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10.cluster

『人は一人では生きていけない。』


産まれた時から家族に守られて、友達、学校、地域、職場、何れかの集団に所属し共生しながら生活していく

「集団を意識することなく、群ずに一匹オオカミのように生きていく」...いっとき憧れることはあっても、実際に社会から離れることは難しい。

※当時作っていた楽曲を聴きながらお読みください

常に人と会いながら、言葉を交し、同じ言語を使っているのにも関わらず分かり合えず、擦れ違いながら感情の起伏をやり過ごしていく。自然豊かな田舎と言われるような場所でも、何万人と行き違う都市に居ても「人と分かり合えない孤独」と「人と共生していく煩わしさ」から逃げることはできない。

MISAKIは所属したくて所属しているのか、自分の意志なのかも解らないまま群羊の中に沈んでいた。

『人は一人では生きていけない』という言葉を初めて聞いた時はポジティブな意味で使われていたように記憶している。年齢を重ねるにつれて若干ネガティブな『集団の中でうまくやっていかなければならない』よね?という強制の意味合いで使われ窘められることが増えた。


「なんとか人は一人で生きていけないだろうか?...」そうシミュレーションしては諦める。人と協調しながら楽しく生きていける人は、そんな暗いことは考えないだろう。


でも「組織に所属しながら集団の中で居場所を見つけられない」

そんな自己矛盾を抱えた地獄のような日々を過ごしている人にとっては『人は一人では生きていけない』は明るく響かない。

集団に所属することが強制なのに、集団にうまくフィットすることができないMISAKI。そんな種類の人間にしてみれば『人は一人では生きていけない』は所属の押し付けに感じて、所属ハラスメントとして襲いかかってくる。クラスターハラスメント。クラハラだ。


職場でも、自分の好きな音楽でも、家でも居場所を見つけられなかったMISAKI。SNSの世界に飛び込んでも、日本を飛び越えた世界と繋がっても結果は同じだと思っていた。

たとえ初めは仲良くする人がでてきても、時間が経つに連れて孤立していくだろう。空気の読めないMISAKI。コミニュケーションの積み重ねで嫌われていくだろう。そんな風に諦めながらSNSと距離をとっていた。

『カバーやコメントしてくれる人が増えても、最初だけ。そのうち飽きられ嫌われるだろう。』

期待しないようにメンタルをセットしながらtwitterを開いた。

すると....

Story Writer summer remix by room 

『え?remix !?』
知り合いでもないクリエイターがアカペラデータやVSQXデータをダウンロードして作り直した曲が投稿されていた。自分の曲を他人が再構築してくれるという初めての経験に胸が高鳴る。

そしてすぐに新しいremixが投稿された。

Story Writerをelectroな何かにしてみた by N.O.T.


『すごっ!二人のクリエイターにREMIXされてる』
REMIXって時間かかるのに、自分の曲に時間を使ってくれるなんて...うれしいとかの言葉では表せられない。


驚きはまだ続く


曲を投稿してから暫く経ってニコニコ動画の生放送で自分の曲が流れていた。最初は意味がわからなかったんだけど、ニコ生主という人がコミニティチャンネルを作って生放送中に選曲してリスナーに紹介してくれていた。※ネットのラジオみたいなもの

そしてリスナーも曲をリクエストして、生放送で他のリスナーに聞かせあう、みたいな文化があった。

そんなコミニュティーがあったのだけれど、ある生放送のジングルに「Story Writer」を採用してれくれるが現れた。ジングルというのは生放送の始まりに曲が流れること。必ず!

再生回数が148回の底辺ボカロPには、生放送で必ず一回流れるというのはメチャメチャありがたかった。それ以来、イフノポップというコミニュティ新音イフコミニュティに楽曲を投稿宣伝をしたりするようになる。


いつの間にか、コミニュティーに所属するようになっていた。自然に。
居場所もあるし「居辛い」という感覚が無い。
損得勘定を超えた関係。

小学校の頃の友達みたいな繋がり。

野球が好きだから一緒にいる。
その空間が好きだから仲良くする。
なんか昔から一緒にいるから今も一緒にいる。

新音イフが好きだから....純粋な理由で集まっていた。

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