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先週の相場まとめ(米インフレ高、英国債の混乱 ..)

先週はドル高が進み、円相場は148.67と1990年以来の安値で取引を終えました。

今日は先週の金融市場で起きた主な出来事を簡単に纏めました。

先週発表された主要経済指標

まずは先週、米国で発表された主な経済指標をスライドに纏めました。

先週の米国ではインフレ関連指標が多く発表されました。
特に注目されたのは「CPI(消費者物価指数)」です。

CPIの総合指数は前年比+8.2%と市場予想の+8.1%を上振れ、エネルギーといった変動の激しい項目を除いたコア指数は+6.6%とこちらも予想の+6.5%を上回りました。

CPIは実績値のインフレ指標ですが、一方で消費者のインフレ期待を示すミシガン大インフレ指数も1年先が+5.1%(市場予想+4.6%)、5年10年先が+2.9%(予想+2.8%)と非常に高い伸びとなっています。

これらはFOMCが3月から利上げを開始して、政策金利を300bp(1bp=0.01%)も上げたにも関わらず「インフレに止まる気配が無い」ことを意味します。

これは当然、FOMCが引き続き大胆な利上げを継続することを意味しており、市場では11月だけでなく、12月のFOMCでも75bpの利上げが行われると予想しています。

市場が織り込む米国政策金利のパス(出所:CME Group)

右往左往する英国債市場

グローバル市場において、英国債市場は引き続き注目を集めています。

トラス新政権の財政政策発表とBOE(英国中央銀行)の国債売却発表以降、英国債市場は大きく混乱していますが、1日で国債金利が50bp以上も上下する等、とても先進国の国債とは思えない動きを見せています。

次のスライドではここ数週間、英国で起きた出来事をチャートと共に纏めています。

英国債市場の混乱を受けて、臨時で国債の買い入れオペを行なってきがBOEですが、その臨時オペも先週の金曜日で終了しました。

ここから月末までの間に英国では、更迭されたクワーテング氏の後任であるハント氏の新方針や、予算責任局(OBR)による財政レビュー、格付け機関のレビュー、BOEによる国債"売却"(QT)など、イベントが目白押しとなっています。

マーケットの値動き

先週の注目チャートをスライドにしました。

株、為替、金利、ボラティリティと主要プロダクトをチャートにしましたが、やはり一番気になるのは米国株の動きです。

米国株はCPI発表直後に先物ベースで3500まで下落しましたが、その後、急速に買い戻されて金曜のニューヨーク朝方には3730台まで回復しました。
通常、このように「悪いニュースで一瞬大きく下げるが、そのあと売りが続かずに、買い戻されて終わる」パターンは市場が底打ちしたことを示唆することが多いです。

実際、私の周りのトレーダーもCPI発表後に株が「下がりきらない」と感じてポジションをロング転(買い持ち)する人もいました。

しかし、CPI翌日の金曜日には再び3600割れで引けており、CPI後にロング転したトレーダーも金曜日の終わりには早々にポジションを解消する等、何ともイマイチな形で1週間を終えています。


最後に …
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