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カメラメーカーよ!われわれはいつまで欠陥カメラで写真を撮らなければいけないのか。

 デジタルカメラが一般に普及して20年以上経つ。静止画だけでなく動画も撮れるようになるなどいろいろな点で進歩しているがひとつだけ改善されていないものがある。

センサーに付着するゴミ

デジタルカメラの最初の頃は何も対策がされず使い続けるとゴミがセンサーの前にあるローパスフィルターに付着して絞りをF8ぐらいにすると画面のところどころに出るという今と同じ状況だ。
オリンパスが2003年頃からダストリダクションシステムでセンサーについたゴミを落とすという機能が付けたが他は2008年頃になってセンサーを軽くクリーニングする機能が上位から中級機に搭載されるようになったが効果の方は無いよりマシという程度だ。
通常はF11ぐらいまではあまり画面内で目立つことはないが清掃の間隔が長くなりシャッターの回数が多いとF5.6やF8でも目立ってくる。特に青空や白いものは顕著に分かる。撮影後にフォトショップで消すことになるが電線と電線の間に薄っすらと大きいのがついた時など消すのに一苦労だし枚数が多ければかなりの時間を取られることになるだろう。

風景写真は絞ることが多いのでこういう時は薄いのから
濃いのまでいくつもゴミが画面に出てくる。青空を強調を
しようと濃くするとさらに薄いゴミが出てくるので要注意。
カラーからモノクロにするとゴミが目立ってしまったりと困った
ものだ。                       
                          
                                                     
                  

メーカーによると新品のカメラの場合は2000カットぐらいはシャッターユニットのホコリがセンサーやローパスフィルターにつくと言うがそれについても対策をしない。彼らにしてみればゴミがつくのは避けられない。コストと手間をかけずに儲けようというのがメーカーの姿勢だが車でいうなら40キロ以上出すと車体の揺れが起き速度を上げるごとに徐々に激しくなるというのと同じことだ。車なら修理か欠陥車だがカメラに関しては何も変化が無い。

不思議なのは動画撮影をする人達から画面の中に写るゴミに対して対策を求める声を聞かない事だ。動画はシャッター速度を1/60付近で撮る。野外で撮る時は感度をISO100にしてもかなり絞ることになる。NDフィルターを付けても晴天ならF8ぐらいにはなるので背景が明るい無地や青空になればゴミが目立つだけに直すのは静止画より手間がかかると思うのだが。

 かなり前にあるカメラ雑誌でセンサーのゴミが付着することの記事があった。それによるとオリンパス以外はゴミの付着は避けられないようだが他のメーカーは改善しようという気配がない。
 ミラーレス一眼になるとミラーがないのでレンズを外すとセンサーが剥き出しの状態となりレンズ交換をすばやくしないと場所によってはセンサーはゴミだらけになりそうだ。
センサーが見える位置にあるのでブロアーで簡単に落とせそうだが使っている人によるとそうではないようだ。特にソニーはセンサーにくっついて取るのは難しいらしい。
キャノンの一部の機種でレンズ交換時にセンサーの前にシャッターが閉じる機能が付いたことでソニーやニコンの一部でも付くようになったが全体としてはまだまだか。付けるのにはコストもかかるしボディが小さいのでスペース的にも設計が大変だろう。

