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【美大生向け】値札のない絵画作品を購入するハードル

美大生や若手作家の企画展を鑑賞した際に、値札がない作品を見ることがあります。
様々な要因が考えられますが、もし制作者が作品の販売を希望しており、鑑賞者が作品の購入を希望している場合、値札がない作品を購入するためには超えるべきハードルがいくつもあります。

今回はハードルを順にご紹介し、その解決方法をご紹介します。

※購入希望者は、たまたまふらっとギャラリーに足を運んだアートに詳しくない30代のサラリーマンだと仮定します。


ハードル5選

1.販売しているのかどうかわからない

作品のことが気に入っても値札が貼っていないと売り物かどうかわかりません。
一部の展示スペースでは展示作品は販売可能(値段は要交渉)となっていることが暗黙の了解になっているかもしれませんが、アートに馴染みのない人にとってはよくわからないシステムです。

2.誰に値段を聞けばいいかわからない

展示会は作家が常時在朗しているわけではありません。受付の方が不在の時間帯がある展示スペースもあります。せっかく作品を購入したいと思っても誰に聞けばいいいかわからず諦めるケースもあるかもしれません。

3.販売価格が決まっていない場合に、購入希望額を買い手から先に提示するのか販売希望額を売り手から先に提示するのかわからない

アートに限らず値段が決まっていないものを購入しようとした経験のある方は少ないと思います。ここのやり取りを手間に感じる人も少なからずいるのではないでしょうか。

4.購入価格を買い手から提示する場合に、失礼にあたるラインがわからない

一般的には1,000円で買えるものに2,000円を支払うことは良しとされていません。
交渉では先に低い金額を提示することからスタートします(高い金額を先に言うとそれ以上金額を下げることが難くなるため)
しかしアートを購入したことがない人にとっては作品がどれだけ価値のあるものなのか見当もつかないため、「いくらだったら購入を希望されますか?」は返答の際に慎重に言葉を選ぶ必要がある質問になります。

5.購入価格を買い手から提示する場合に、相場がわからない

アート作品は一点ものの場合が多く、相場を知っていても参考にならない場合も多々あります。

販売したい場合の解決方法

①値札を貼る
値札を貼っても差し支えない場合は値札を貼りましょう。購入者には一番ハードルが低い方法です。

②購入希望の場合のポップやチラシを作成しておく
「ご購入を希望される方はこちらからご連絡下さい。」など記載したポップ、チラシ、カードなどを貼ったり置いたりしておくと、成約はさておき少なくとも作品が販売可能なことは伝わります。
作品の販売価格は作者が自由に設定してよいものなので、問い合わせがあったタイミングで価格を設定して問題ないかと思います。

販売時の注意点

(1) 領収書
購入者から領収書を求められた場合には、販売者は領収書を作成して渡す義務があります。領収書はコンビニなどでも買えるので持っておくといいと思います。

(2) 納税
作品を販売した場合、納税の義務が発生する場合があります。
※よくある勘違いは「〇〇万円以下の所得は納税の義務がない」というものです。これは間違いで、確定申告(=税務署が指定したフォーマットを用いて所得を計算し、納税額を決定する方法)の義務がないだけであって、納税の義務はあります。

最後に
筆者は美術について専門的に学んだことがないので素人目線で書かせていただきました。(教育大学卒・専門は数学)
巷には素敵なアート作品で溢れているので、アートが購入しやすい環境になればと思います。




【美大展示からお知らせ】
美大展示は夜間限定の美術展「深夜の美術展」を運営しています。

▼次回の開催情報

日程
Day1:3月2日(土) 18:00~23:00
Day2:3月3日(日) 18:00~22:00

会場
grass wall
六本木駅 5番出口から徒歩5分

地図(Google map)
https://goo.gl/maps/DZ231EjCheBv8q5M8

イベントポスター

出展をご希望される方へ
こちらの募集要項をご確認の上、InstagramまたはTwitterのメッセージにてご連絡をお願いします。

作品の鑑賞をご希望される方へ
会場の混雑回避のため可能でしたらこちらのフォームから事前のご予約をお願いいたします。(予約がない場合でも当日ご来場いただけます)


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