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GIVEはビジネスでも生きる! GIVE & TAKE9

こんにちは、のぐです。今日の書籍はアダムグラントさんの「GIVE & TAKE」です。訳者の方は、楠木建さんです。本記事では[第八章]の内容をご紹介したいと思います。

前節

筆者の方は次のように仰います。

世の中には、3種類の人間がいる。
- GIVER...人に惜しみなく与える者
- TAKER...自分の利益を最優先させる者
- MACTHER...損得バランスを考慮する者

そして、成功段階も3ステップに分かれる
1番の成功者: GIVER
中堅の成功者: TAKER or MACTHER
うまくいかない者: GIVER

驚くべき事実として、「一番成功している者」と「一番うまくいかない者」は双方ともにGIVERであったのです。果たして「最高の勝利者」と「ただのお人好し」の道を分かつ要素は一体どういったものなのでしょうか?

結論のみ知りたい方はこちらをどうぞ

8. 人を動かし、夢を叶える「GIVEの輪」

GIVERが「食い物」にされないためには、贈与経済を仕立てる必要があると筆者は仰います。

そもそも、経済は2種類あり

- 交換経済...「交換」が前提。「何かを渡せば、何かが返ってくる」
- 贈与経済...「あげる」が前提。「見返りは求めない」

に分かれます。交換経済の方はわかりやすいと思います。たとえば、お魚を買いたい場合、その貸与としてお金を払うことです。

それに比べて、贈与経済とは「あげる」が前提です。例としてはGoogleの検索エンジンサービスでしょう。「どうぞ好きなだけ検索して下さい」という形で、無料のサービスを提供しています(消費者からはそう見えますが、Googleの収益構造は明確にあります)。

お話を元に戻して、GIVERはなぜ「贈与経済」を仕立てることが得策なのでしょうか。そのメリットを2つご紹介します。

- 他者貢献により得られる喜びが増える
- 自身も利益を得られる

つまり、「プレゼントしまくると、少しハイになること」と「MATCHERが多いこの世界は、返ってくることが多い」ということです。

交換経済の衰退と贈与経済の成長

そもそもGIVERが仕立てなくとも、これからは自然と「交換経済」は衰退へ、「贈与経済」は成長へ向かうことを筆者の方は示唆されています。

なぜか?それは次の三段論法で説明がつきます。

1. モノがありふれてしまっているから、
    多くの人は温もりのあるサービスを求める
2. 多くの人が求めるもの=価値が高い
3. 温もりのあるサービス=価値が高い

ここからは自分の解釈が入りますが、
温もりのあるサービス
とは、平たく言えば「思いやり」だと思います。現代の経済では、サブスクリプション型サービスのように、商品を買った後のアフターケアを充実させる企業が増えてきました。つまり「思いやり」を付加価値とするサービスです。そして、私たちは少なからず、何かしらの「思いやり」に恩恵を受けている。先ほどの「消費者としてのGoogleの検索サービスの利用」もその1つです。

交換経済の原点と対比させた方がわかりやすいと思いますので、あえて「肉と魚の物々交換」を例にあげますが、こちらは「1 on 1」の商売です。

一方で、贈与経済は「N on N」の商売といえます。ここで、Nとは多数を表しますが、たとえば「恩送り」がこれを最も忠実に表しているでしょう。「恩送り」とは、「ある人から授かったものを違う誰かにプレゼントすること」です。ここでは「モノの移動」と捉えてしまうと気持ちが悪いので、「気持ちの移動」と捉えてください。たとえば「先輩が後輩に思いやり、その後輩が先輩となった時にまたその後輩を思いやること」が典型例でしょう。お気づきかと思いますが、これはもう、「1 on 1」の次元では語れませんので、「N on N」と表現しています。贈与経済は「N on N」のビジネスです。


最後に、本記事をご覧になった皆様の今後のご多幸をお祈り申し上げます。
それではまたの出会いを楽しみにしております。


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