 センサーについたゴミを取り除くのにブロアーをセンサーに拭いてもあまり効果が無いことが多い。ならばクリーニングをすることになるがメーカーに持っていくか自分でクリーニングキットを使って清掃することになるが後者はあまりお勧めはできない。器用な人ならうまく拭けるだろうが小さく暗い部分を均一に拭くのは至難の技だろう。拭きムラが出れば画像に出るしセンサーやローパスフィルターを傷つければかなりの修理代になる。様々なリスクを考えるとメーカーに出すのが最良ということで昔から持ち込んでいるが技術的には変わっていないがその費用はインフレ並みに上がっている。
2004年に初めてやってもらった時は300円。端の部分に新たなゴミがつくこともあったが安いので我慢のレベルだったが2005年後半に1000円に。しばらくはこの値段だったが2017年に清掃、点検をして2000円。ソニーが最初に始めたがキャノン、ニコンも追随。客単価を上げようということだが時間がさらにかかるうえに点検する人によってマチマチで同じボディでも症状があったりなかったりと当てにならないうえにすでに知っていることを延々と聞かされるのは時間の無駄だ。
かかる時間を考えればセンサー清掃のみのサービスをも作るべきだが大半の人は清掃のみになるのは分かっていることだけにそういうことはしない。
今では3000円以上と内訳がどうなっているか分からないがボッタクリのうえにコロナ禍で予約制になったことで清掃のための予約を取るのに2,3週間先は当たり前。以前のように時間を見つけて出すという事が出来ず機材の振り分けに苦労させられる事も多くなった。
1台なら所要時間は1時間30分程度。予約が撮り難いことから2台出すと3時間と倍々ゲームと1日がかりだ。以前はニコンのサービスセンターは銀座と新宿にあったが不況のためか新宿に統合。受付も3,4人いたが今は2人と人件費の削減か。
新宿駅からは近いが28階と1階から直接入れる銀座とは違いエレベーターで上がるが時間帯によっては混雑するので行くだけでウンザリする。

 先月新宿にあるニコンプラザ東京へセンサー清掃に行った。一度予約したが急に撮影が入ってキャンセルして2週間遅れに。運よく受付を待たずに済ませたが回収には手間取った。新宿に統合した時に受付のカウンターを狭くしたうえに人数は2人。対応する人もニコンの人間ではなく派遣会社への外注になったので20代のアルバイトのような人が増えてカメラの知識もあまりないうえに対応も慣れていないのか遅い。運悪く前に人がいたので待つこと8分。例によって点検結果を長々とし支払いのレシートを受け取るまでに7分。昼時ということで昼食に行く人で混雑したエレベーターで下に降り外に出てテスト撮影。
絞りをF8からF16まで撮ってモニターを見るとF11でゴミが付着しているのを発見。普段ならやり直しをさせるところだがこの日はこの後に撮影があるので我慢したが時間と金を無駄にしただけだった。
コロナ禍でサービスセンターでのセンサー清掃は予約制になり今も続いている。上記のように清掃やり直しの場合も改めて予約するのかと質問すると修理扱いにして欲しいという回答でやったもの勝ちか。

清掃後のF11の画像。過去にも同じようなことがあったので受け取り後に
すぐ検査することにしているがF11で付いているのは初めてだ。清掃時に切ったシャッター回数は37回と平均的な数だが見落としか。どういう環境下で
作業しているのか分からないがおそまつな内容だ。         

 カメラのキタムラでもセンサー清掃をしているようだ。価格は3000円だが予約は不要。対応できる店の数も東京ならそれなりにあるようだがいろいろな点で不安で行く気にはならない。今使っているカメラの中で1台センサーの端に傷があるものがある。保証期間内(保証中はセンサー清掃しかしない)の次のセンサー清掃で分かったことだがF22まで絞らないと分からないということでそのままにしているがこちらは購入して一度もセンサーを触っていないので傷がついたのは製造時かセンサー清掃をした時だろう。事実を解明するのは難しいので最初に言われた時にニコン側に責任があるということを言わなかったが専任でやっているニコンでさえこのレベル。カメラ屋の店員ともなればさらに技量差がありセンサーを傷つけられた時の対応を考えるとメーカーにやってもらった方が安全だろう。

スマホで依頼撮影や自分の写真を撮れる日が来るまでは
この問題は永遠に続くことだろう。

(追記)
ニコンのZ6Ⅲが先日発表された。2400万画素のカメラを希望している当方としては期待していたカメラだがレンズ交換時にセンサーの前にシャッター?が出るセンサーシールドは
搭載されないということでガッカリだ。他のメーカーも上級から中級機には付けるようになってきているのでこのカメラも付くだろうと思った。完璧にゴミを封じることはできないがあると無いでは大きく違うだろう。ニコンはセンサーのゴミ付着の対策はどうでも良いということだろうか。
(円安の影響でZ6Ⅲは日本では43万もするが海外ではもっと安い。最近は高利益主義のニコンだけにキャノンのようにZ8,Z9クラスの価格でないと付けないのかもしれない。)

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