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日本語教師日記175.フリーランス日本語教師の辛いところ

フリーランスの日本語教師の皆さんなら、
「あるね・・」と思っていただけそうなお話です。

普通よりこちらの工夫が必要な生徒というのはいるもので、
日時変更リクエストが多い、変えた日時も二転三転する。
授業料の振り込みがなかなかない。
そういう人はなぜかキャンセルが多かったりもして、
滅多にお会いできないのに、固定の日時の枠をしっかり持っています。
指定席はあるのに、なかなか授業にはならない。
その一方で、いつもだれかがその時間帯に入りたくて待っている、
などということもあります。

以前は、10回分のレッスン料を先にいただくことも多かったですが、
そうすると気のせいか、もともとキャンセルの多い人が、
晴々とキャンセルするようになっていくような気がしました。

そして、こちらが受け取った授業料分のレッスン回数を消化しないうちに
やめたり、帰国されたりもします。

数年にわたるドタキャンも、ほぼチャージしなかったので、
いただいておくものかと思っていると、その後何年もしてから、

先生、あと何回レッスン残っていますか?
その分のレッスンをやりたいです

と連絡があったりします。

ドタキャンに対するフルチャージは、昔からしていません。
想定上の収入が減ることにはなりますが、
急病やお仕事では仕方ないと私は感じてしまいますし、
自分も家人や自分の病気やそのほかの都合で、ドタキャンをさせてもらうこともあるから、お互い様という感じがします。

キャンセルが多い人は、割とすぐ、半年以内ぐらいにレッスンを辞めることが多いです。

定刻に私が画面の前でスタンバッていて、5分、10分、15分と時間が経つ。
問い合わせても返事がなく、お忘れになった様子。
次の時は、レッスンが始まってから、キャンセルの通知。
次の週もドタキャン、そしてすぐに1ヶ月の休暇、
帰ってきたら1ヶ月の出張・・・と、
もしもし、もう4ヶ月レッスンを受けていらっしゃいませんが。
で、久しぶりに会うと、4ヶ月前までに教えていたことを、
すっきり綺麗に忘れ去っていたりは普通です。
要するに、日本語授業の優先順位は低い方なのでしょう。

このタイプの人たちのために、
人気の高い時間枠を、永遠に取っておくのは流石に非効率というもの。

タイミングを見て、

とてもお忙しいようですので、
落ち着かれたらまた、連絡をしていただくというのはいかがですか?

と、私から持ちかけます。
だいたい200%の確率で、喜んでそうしてくれます。

ある会社払いの人は、10回連続でお休みしましたが、
毎月はじめに1ヶ月分の授業料が振り込まれてしまいます。
さすがに困ったなと思って、支払われた授業料のうち、
使った回数を計算して受け取り、残りは別にプールしてあげることにしました。

それで、急にプレゼンの準備が必要であるとか、
追加のレッスンをしたいときなどに、そのレッスン料を使ってくださいとお話ししました。

けれど、彼の日本での任期が過ぎた時も、
使いきれていない数回分の授業料が私の手元にあります。

どうしようかと考えていたら、その彼からちょっとややこしい内容の翻訳を頼まれました。少しなら喜んでやりますが、複数の人に 問い合わせや照らし合わせをしながら、20時間ぐらいは費やすことになりそうでした。
そこで、しっかりとワードごとの計算でチャージする契約書を作りました。

さていよいよこの仕事が終わり、請求書を出すことをこの生徒に伝えますと、
彼は晴々と言いました。

「あ、そのご心配は要りません。大丈夫です。
翻訳料は、先生にプールなさっている授業料から好きなだけ取ってください。
余っても、残りは返さなくていいです」

そ、そうですか。

と、そんなこともありました。

その他には、グループレッスンなのでディスカウントの授業料で始めたら、
一人また一人とやめていき、実質プライベートレッスンになってしまいました、
ということがありました。
これ、意外と、プライベートレッスンになりましたからと、
今までより高くなるレッスン料を、
すっかり馴染んでいる生徒に言うことはできません。
そのままです。

グループレッスンから抜けていた生徒が、
前のグループレッスン料でレッスンが受けられると思って、
門を叩いてくれることがあります。
とても悩みますが、これも仕事です。
本当の個人レッスンの授業料を告げますと、残念ですが、と断念されました。

結構あったのが、授業時間内に収まらない添削や翻訳を依頼されること。
今は違いますが、昔はノーチャージでした。
会社に提出する、法律の入り込んでくる書類の翻訳は、さすがにお断りしました。
責任が取れないからです。

レッスンに必要な教材や宿題を作るのは、仕事の一部ですが、
その人の仕事やリポートのお手伝いになりかけることが、昔はよくありました。

同じ授業料をいただいている、他の生徒たちに対して、不公平になってしまいますので、今はお断りすることにしています。

そういえば、ファックスでジコジコジコ・・と書類を送ってきて、

「先生、急がなくていいです。次のレッスンまでに間に合えば」
「先生、レッスンの時にこれをしなくてもいいです。
先生の空き時間にやってくれれば」

という猛者がいましたが、まあ昔のことです。
こういうものを、最初になんとなく引き受けた私がいけないのです。

数々の黒歴史から思うのは、やはり情に流されないで、
きっぱりと線を引くことは何事でも大事だなということです。


おまけ:
以下は、3月に日本に来ることになって、
少しでもいいから日本語を使って旅をしてみたいというカップルに、
ひらがなから始めることができませんので、超実際的な教材を作ってみました。

買い物、タクシー。
少しでも楽しく旅行してほしいです。



よく見たら誤字もありますね。
あとで直しておかなくっちゃ。

サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。