の手段は音楽で、もちろんそれを仕事にするための武器にも道具にもなるわけだが、その原動力は主に周りの方の声かけ。自分が受け入れられていると思うことができればできるほど、心は自由になる。周りの方の反対意見が大きくなったら、自分の意思を貫くためには、それに打ち勝つ自分の心の強さが試される。

ただただ音楽が好きで続けて、幸い両親も音楽好きでサポートしてもらう手段があり、音楽家になりたくて音楽家養成職業訓練校のようなウィーンの大学で学び、その後も自分の音楽を生かせる場所を探してアメリカに来た。

今ここに、自分が朝起きてご飯を食べ、仕事をして毎日ぐっすり眠ることができるのは、家族のおかげ。

そして日々たくさんの出会いがあり、仕事に恵まれ、見守ってくださる沢山の人に出会い、その人々との間にエネルギーの交信が起こり、また新しい何かが生まれる。

自分のエネルギー(愛)を受け取ってくれる人がいないからと言って、放つことをやめてしまったら、きっとエネルギーの出し方すら忘れてしまう。

そんな時こそ、自分自身にエネルギー(愛)を向けてあげたらよかったんだ。

そして今現在の自分の存在こそが、70億分の一の奇跡。それをもっと愛しんであげたらよかったんだ。自分を大切にした方がいい、自分を過小評価しない方がいい、と言われ続け、半世紀以上生きて、やっとその意味が分かった。自分を卑下することは、自分を作ってくれた周りをも卑下することになってしまう。

自分という存在を作ってくれた自分以外の人びと、物事の全てが奇跡で尊い。

音楽を作ると言うことは、70億分の一の作曲家のイマジネーションで生まれた音が、それをミュージシャン同士で伝え合い、それをどうやって表現して、聞いてもらう人に届けるかという綿密なリハーサル作業を繰り返し、納得のいく行くところまで練り上げてから、ライブまたはレコーディングとなって届けられる。

今生存しない作曲家の曲を再現し演奏することも、同じように過去に起こった奇跡に対するリスペクト、そしてそれが受け継がれている奇跡に対するリスペクトがなければ、きっと「理解できない」の一言で終わってしまい、理解しようとも思わないだろう。

まさしく、最高のリスペクトを持って今後のライブに臨みます。

バンドメンバー、そして聞きに来てくださる全ての方へ。








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