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デザイナーになった理由/230628


一言で伝わるから

めちゃくちゃよく訊かれる


「なんでデザイナーになったの?」

・一言で伝わる
・響きが良い
・詳細はわからずとも漠然と想像つく
・こういう傾向の人とすぐ伝わる

「事務」と答えると「事務かぁ」とはわかるけど漠然としすぎているし、なんかしっかりした真面目な人、みたいなイメージがあって、それだと私のイメージとは違うからなぁ、と。

そんなあれこれでデザイナーにたどり着いた。

それだけだ。


ピンキリ


医者というだけで全員名医ではないように、デザイナーだってめちゃくちゃエッジの効いたかっこいいデザインをする人もいれば私のようなモグリもいる。

だけどそれでも医者で、デザイナーには変わりなく、一言で「ああこういうタイプなのね」とわかる。
だから自分の代名詞としてデザイナーが合ってるんだろうなと去年は思った。

人に詳細を説明しないといけない仕事がなんとなく嫌なのだ。

あとデザイナーだと話のネタにちょうど良いらしく、好奇心が強い人は「何をどうデザインしてるのか」みたいなポイントをくすぐるらしい。


デザイナーとして入社はしたけど


デザインは昨日初めてやったほどやってないし20分くらいで終わらせた。
なんなら動画が最近は多いし、もちろんそれだけではなく昨日はミーティングも4つあった。

それも中身は全部別だし、とにかく脳みそを絞って考えることを求められる。
私はそれが好きなのだとやっと気づけた。

じゃあデザインできなくていいのか?と訊かれる。

全然いい。

全く構わない。

デザインは好きじゃないのか?

嫌いじゃない。
だけど、好きでもない。

なぜ?

センスが無いから。


デザインのポテンシャル皆無


元々得意なものって伸ばしやすい。
運動が得意だと強く意識して「よし!」と思わずに運動できるから体型が良くて健康的だし。
整理整頓が得意だと事務に向いてたりするし。
語学が得意だと勝手に学ぶ。

強く意識しなくても取り掛かりやすかったり磨きやすいものってあって、ポテンシャルってそういうことだ。

特に私は得意ならいくらでも勉強したり練習したりする。
苦手意識が少ないし成功体験も重ねやすいから強く意識して「やろう!」と思わない。

だけどデザインは得意だと思った事がない。

性格診断で本当にいつも適職にデザイナーが出るけど(それか詐欺師か新興宗教の教祖)向いてないのだ。
マインドは向いてるのかもしれないけど、シンプルに下手なのだ。

もちろんポテンシャルだけ良くてもだめで、とりあえずできるからできてきた人に限って挫折に弱かったりするし、勉強や練習ができない人も多い。
ポテンシャルと反復ができないと厳しいんだと思う。

ポテンシャルが無くても努力した人もたくさんいるし。


正規ルートなんて乗れないのが保留のデフォルト


なのでその目標/目的のために必要なルートを考え尽くす。

去年の今頃、デザイナーになるためのルートを考えた。
経歴なし、センスなし、デザインの作品もそんなになし。

あらゆる普通の経歴を持っていないので、ゴールとなるもののためにどうしたら正規ルートではない方法で行けるのか、自分の武器は、そのために必要なものは何か、そんなことをよく考える。
武器は唯一の美大か、と捻り出した。

当時はDTPデザイン、WEBデザイン、そこらへんの棲み分けも理解しておらず、なんなら最近まで知らなかった。
前職は人手も足らずお金も使いたくないのでそこらへんも全部一緒くたに任されていて、転職の時にエージェントの方に言われて知ったという顛末。


ちょっと溜飲が下りた


前職の小さな会社の社長は学歴経歴に弱かった。
だから入れ物だけ立派で中身が空の私が入れたのだと思うし、嫌なこともあったけど基本的にすごく良くしてくれたし同僚のみんなも大好きだ。

そして、何より空っぽだった中身を少し入れてくれた。
それは私1人ではできないことなので本当に感謝している。

よく、私に社長がこう言っていた。

「あなたの前にいたのは◯◯社にいたデザイナーで、すごかったのよ!」

「へーそーなんすね」と返事していたけれど、確かにデータを見たりすると「はーやっぱ大きい会社にいただけはあるなぁ」と思った。
デザインは上手かった。

しかし私が入ってからあれこれと尻拭いをしたので「デザインしかできなかったんだな、充分だけども」とも思っていた。

デザインだけできりゃ充分だけど、私はデザインはそんなにだけど他もできた。
本当になんでも突然やらされてもやったので、今となれば何を突然言われても平気になった。

長所に「焦らない」が追加された。

だけど社長はそこを全く評価しなかったから私は辞めた。
報われないことはしない。
そして、社長の無茶振りのおかげで私は武器が増えていたことに気づけた。

そして、いつも社長が私に向けて言っていた「前職の人がいた◯◯社」よりも大きい会社に入った。
おとといまで知らなかったけど。

溜飲が下りた。

だからもう全く怒ってないし労基に行ってお金を返して貰おうとも思っていない。

そんな金はくれてやる。

だって、もっと大きいものをくれたじゃない。

私は俗物だ。
そういう時もある。

自分を貶めた人への報復は、自分がそれより力を持つ事に他ならない。
そして皮肉なことに、彼らが私にエネルギーや原動力をいつもくれるのだ。
だから、感謝を。

何を言われても平気だけど、先日笑顔で上司に「保留さん、ドバイ行く?」と言われたのは本気で言葉に詰まった。

行きたかねーよ

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