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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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#Husqvarna

FIM SUPER ENDURO 2021-2022 ビリー・ボルトに栄冠 - No.240

12月のポーランドで開幕、ハンガリー、イスラエル、ドイツ、そして当初は最終戦もタディ・ブラズジアクのホームであるホーランドで開催される予定だったが、COVID-19状況の悪化でキャンセル。急遽ドイツGPを3月19-20日の2連戦とすることで決着したインドアのFIMスーパーエンデューロ世界選手権。

ハートに何を持っているか - Parc Ferme - No.240より

カバー写真 - Taddy Blazusiak Romaniacs 2019 - Future7Media インタビューは、ぼくがもっとも好む取材のスタイルで、今号では、昨年、ハードエンデューロ選手権でタイトルを獲得、そしてシーズンインのビッグイベントだった、石戸谷蓮が主催する「ケゴンベルグ」でも優勝した山本礼人に協力してもらった。インタビューは、なんといってもその人の個性、人柄に直接触れることができるのがいい。  彼と初めて会ったのは、2015年に、外務省の外郭団体が主宰

EnduroGP 2022 R2ポルトガル - ルプレヒト- tmレーシングがWウイン達成

EnduroGP FIMエンデユーロ世界選手権 2022年 第2戦 ポルトガルGP - DAY2 2日目となり荒れたトラックで接戦を繰り広げたのは土曜日と同じ3名。ともに乾燥したロックのスペシャルテストに強いスペイン人とイタリア人、そして南半球から来た若者です。 DAY1に優勝したオーストラリア人のウィル・ルプレヒトは、tmの4ストローク300を武器に、ジョセップ・ガルシア(KTM)を6秒の差で下し、ダブルウィンを達成。  「1-1というリザルトに満足しています。特にエン

EnduroGP 2022年 第2戦 ポルトガルGP - DAY1 南半球ライダー攻防

GASGASとHusqvarnaを含めたKTMグループの3メーカーが復帰、多くの若手有望株がベテラン勢に挑む。正しく世界の頂点を競うチャンピオンシップとして完全な復権を果たしたFIMエンデューロ世界選手権は、早くも第2戦を迎えました。 Betaチームの苦戦が目立つ序盤の戦況。2ストローク300で最大排気量のE3を戦うブラッド・フリーマンは、イタリア国内選手権の開幕戦で負傷、さらにCOVID-19感染の影響で開幕から不振、ポルトガルの土曜日も後半クラッシュして失点。4ストロー

1-ON-1 「地上最強のライダー」ビリー・ボルトのスーパーエンデューロ

ハードエンデューロのシーズンを終えた瞬間から狂気のスタジアムエンデューロのシーズンがスタートした。英国出身のエクストリームヒーローが語るFIMスーパーエンデューロの内幕。そして誰も真似することができないレース哲学。 Past winners of FIM SuperEnduro Season Rider Motorcycle 2007/08 United Kingdom David Knight KTM 2008/09 Spain Ivan Cervantes KT

山本アヤト、ついにG-NET制覇 - G-NET2021 R3 HINO HARD ENDURO - No.238より

G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 第3戦 2021年11月14日 群馬県 Report and Images:Satoru Ii(ANIMALHOUSE) 26歳、山本礼人 10年目にして掴んだ栄冠 2021年は日本のエンデューロシーンが大きく動く年になった。JNCCでは馬場大貴が、JECでは飯塚翼が、そしてG-NETでは山本礼人が年間チャンピオンに輝いたのだ。共通するのは全員が20代で、そして初チャンピオンということ。異なるのは馬場はモトクロスIA、飯塚はモトク

G-NET2021 R2 ブラックバレー広島 - No.238より

G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 第2戦 2021年10月17日 広島県 Report and Images:Satoru Ii(ANIMALHOUSE) 歴史が築いた広島ルール 今年はG-NETポイント別付与 ハードエンデューロは他のオフロードバイクの競技と違い、全日本統一ルールというものが存在しない。モトクロスやエンデューロのようにMFJが統括している大会が存在しないことも、その理由の一つだろう。  現在の全日本ハードエンデューロ選手権G-NETは2010

