見出し画像

日本語教師日記147.急に駆け出して行く日本語教師と生徒(1)パクチー

写真は、パクチーを惜しげもなく使ったパクチーサラダです。


日本語をプライベートで教えていて役得だなあと思うのは、生徒のみんなから、お国のいろいろな事情や、生のニュースが聞けることです。

特に楽しいのは、和食の作り方を訊かれたり、お国の料理を教えてもらったりするとき。

先日は、バインミーの作り方を知ることができました。

きっかけは、その生徒が、

「パクチーはコリアンダーですね。
日本人はパクチーが嫌いな人が多いね」

と言い出したので、

「ちょっと、ちょっと待っていてくださいね。
1分、いや、10秒待っていてください」

私はガバと立ち上がり、椅子を蹴立てて台所に走っていきました。
そう、近所でまたも見つけたJAマインズの野菜スタンドで、なんと、両手で掴むほどの大量のパクチーを見つけて買っていたのです。

パクチーは、育てるのが大変です。
発芽率が、新しい種でもだいたい60%です。他のほとんどが、80〜100%の発芽率であることを思うと、気難しそう。どんなに寄り目になって、小さな種の殻を剥き、さらに二つに割り、メネデール(芽も根も出〜るよ? という洒落だと思いますが)につけて大事に育てても、全然うまく育たないのです。
まあ、私の育て方が下手なのですが。

それはともかく、生徒に見せびらかそうと思って駆けて行き、
冷蔵庫からパクチーの大束を引っつかみ、駆けて戻って、

「ほらほら〜!  いくらだと思いますっ?」

「えっ、そんなに!  すごい、先生、いくらですか?」

「なんとこれだけあって100円です」

「先生、名古屋のスーパーで、小さいトレーに1本2本で200円ですよ」

「Aさん、それは多分、1たば、2たば、でしょう?」

「あっ、そう言うんですか。なるほど。でもすごい」

「どうですか、うらやましいですか?」

「はい、とてもうらやましいです」

そして、食べるばかりで中身がよくわからなかったバインミーについて、教えてもらいました。

おいしいバゲットを横に半分に切ります。
バターとマヨネーズとパテを塗ります。

「先生、あとはなますです」

「え、なます? なますって大根とにんじんのなます?」

「そうです」

知らなかった・・・。

あとはお好きな具でいいのだそうですが、やはりパクチーは外せないそうです。

パクチーは、炒めてもおいしいし、短めに切って、サラダでもお肉でも何にでもかけるそうです。スープに入れるときは微塵切りにしてくださいとのことです。

「Aさん、パテって、鳥レバーのパテでいいんですか?
それなら私、たまに作ります」

「はい、鳥でいいです。でも私は豚のパテが好きなので、
あっ、先生ちょっと、ちょっと待ってね」

今度は彼女が立ち上がり、画面から消えました。

駆け戻ってきた両手には、黒い缶。

「先生、カルディでこれが3つ一緒に売ってますね。
安くておいしいですから、これを使ってください」

あとから写真を送ってくれました。

明日は父の初七日の法事で電車に乗って出かけますので、ウルトラマン商店街のカルディに脚を伸ばして、その豚のパテと、滅多に買わない、いいバゲットを買って帰ろうと思います。

早くしないとパクチーがどんどんなくなっていきますので。

バインミー、楽しみです。



サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。