中村敦彦✖️バキバキ童貞/230702
大好きなルポライター中村敦彦と
童貞で一番大好きなバキバキ童貞がコラボしていたとは…
保留この上ないしあわせ…
中村敦彦とバキバキ童貞とは
中村敦彦はルポライターで、私が初めて読んだのも、一番読んでいる作家も中村敦彦。
とにかく好き。
今回初めてお顔をご拝顔。
バキバキ童貞はabemaの街頭インタビューで「日本の童貞と処女率が世界一位という研究結果が出ましたが、どう思われますか？」と聞かれ「誠に遺憾です」と答え、「ご自身は？」と聞かれて「バキバキ童貞です！」と答えてネットのオモチャになったタイタン所属の芸人さん。
八王子の山奥とは言え
中央とかも受かってたのに
敢えてハードモード（青学）を
選ばれたバキバキ童貞
私でも青学は行かない（そもそも学力が無いが
ずっと中村敦彦が好きで、バキバキ童貞は最近知って好きになって、動画を漁っているうちに今日発見したこの動画。
キセキのコラボ。
ルポ 中年童貞
10年ほど前に発刊され、中年になっても童貞である男性数人にインタビューしたルポルタージュ。
春くらいに読んでけっこうな衝撃を受けた。
これは是非みんなに知ってもらいたい作品。
なんかもう全ての問題が詰まっているような煮詰めて煮詰めて煮詰めた作品。
中村敦彦本人の当時の状況もリアルに相まって、すごいのだ。
私の今の仕事にも少し関係するからかなり参考になっている。
驚かされた童貞マインド
純粋すぎる。
日頃から純粋すぎると生きていけないと思っているけど、それを体現したような童貞たちに何かが痛くなる。
思うに「童貞」であることに問題があるというより、そうなってしまった過程に問題がありすぎたという感想で、更に言うとそれはもう親子の問題にもなってしまう。
中村敦彦自身も書いていたけど、どこかやはり、ここに出てくる童貞たちは女性に母親を重ねている。
女性に母親を重ねる男性
男性に父親を重ねる女性
それは誰しもあるし、私もものすごいファザコンなので、だから年上としか付き合わないし好きになれない。
だけど私は少なくとも自分で自分の問題点を自覚している。
自覚しないと対策のしようが無いといつも書いているけど、まんまその状況がそこにはあった。
坂口（仮名）の場合
ピーターはabemaインタビューの元の研究をしたスウェーデンと日本のハーフのお医者さん&研究者
「日本の童貞/処女率が世界最高」という噂を「そんなわけない」と立証するために研究したのに「世界最高の童貞/処女率」を逆に証明してしまい、バキバキ童貞がそれを元にインタビューを受けることになる
バキバキ童貞とはそれきっかけに友達になる
めっちゃ条件指定してくるやん
「いつか清らかで若い処女が自分を全て受け入れてくれるはず」
彼らにとって女性とは子供のように若く小さいことが是で、だけど身体は女性であることを求め、そして何より処女でなければならない。
そのマインドが全く理解できていない。
少なくとも私は若い童貞の男性とセックスしたいとは全く思わないから、本気でわからない。
むしろ遊び尽くしてもう疲れたわ、という男性が良いので理解してあげられないのが申し訳ない。
それって母親よな
「私が察して動いてお膳立てしてあげることはいくらでもできるけど、それはもう恋愛じゃなくて親子だよ」
これをけっこう言う。
けっこう言うくらいなので男性はそういう部分が少なからずあるし、女性も男性に対して少なからずあることだと思う。
この本に出てくる童貞たちはその傾向が強すぎたのだろうなと。
「風俗に行かないのは清らかな人間だからだ」
バキ童も賛同するけど、まぁプライドが高いんだろうなと思う。
プライドは高くできたり低くできたり、自分でコントロールすると最も効果ある。
結果、プライド
恋愛で失敗したり恥をかいたり嫌な思いをしたことが無い人っていないんじゃないか。
私も沢山あるし、めちゃくちゃあるし、やっぱりめちゃくちゃある。
バキバキ童貞は恋愛を辞めた？退いた理由が「大好きだった人に「性欲で私を見てるとしたら大嫌い」と言われたから」だそうで、「こんなに僕の景色と世界の現状は違うんだな。それなら迷惑かけちゃうから、と臆病になって」ということらしい。
多分こんなことを言われている男性は沢山いるし、私も男性に言うこともある。
「性欲のみで」という文脈だけど。
それなら迷惑かけちゃうから、とそこまで思うタイプかなぁ。
（拒絶されることに）臆病になっちゃって、が本音なのでは、と思うけどまぁ憶測。
自分が好きな相手が自分を好きになって恋人になる確率って1/25億くらいと聞いたことがある。
だとしたらやっぱりみんな経験していると思うのに、彼らにはダイレクトに応えてしまう。
まるで母親に拒絶されたような衝撃を受けてしまい、まさに愛憎まみれた感情を女性に抱く。
清らかで処女であって欲しいのに、
自分が自ら汚したい、というような。
自分と社会の差を受け入れるということ
伝説の童貞AV男優/鈴鹿イチローの場合
