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CDというメディアについて[無料公開中]

1980年代に登場したメディア、CD(Compact Disc、CD)について自分が考えていることを記していきます。

この記事は77億分の1の意見でしかなく、読んだ人に考え方を強制したり啓蒙する意図はありません。自分と違う立場の方や、違う考えの方を否定するわけでは無い、ひとつの意見として読んで頂き「ああ、こう思う人もいるんだなぁ...自分は違うけど」というようなライトな気持ちで読んでいただけたら幸いです。

ただ誰も傷つかない、全ての方向に配慮した文章では自分が書く意味が無いと思うので尖った内容に嫌な思いをする人がいるかもしれません。そのような気持ちになりたくない方はここでページを閉じていただけたら助かります。

ここに書いていない内容の文章を読み取り、文章全体から一部だけど切り離し歪曲して取り上げたりすることは控えていただけたら......


「CDとの距離感」

BIGHEAD名義で音楽アルバムを制作し定期的にリリースしているのですが2018年にCDからデジタル配信・QRコードによるダウンロード・SONOCAに移行し、2020年になってからは過去作品以外はCDでリリースしないことになりました。

日本では2019年に約8865万枚生産されたらしく....同人即売会も含め日本ではまだまだ現役な音楽ソフト。自分の中ではCDは終わったメディア。過去の媒体という認識です。


「なぜCDを制作しなくなったのか」


CDで音楽アルバムをリリースしなくなった理由。
・音質の面でデジタルリリースが最も有利

これが最大の理由です。
シンプルにデジタル配信が音良いってことです。

過去の話になりますが自分はCDというメディアが大好きで、アルバム単位の良さ、歌詞カードやジャケットの持つ情報量に魅せられタワーレコードやSTMonline(ZOZOの前身会社)でCDを買っていました。

MD、itune storeやmp3が出現した時にも音質が良いという理由でCDを書い続けていました。

音質が最優先。良い音で聞けるメディアを選んでいました。
16bit44.1khzのWAV、CDが良い音だったのです。



「自分が作った音楽データをそのまま聞いてもらえる」


CDが一番優先度が高い時期は長く続きます。その時期を経て、
2017年ぐらいに試験的にQRコードをリスナーに配布して、読み取ったリンクから楽曲をダウンロードするということを試みてみました。QRコードのリンク先はdropboxでそのリンク先から音楽データをダウンロードしてもらうという仕組み。補助的に使ってみたのですが、その時大発見したことありました。

自分が作った音楽ファイルをそのままリスナーに聞いてもらえる!
24bit48khzのハイレゾWAVをコンバートすることなくダウンロードしてもらえる。

たまたま気が付いのですが自分の中で革命が起きました。

今までスタジオで作った音楽データはリリース前に必ずコンバートされていました。
アーティストの作った楽曲データをそのままリスナーが受け取ることはできない仕組みになっていて、CDかmp3、AACに変換され受け取っていたのです。

CDも、CDプレイヤーで読み取り16bit44.1khzのWAVにコンバートして聞いていましたし、mp3やAACの際にもダウンコンバートされ音質の劣化・変化は避けられませんでした。変化は大小はあれどオリジナルのデータを聞くことは不可能だったのです。

CDから読み取る際にデジタルクリップしたり、mp3に変換する時に音が割れたりするのは当たり前というか折り込み済みでした。その変化を少なくするためのマスタリングやTIPSはありましたが全ての音楽ソフトが音割れを回避できていたとは言えないと思います(個人の感想)

2020年の今、思うと最悪だなと思います。

スタジオなどで精魂込めて作った音が、ユーザーに聞いてもらう時に割れてるんです。
しかも、どの工程で割れているかわからない。リッピングした時か、mp3に変換した時か、変換ソフトが違う時か.....ユーザーの環境によっては割れない・割れるみたいなことがコントロールも把握もできない状況。マジ最悪。

でも大丈夫。2020年の今はdropboxやgoogle driveに楽曲データをアップロードすれば作ったデータをそのまま聞いてもらえます。スタジオで作った音をそのまま聞いて欲しいひとは是非そうしましょう。

