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【読書】オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資

株の本第三弾です。これもまた私に合ってそうで、3年くらい前に始めて成果を上げている投資法です。

長期投資のコツ

著者は最初はキャピタルゲイン狙いで株をやっていたそうです。しかしITバブル崩壊やリーマンショックで大損してしまい、投資法を見直したそうです。

本書では多くの書籍が紹介されていることから、投資を上手くやる方法が知りたくて本を読み漁ったのでしょう。そしてたどり着いたのが配当重視の長期投資だったと。

よってこの本は一気に稼ぎたいとか一獲千金を狙いたい、早く資産を増やしたいという人には向いていません。堅実にコツコツと資産形成したい人向けです。

長期投資のコツについて解説されているのですが、特に著者が繰り返しているのは、退場しないことです。

目先の利益につられて大損したり、暴落が起きたときにパニックになって売ったりして、退場を余儀なくされる投資家が多いとのことです。それでは資産を失って諦めることになるので、何のための投資なのか解りませんよね。

だからこそ著者はそういうことを避けましょうと繰り返し説いています。著者自身が暴落を何度か経験して、絶望を味わったからこそ、繰り返し伝えたいのだと思います。

何より人間は自分で思っているより弱いため、暴落時に正常な精神状態を保つことは困難であると説いています。一方で歴史から学べば暴落時こそ買い時だとも説いています。

私もコロナショックでチャンスとばかりに安く買ってキャピタルゲインを出したことがあるので、暴落時こそ買い時というのはよく解ります。

それに暴落しても時間が経てば株価は戻りますので、慌てずじっくりやることは大事ですね。

安定して配当を得られる銘柄の見抜き方

本書は高配当株で堅実に稼ごうという本です。よって高配当株の見抜き方が紹介されています。

高配当ということはまず高い業績を上げていなければいけません。つまり業績を上げ続けられ、それゆえ配当を出し続けている会社を見抜くわけですね。

そのため過去の業績や配当実績をちゃんとチェックすることや、EPSやPER、PBRなどの財務指標についての解説がされています。株初心者向きの易しい解説になっています。

また著者お勧めの、まず倒産する心配がない銘柄が紹介されています。名だたる大企業揃いですので、もし倒産しそうになっても国が救済してくれそうですね。

つまり確実に利益を出してくれそうで、配当もちゃんと払うつもりの会社を選ぶことが大事というわけです。そういう会社の株を長期間持てば、業績が上がったときに配当を増やしてくれる可能性もあります。

そして大抵の会社は株価に波があるので、安いときに買い増しすればいいのです。こうやって着々と配当を払い続けてくれる会社の株を買っていけば、安定して収入を得られるというわけです。

本書の注意点

本書を読んでいて、誰でも著者並みに高収入になれるのか?という疑問を抱きました。

というのは著者が高配当株投資を始めたとき、1000万円くらいの投資資金があったそうです。

著者は遊びでお金を使うことがないローコストな人らしいです。せいぜい習い事として空手をやっているくらいで、趣味や人付き合いでそんなにお金のかかる人じゃないとのことです。

とはいえ普通の人は大企業勤務で実家暮らしなら1000万円は用意できるかもしれませんが、大企業勤務で300万円、中小企業勤務なら300万円も難しくて50~100万円くらいかもしれません。

また貯蓄習慣がある人でないと、そもそも貯蓄するのも楽じゃないと思います。

更には月5万円ずつ投資みたいな話が出てきますが、月に5万円も投資にまわす余裕など大企業勤務なら解りますが、中小企業勤務では楽ではないでしょう。

世間の平均年収は430万円程度、中央値なら350万円くらいです。平均は高い層の影響を受けるため、実際には中央値の方が多くの人に当てはまります。

ということは、月に5万円も余裕資金を作るには、大企業勤務や公務員、中小企業勤務だけど残業が多くて残業代もちゃんと出る、インセンティブ制の仕事をしているなどでなければ楽ではないはずです。そうでなければよほどローコストか貯蓄が上手いかでしょう。

そんなことが気になったので、自分で計算してみました。高配当株は配当利回りが3~5%くらいですので、4%として計算しています。

資金力に比較的余裕がある大企業勤務の計算例
労働者の7割を占める中小企業勤務の計算例
資金に比較的余裕がない非正規雇用の計算例

非正規雇用だと投資に回す余裕はないと思うかもしれません。しかし収入が低い立場の人ほど投資をやってほしいと私は考えています。これは別の機会に書きます。

投資や金融で大事なことは、金額と利率の2種類が存在することです。大企業勤務、中小企業勤務、非正規雇用と並べてみましたが、資金力こそ違えど、いずれも30年で資産額が投資した金額の1.7倍になっています。

投資先の会社が高配当株を続けられるほど業績を上げていれば、キャピタルゲインが出てくる可能性も高くなります。そう考えると利回りは4%ではなく6%くらいに伸びるかもしれません。

これは単純計算ですので、業績が良かった会社の業績が悪化して株価も配当も下がることはあり得ます。とはいえ本書の解説通りに過去5年ずっと黒字で配当を出している会社を10社買ったなら、赤字で配当なし株価減なんてことはせいぜい1~2社でしょう。残りの8~9社で補えます。

その結果として平均利回り4~6%くらいを実現できるのではないかと私は読んでいます。

終わりに

高配当株投資は私も3年くらい前に始めて、着々と配当金が増えて嬉しいものです。もっとも私は配当だけでやっていくつもりはなく、十分値上がりして利回りが悪くなったら売るつもりです。どこまで伸びるか解りませんから。

今回は高配当株投資をやっている人のやり方を学ぶことができたので、結果的にこの本を買ってよかったということになります。

とても易しく初心者向けに書かれているので、株を始めたばかり、あるいはこれから株を始める方にお勧めできる本です。

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