思わずスウェーデン語に翻訳したピーター
売りも見せもしない翻訳をするところが
研究者の鑑
とりあえず母国語にしたい気持ち、
よくわかるよピーター笑
とりまジャニーズでもなるかな、で応募したら箸にも棒にも引っかからず「加藤鷹でもできるし」とAV男優になるも、結局童貞のまま自殺した伝説の童貞。
なんて悲しい話なんだ。
しかも最後に言い放った言葉は「2週間後のど自慢大会で優勝しなかったら死ぬ！」で、本当に死んだ。
純粋が過ぎるとこうなる。
自分と社会の差を受け入れる、この言葉は私も刺さった。
まさに私が今していることで、それも上に書いたように問題を自覚し認識しない限りできず、そこにはプライドがあってはならない部分。
バリバリ稼ぎたいけど、実際はただの派遣だしな
は、受け入れる部分だと思っている。
ある程度のアタリをつけて、現実としてその差を埋めているのが私の現在だ。
鈴鹿イチローはそれができなかった。
理想は現実にするから良いという司令型の私でよかった。
自己正当化してはならぬ部分
「女性が好きで恋愛したくて結婚したかったら努力はしないとダメなんじゃないかな。
自己正当化を無理矢理するんじゃなくて」
全方位に芯を食ったこのお言葉
もうこれが答えだと思う。
これは恋愛だけではなくて仕事でもなんでも当てはまると思うのだ。
やりたいことがあるのなら努力しなくてはならなくて、「これが自分だし！」というような無理矢理な自己正当化はこういった結末を呼ぶのではないかと思った。
言い訳とも言える。
自分の理想と社会から見た現実の自分を受け入れて自覚し問題を認識することは難しい。
こうであって欲しいがあるのが人間だし、悪い部分を認めることは悔しいし恥ずかしい。
だけどそれをプライドを捨ててやれる人が一皮剥けるのだと思う。
それを頑なに守ったのが中年童貞なのかなーと。
それだけ強い思い込みが逆に向けば良かった。
唯一の良心、宮田
宮田は童貞で血気盛んなネトウヨだったが、意を決して読書会に参加し「女性と話す楽しさ」を知り女性らと仲良くなり、現実の女性と関わることを知っていく。
唯一救いのある人間で、それが本作品の結末だった。
ものすごく大切な感覚に気づけた宮田は
勝ち確
当時44歳の童貞極まった男性が、プライドを捨てて「やっぱ女性と話すのおもれーじゃん！」と意見を変えられるのは相当な素直さか賢さを持っていないと不可能だと思う。
44歳で自分（のポリシー）を変えられる？
年齢分、プライドは高くなるし、それを曲げたり否定してしまうことは、どこか自分の人生をそうしてしまうように感じるから。
そして私も2年前に似たような感覚があった。
「やっぱり男の人が大好きだな。
でもそれって言ったらいけないし行動してはいけないんだけど、でもそれってなんでいけないんだっけ？
それって法律でもなんでもなくない？
私が好きなものを追求したらいけないわけなくない？
よし、もういいや、なんて言われても」
と思ったのだ。
それを38歳で覚悟することも難しかったから、44歳童貞の宮田はどれだけ難易度が高かったか。
ちなみに現在51歳？の宮田は未だ童貞健在らしい。
恋愛とかいう難易度バリ高のやつ
童貞/処女ではいけないのか？
別に悪く無い。
なんなら逆に遊び人だって全く悪く無い。
だって私には関係ないから。
そもそも他人のそんなことってどうでもよくない？
結婚してる人が恋愛が上手い、は違う。
結婚は契約だから目的が違うという認識なんだけど、まずは恋愛しないと結婚もできない。
それに結婚は恋愛の結果論なので目的にするには少し違和感があるけど、まぁそれはマイノリティの感想なので良い。
恋愛というのは各々がある程度、精神的/経済的に自立/自律できていないと難しい。
その上お互いの好みがあって、求めているものがある。
自立しているというベースが既に能力（学歴など）が必要なのに、更にコミュニケーションもできて見た目が良かったりしなくてはならない。
私だってまだできていないし、中々そこをしっかりできている人って実は男女ともにいない。
だから人は恋愛をするのだと思っている。
完璧ではないから補うために。
2人いれば1よりも大きくて、2よりは少ないかもしれないけど、時々どちらかが0.3あげて、もらって、感謝して、セックスして。
そんなもんなんだろうなぁと思う。
文字で書けば簡単なのになぁ。
人と人として尊敬し合えて、男と女として愛し合えるって更に難しい。
特に日本人はパパとママになったら中々男と女になれなかったりする。
それは日本の働き方に由来すると思っているけど、さすがに脱線するので終わる。
中々全方位に刺さるルポ 中年童貞はできるだけ浸透して欲しいし、バキバキ童貞も若いから頑張ってほしい。
あと風俗に行くことは全く負けではないぞ。
勝ちでもねぇけど。
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