人間とテクノロジーの挑戦 - エンデューロ日記 No.32

ツインシリンダーエンジンでトップカテゴリーのオフロード競技に挑戦する。もちろんイロモノとしてではなく、あくまで真剣に勝利を目指す。その過程を通じて生み出されるものこそが、芸術の光だ。モータースポーツを経済活動としか認識できないものには理解できない世界がそこには存在する。 アプリリアVツイン。イタリアのモータースポーツ魂、その結晶は、エンデューロ世界選手権で活躍した後、舞台を南米に移す同時に、450cc規制が行われたダカールラリーで短い期間活躍し、さらなるスピード抑制のために

ワトソンのENDURO GP復帰 - No.237ニュースから

冒頭、注釈から… KTMグループのENDURO GP撤退とともに、このMX1出身のエンデューロライダーも、なぜかハードエンデューロメインのWESSに転向させられていた。 もちろん、そこはワトソンが活躍すべき場所ではなく、WESSのシーズンが終わると、彼は、子供の頃からの憧れだったビーチレース、ル・トゥケやウエストンに出場。フランスのビーチレースチャンピオンにも輝く活躍。 KTMを離れて、類まれな才能の行き場をなくしていたところに、Red Motoから声がかかったという経

エクストリームテストの目的とは何か -  エンデューロ日記 No.29

「エクストリームテスト」は、FIMエンデューロ世界選手権の「プロ化、メジャー化戦略の一環だった。 2003年から昨2020年までプロモーターを務めたABCコミュニケーションが導入した。エンデューロライダーたちのテクニックは素晴らしく、それは現場に居ればスピード感が質量を持って迫り、見るものを感動させる。 でも、映像ではどうだろうか。 プロモーターは、EURO SPORTSをキーにする、全世界に向けたテレビ放映を不可欠なものとしてメディア戦略の軸に置いていた。そこで、もっ

頂点の2日間競技 - ENDURO GP - No.237より

最強最速のライダーを決するチャンピオンシップ、それがFIMエンデューロ世界選手権。近年はメジャー化戦略によって多くのプロライダーを生み出すようになり、スターを志すユース世代からも豊かな才能を集めている。ENDURO GPとは何か。 History その歴史  ENDURO GPはFIMエンデューロ世界選手権の別名で、1990年にそれまでの欧州選手権から格上げされて現在まで続くものだ。欧州選手権は、1968年に始まっており、世界選手権が開始されると同時に一時中断していたが、1

ダニエル・サンダースのデビュー。ダカールはやはり唯一の存在

Image : Naim Chidiac/Red Bull Content Poo 2020年のダカールで、Hondaに連覇を阻まれたKTMファクトリーチーム。しかし、今回もその布陣は強力です。豪州のトビー・プライス、英国出身、ドバイ在のサム・サンダーランド、そしてKTMの母国オーストリアのマティアス・ウォークナー。いずれも、優勝経験者で、そしてそれぞれ母国初のダカールウイナーという称号を持ちます。 文 / 春木久史

エンデューロライダーの宿敵 - 痛恨のリタイアから -

競技スポーツに取り組むことの真の価値とは何か。自分という最大の敵に、真正面から向き合うこと。それはまたエンデューロというものの魅力でもあり、多くの人に楽しまれている理由でもある。試練こそ、自分を磨くチャンスだ。6日間競技のステファン・エバーツ、そして太田真成というライダーの姿が教えてくれたこと。

「オートバイレースは家業」- 写真と散文

今回も、FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ、2004年のポーランド大会からです。イギリス人の若者の写真を見て、以前に観た映画、「ROAD (ロード デスティニー・オブ・TTライダー)」という映画のことを思い出しました。 まさに命がけと言えるロード(公道)レースに挑み続けるライダーは、走る理由を「家業だから」と事も無げに言います。