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今、大切なのは「お金」ではなく、〇〇 4

こんにちは、のぐです。今日の書籍は佐藤航陽さんの「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」です。いつものように、本記事でご紹介する内容をA4にまとめてみました。ビジネスマンの間で一斉を風靡した、「新しい経済」を描いた本です。古代から現代までの経済を観察して、その「本質」を明らかにしながら、仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミーなど新たな考え方を詳細に解説してくれています。筆者の方が考える「評価経済」の概念は、世の中を少し異なった視点で見せてくれるかもしれません。


結論

この本を一言でまとめさせていただきますと、

世界は資本主義経済から評価主義経済へと移行する

となります。最近新しく登場した「ビットコイン」「シェアリングエコノミー」はこの経済の流れの兆しとなっています。一体どういうことでしょうか。これまでの経済は「資本主義」をベースに考えられてきました。「資本主義」とは、モノ、カネ、ヒトなどの資本をツールとしてお金を生み出す考え方のことです。これにより、価値を運ぶツールでしかなかった「お金」が主役となり、それを増やすことが目的となってしまいました。いわゆる「手段の目的化」です。このような「資本主義」の限界を突破しようと試みた結果生まれた経済が「評価主義経済」です。「評価主義」とは、人々からの「評価」を最大化しようとする考え方です。すなわち、

「評価主義経済」とは、資本自体に価値があるといった考え方ではなく、多くの人から評価されているトコロに価値があるという考え方になります。

筆者の方は、この「価値」を次の三つに分類されています。

- 有用性としての価値(役に立つか?)
- 内面的な価値(愛、共感、信頼などの個人の内面にフォーカス)
- 社会的な価値(代替エネルギーなどの社会の持続可能性を高めるモノ)

これら「三つの価値」を意識しながら個人としても社会としても「進化」していく必要があるということが筆者の方の最大の主張です。シェアリングエコノミーや仮想通貨などの「本質」は、この「三つの価値」にあります。ビジネスマンとして、消費者として、どちらの側に立つ際もこのことを頭に入れて活動していくことが

お金から解放される生き方

になります。これから4記事に渡り、この結論の詳細をご紹介していこうと考えています。本記事は4つ目、最終回の記事です。

一つ目の記事: お金とは?の前編
古代から現代までの経済を俯瞰してその本質を解説しています

二つ目の記事: お金とは?の後編
テクノロジーとお金の関係について解説しています

三つ目の記事: 価値主義とは?
資本主義においての至上の価値世の中が考える至上の価値との間にズレが生じているようです

4. お金から解放される生き方

これからの時代を作るミレニアム世代の課題をご紹介します。

人生の意義・目的をもてる世界を創出すること

facebookの創設者マーク・ザッカーバーグさんが仰った内容だそうです。

時代によって人々の求めるものは変わってきました。マズローの欲求階層説をご覧ください。

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古代は、生理的欲求を満たそうと必死でした。生きるために狩猟や採集を怠らず、人類は放浪の日々を続けていました。そして、農耕時代となり、身の安全を確保しようと定住生活を始めるようになります。定住生活では、農業や畜産業により、人類自ら動いて狩猟する時代から、自分たちの周りで育てるという形で動物や植物の成長をコントロールします。その「安全の欲求」が満たされるようになると、「所属と愛の欲求」を求めるようになります。より大きな集団に属していたいと、交通手段の範囲で人同士が「つながる」ようになります。プチグローバル化です。さらに、この欲求が満たされると「承認欲求」を求めます。こちらが人々の現段階であり、facebookやinstagramに熱中する若者が多いことが証拠です。

以上の説明は「世界が求めるもの」をマクロに捉えた構図でしたが、日本人の求めるものはどのように変遷してきているのでしょうか。日本は戦後、食べ物が不足していました。命の危機です。「生理的欲求」や「安全の欲求」が満たされない日々が続いた、現代の祖父母世代は「食」を重視します。それらの欲求が満たされるようになり「所属と愛の欲求」を求め始めた、親世代は「家族」「お金」を重視するようになります。身近なコミュニティである「家族」を重視し、その家族を支えていくためには「お金」が必要になります。そして、その子どもたちは大抵1-3人兄弟で大切に育てられました。つまり、「所属と愛の欲求」が満たされている人々が多いと言えます。ゆえに、現代の子世代(ミレニアム世代)はinstagramのような「承認欲求」が満たされるプラットフォームに集まります。

ここまでは欠乏欲求という他者依存型の欲求でした。これからの世代は「承認欲求」さえも満たされ、「自己実現の欲求」にコマを進めるかもしれません。そのような意味で、「一人ひとりが人生の意義・目的をもつ世界」ができるかもしれません。

筆者の方によりますと、この「自己実現の欲求」にはさらに上があります。ここでは、超越的な自己実現の欲求と表現されていますが、『利他的な自己実現の欲求』と換言した方が分かりやすいかもしれません。すなわち、

社会全体の自己実現をサポートする

ということです。冒頭のマーク・ザッカーバーグさんの言葉には、このような志が垣間見えます。

5. 加速する人類の進化

国家の定義の見直し

現代における国家の定義を見直さなければいけないかもしれません。ここでは新時代の国家になりそうな共同体や組織を3つご紹介します。

①電子国家
エストニアは、先進国に比べて金融インフラが整っていない状況であったため、スマホ決済や電子マネーの文化が比較的早く定着しました。このような国家主導で一斉にデジタルの金融インフラが整う国家を電子国家と言います。

②巨大IT企業が作る国家的役割
 fecebookは『Libra』と呼ばれる仮想通貨のプラットフォームを構築しようとしています。もし実現すると、国家のお金(円やドル)を使う人が激減するかもしれません。『Libra』の仮想通貨は「世界共通通貨」ですから。

③無名の共同体がバーチャル国家としてあたらしいモデルをつくる
ISISは、国際政治上は国家として認識されていませんが、自らを国家と名乗り、電気や水の供給、銀行、学校などの近代インフラを構築しています。もちろん、こちらはテロ組織なのであまり良い例ではありませんが、今後バーチャル上で国家の機能を持つ共同体が現れてもおかしくありません。

大切なことは、人々が何を『価値』として信用するかでその後の経済が変わるということです。株式会社は「経営理念」として「社会的価値」を追求したり、宗教団体は「信条」として「内面的価値」を取り込みます。このように経済社会の本質は、人々が求める『価値』にあり、これからの潮流から考えるとバーチャル空間に注目したいです。


最後に、本記事をご覧になった皆様の今後のご多幸をお祈り申し上げます。
それではまたの出会いを楽しみにしております。


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