良い時代になりました。



「音質がdropbox・google driveが最高」


インターネット環境が進んでダウンロードデータの容量が増えたのでデジタル配信が最高の音質になったということです。

ここまでくると、あとは利便性の問題。利便性をとるか音質をとるかだけの話になってきて、音質を取るならdropboxやgoogle driveからの直接ダウンロード。音質は少し変わってもspotifyやapple musicなどの便利なアプリで聞く。その選択になるのでCDは音質も一番良いわけでもなければ、聞く時に便利でもないので除外されてしまうのです。

そういった音質の面でCDは自分の中で終了しています。

身もふたもないですが、音楽家にとって音質は一番優先することなので。
自分の感動した音で、リスナーにも届けたい。
シンプルにそう思います。


「CD終了」


話は以上。って感じなのですがもう少し理由を挙げると
CDは物質だよねってことです。

物質なので、家の棚に置く必要がある。

過去に1000枚くらいのCDを買ったと思うのですが、場所をとります。
しかも聞くためにCDプレイヤーにいれて再生またはリッピングしないといけない。
なので引っ越しの度に「置いておくメリットがあるのか?!」
そういう選択を迫られます。

このCDって全く使わないけど、家に置いておく必要あるかな?っていう。

いらない。いる。っていう天秤は中々シビアなもので
・ジャケットや装填が美しくて飾っておきたいくらい価値がある
・誰かにもらった的な思い出がある
くらいじゃないと物置にしまうのでは無いかと思います。

もう骨董品というか、アートの域にCDは移行したのではないかという結論に達しました。自分は。自分の作ったCDが邪魔になっていないだろうか?!本当は捨てたいのに捨てられない人から貰ったモノになっていないだろうか?と。リリースする度に音楽の価値が下がっていかないかとっても心配になりました。


「人に迷惑かけないためにCDはアート作品、骨董品である必要がある」


そんな極端な結論に達してしまったのです。これは皆さんにそうしなさい!という強制力を持った意見ではありません。自分がそう思ったということです。CDのアートワークやアルバムという単位に物語が無いのなら、デジタル配信の方が製作者・ユーザー共にエコでお互いのためになるのではないかと[強要や攻撃ではありません]

漫画付きのCDとか、小説付きボックスCDとか、装填が特殊な素材のCDとか、アーティストの方がリリースしているのを見かけると「かっけえええ!」ってなります。特殊な装填とかってメチャメチャコスト高いですから。価格が高いと手に取ってもらえる人数も限られてきますし採算とれるかリスク高いなと思ってしまいます。


ということを踏まえ、自分はCDというフォームを辞めました。
辞めてどうしたかというと....

偏った思考の結果「金屏風」に「音楽アルバム」をつけるという暴挙。

「金屏風」+「音楽アルバム」

https://youtu.be/ezUzBzLK0Ys


ある時、同人即売会でCDを選んでる方から「BIGHEADさんのCDください!....これは持ってるんだよな....あ、これ持ってないかな?!いや買ったかな?」っていうやりとりがあって。沢山リリースして手に取っていただいているというのもありますが、何を持っているかわからなくならないように記憶に残るアルバムを作ってみせる!という目標ができました。

「金屏風」がジャケットなら思い出に残るし、忘れないはず!

と考えに考え金屏風を作ることを決意しました。金色という媒体はまだマーケットになかったので被らないだろうと。加えて京都の職人さんに手張りしてもらった「金屏風」に日本発の初音ミクを印刷してもらうことは日本人の自分にしかできない組み合わせだなと考え採算も考えずに制作しました。


というCDについての距離感が2015-2020のリリースに現れていると思います。2019年からは完全にどんなアートを作るか、思い出に残る音楽アルバムを作るかということに集中しています。また「雑誌」+「音楽アルバム」の形態でも継続的にリリースしています。


「音楽」+「〇〇」


今後も色々なアーティストが「音楽」+「〇〇」の形態でリリースしていくケースが増えていくと予想しています。音質と利便性が担保された2020年、いちリスナーとしてとってもエキサイティングな年になりそうです。

そしてspotifyとapple music、youtubeは最高です。
siriにapple musicをプレイしてもらってHomePodの重低音とライブな音響で聞く生活は最高です。

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