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転職活動終了/230601



ヌルっと突然決まった。

昨日、大都会東京砂漠を歩いていて、それは正社員として面接を受けに来たからだった。
またしても応募したことすら覚えておらず、正社員なんて受かるわけないから、と強気になって受けたらしい。

ライオンの檻の前で煽る感覚。

前日に決まったのに慌てもせず、夜22時まで夕寝し、睡眠時間はいつもの通り4時間。
電車で会社概要と業種、取り組みを読んで完全なる丸腰で向かった。
その時まで何も知らなかった。

私みたいなもん絶対に採用しちゃだめだ、と思いながらいつものように早く着いて、いつものように迷ってたどり着いた。
もうこれは様式美なのだ。

30分前は早すぎる。
10分前は遅すぎる。
ということで15-20分前がベストかなと思う昨今。

会社の外で時間を潰していると電話がかかってきた。
先週の旅の途中でかかってきた派遣の選考中の会社の話だった。
落ちたらメールなのに、電話?と思ったら採用されたらしく、私は今から別の会社の面接を受けるのに、ビルの下でその話をされてしまった。

浪人時代、多摩美を最後に受けていて昼休みに補欠だった武蔵美の合格がわかった時と同じで、「そーゆーことをされると消化試合になりがち」と思いつつ、でもやっぱり正社員も面白そう、と思い「今から面接なのでお返事は後からでもよろしいでしょうか?」というスケベ心を発動させた。
こういうことは最高に狡賢いタイプ。

私の狡賢さは母親がいつも溜息をついている。
現に転職活動でも職歴のブランク、条件のシビアさの理由は一般的には大嘘だ。
真実を少し混ぜると「嘘」ではなくなるけど、そのリアルさに母親は毎度のことながら「信じられへんこの子は」とうなだれていた。
私はその度に「嘘ではない」と言う。

面接を「選ばれる審査」ではなく「ちゃんとうまく楽しく話すところ」と思うようになっているので「余計なことを言わない」「徹頭徹尾、謙虚であること」のみに全集中する。
他は正直、普段考えていることを聞かれるからあまり構えない。
しかもこの会社は正社員なのにとても働きやすい条件で、これは楽しそうだな、と思った。

採用された派遣の方は8月スタートらしく、面接を受けた会社は結果まで2.3週間かかる上に、競争率が高いらしい。
派遣が濃厚になってきたけど、どちらも選択肢として残すにはどうすれば、と頭を悩ませた。

しかし私は社会人処女なのでそういうしきたりが全くわからない。

わからない時はプロに聞くのがポリシー。

幸い、そのプロが恋人だったので私はラッキーだ。
紆余曲折を経て、いや、紆余曲折があったのも、それを経たと思っているのも私だけだけど、雨降って地固まった、私とはまた違う不思議な空気感の恋人に連絡した。
つまり、元々問題など無かったのだ。

千葉一周のお土産話を笑って聞いて、お土産の鯨ハムを「美味い」と言って食べる恋人はめちゃくちゃ色気があった。

結果「派遣をOKにして正社員に受かったら辞退してそっち」という答えが返ってきた。
そして最後に「私の恋人らしいなぁ」という一言。

「さらに正社員、好待遇目指して就活は続けること」

ギラギラガツガツした女には、同じような男が来る。
破れ鍋に綴じ蓋スタイルの我々。
我々に現状満足、という言葉は無い。

それにしても変だ。
どうして派遣が決まったのか。
ドトールでミラノサンドA(チーズイン)を食べながら派遣先に対する違和感の元を調べた。

先週、旅の途中でかかってきた電話で言われた条件は「週5フルタイム」だった。
私は週4がマストで、それを譲ることはなく、だから仕事が中々決まらなかったのだ。

「週4ではないと行けないので」と断ると「先方に話だけ持っていく」と言われたので任せ、それが今回私の希望通りで良いと言い始めたのだ。
更に早く顔合わせをしたい、と。

これは、私の能力が欲しい、もしくは、ブラック系の会社、どちらかだ、と思った。
9割が後者だ。
駆け出しのデザイナーの能力なんてゴミみたいなもんだから。

そこで初めて募集要項を眺めて、ようやく理由がわかった、気がする。
そう、私は最近、募集要項を本当に見ていない。
本当にダメだから反省している。

その会社は外資だった。
確かに元々知っている会社だったし、言われてみればそうだなとわかった。

つまり、日常的に英語を使用するのだ。

メールも電話も、英語を使うらしい。

そう書いてあった。
もしかして最初の電話で言われたのかもしれないけど、全く忘れていた。
ちょうど良い値段でデザイナーとして使えて、更に英語ができる奴、は、おそらくそんなにいないだろう。
大体、そういう人材は高いから。

そんなに高くもなく(時給は私の希望最低額)でもDTPデザインもできて英語もまぁできる、となると多くはないはずだ。

グラフィックデザイン、WEBデザイン、DTPデザイン、他にもあるけれど、この3つの中で私の得意分野はDTPデザインになるらしい。
DTPは基本的に紙メインのデザインのことで、ポスター、ちらし、パンフレットなどのものを指す。

紙ものは印刷会社に出すのでデータの取り扱いにまた別の知識が必要となる。
まだまだ修行中なのでまだまだだけど、これが私の得意分野らしい。

そのDTPデザインと英語。

ビジネス英語は得意ではないし、日本語の電話応対だってやっとペルソナ(別人格)を作り出して成功したところだというのに。
英会話をまともにしたのも横浜のコンビニ前でナンパされた3年前が最後だ。

だけど、チャンスだ。

紛れもないチャンス。

おそらく今回もものすごい努力を求められる。
逆に言えば努力さえすればスキルが手に入る。
気になる。
やってみたい。

ということで一旦、転職活動は終わらせることにした。
あっけなく終わったけど、思い返すとしんどい日々でもあった。
今年も半年終わるけれど、仕事も恋愛も中々しんどかった。

だけど、遥かに昔と比べると悩みの質も上がったことも自覚している。
幸せな悩みとも言えるけど、それは今だから言えること。

2ヶ月後の私はどうなっているのだろうか。

今回思ったのは遅れた社会人の社会復帰の難しさ。
それと、精神疾患持ちの社会参加の絶望的な受け入れの無さだ。

それについては今度書きたいけど、それでも日本はまだ恵まれている、とも思った。

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