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ドラマ「トロイ伝説(第1話)」感想

概要

 ギリシア神話のトロイア戦争を描く、ネットフリックスオリジナルドラマ、全8話。

内容

 冒頭、出産シーン。他の部屋で眠っていたカッサンドラがお産の声で目を覚まし、炎上する都市の様子を予知する。
 タイトルを挟んで、牛飼いとして成長したパリス。群れからはぐれた子牛を追った先で神々と出会い、最も美しい女神を選ぶよう迫られる。 
 美しさを競っている筈なのに、堂々と買収を試みる3女神。最高の美女を提示したアフロディーテが選ばれ、ヘラとアテナは怒りに満ちた目でパリスを睨みつける。ヘラの叫びで巻き起こった風と共に神々は消える。
 海辺で鍛錬中の兵士から馬を奪い挑発するパリス。トロイでの競技会に参加することになる。トロイの王子を侮辱した咎でヘクトルと対戦することになるパリス。パリスが現れたことで気が気でないカッサンドラ。養父の登場でパリスの正体がトロイの王子アレクサンドロスであることがわかり、パリスは王子として迎えられる。パリスを王宮に戻すことに反対する神官は退けられる。
 パリスを城に戻してはダメだと訴えるカッサンドラと、生んだばかりのパリスを取り上げられた記憶に苛まれるヘカベー。
 初公務としてスパルタに派遣されるパリス。歓迎の宴で出会ってしまうヘレンとパリス。夜寝床を抜け出したパリスは、体調を崩して疲れていると退出したヘレンが、女ばかりでアヘンを吸っているところを目撃する。
 翌朝、突然スパルタ王女ヘルミオネとの縁談を告げられるパリス。ヘレンへの関心を隠さないパリスにアクタイオンの物語を引き合いに警告するヘレン。しかしヘルミオネとパリスが近づくと、間に割って入る。
 メネラオスに父親の訃報が伝えられ、スパルタ王はクレタへ出立する。
 ヘレンに袖にされたパリスは帰国しようとするが、嵐に阻まれる。その間に覚悟を決めたヘレンはパリスを受け入れる。一夜限りというヘレン、一緒に帰国することを望むパリス。パリスの提案を拒んだかに見えたヘレンだったが、トロイへの贈り物に潜んでパリスの帰国の船に乗り込む。

時系列的感想(ドラマを見ながら思ったこと)

 いきなりお産のシーン、音量注意だね、これは。
 カッサンドラ、幼いのに既に予知の力を持ってる。予知の力を得た経緯は、僕の知っているギリシャ神話と違っているもよう。(もしくはアポロンが幼女趣味か)
 成長したパリス、オイノネ登場。オイノネとの親密な関係を描写するのに、草っぱらの真ん中でいきなりヤる以外の描写はなかったのか?
 追っているのは牛。神話では羊飼いではなかったっけ?
 森の中で神々登場。3女神の他、男神が二人。一人は黒人の役者さんが演じていて、キャストを確認するとゼウスであるらしい。なかなか大胆な配役、あるいは昨今の風潮に迎合的なだけか?
 焚火から金のリンゴを拾い上げるシーンは、ロードオブザリングを思い出す。他にも何か似たようなシーンがあった気がするが思い出せない。
 ヘルメスから羊飼い息子のパリスだなと確認されるパリス、本人も羊飼いと自称するが、さっき牛しかおらんかったぞ。
 父(実は養父)との会話で、パリスとオイノネが正式には結婚していないことがわかる。
 浜辺での馬の曲乗りは、動物好きとしてはスタントを担当した馬をほめたい気持ちと心配する気持ちが同時におこる。
 競技会開催中のトロイ城内。格闘技を見ていた子どもたちが影響されて、その場で取っ組み合いを始める描写が細かい。
 ブラピの方の「トロイ」では弱弱しいおじいちゃんのイメージだったプリアモスが、こちらでは威厳たっぷりの王様然としている。
 ヘクトル、パリスを殺そうとしてない?
 パリスの別名アレクサンドロスを強調する作品は初めて見た。
 体を洗うため水をぶっかけられ縮こまっているパリスが可笑しい。パリスにしちゃムサい役者さんと思っていたが、ヒゲを短くしたらちゃんと美男だった。
 パリス自身には生後3日でオオカミにさらわれたと説明。まあ不吉な子どもだから捨てたとは言えないわな。
 感激するプリアモス王と王妃ヘカベー、戸惑うパリスの温度差。
 宴席にしれっと紛れてドヤ顔のアフロディテ。
 パリスを城に迎え入れてはダメだと叫ぶカッサンドラ。「最近は落ち着いていたのに」と完全に精神病扱い・・・。
 羊飼い時代の家族やオイノネを見送るパリス。古い生活とは決別ということか。
 初公務がいきなり他国への使節。お付きの人は有能なんだろうけど、「何をしたら」の質問に「自分で学べ」と、プリアモスも結構ブラック気質。まだ早いと言うヘカベー、自分も同行するというヘクトルの意見も退ける。後の展開を知っている身としては、オイオイオイと言いたくなることろ。
 三段櫂船より昔の小さいガレー船がちゃんと描かれているところは嬉しい。日除けがないと漕ぎ手は大変そうだ。
 宿舎として与えられた部屋で、壁画が消してあったのはどういう意味だろう?
 ヘレネーでなくヘレンと表記される字幕。通じるからだろうけど、この人だけ英語読みなのが気になる。ヘレンの衣装はいいのかコレ。
 パリスの好意を躱そうとするヘレンは珍しいかも。縁談相手のヘルミオネに母の話ばかりと文句を言われるパリス。気を取り直して娘もちゃんと口説く(笑)。
 死者のためヘレンが沐浴するシーンが長い。サービスシーンなのかと思ったが、これはパリスを受け入れるか否かのヘレンの逡巡の表現だったようだ。

視聴後の感想

 ヘレネー(字幕にあわせてヘレン表記にすべきでしょうが、慣れているヘレネー表記を許されたし)がパリスを受け入れるまでの描写に、第1話(約1時間)の後半30分をたっぷり使ったという印象。アフロディテの導きがあるので、一目で恋に落ちましたでも構わないところを丁寧に描写したな、と思います。
 望まない結婚、女性は自分の人生を選ぶ権利の無い時代という前提を強調する描写からの、アクタイオン(女神アルテミスの水浴を見てしまったため、鹿に姿を変えられ、自分の猟犬に食い殺された)を引き合いに出してパリスに警告するシーンとか、お!ちょっと違うな、と思わされました。

 ゼウスが黒人と言うキャストについては僕はそこまで思うところはありません。大胆なキャスティングだな、と思うだけです。後で出てきますけど、このドラマではアキレウスとパトロクロスも黒人の役者さんが演じています。自分とは違う人間を演じるのが役者というもので、違う性格、違う年代、違う人種、違う性別を演じるのに文句を言うべきではないと思っています。 

 第2話以降の感想はこちら
  第2話の感想
  第3話の感想
  第4話の感想

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いつになるかわかりませんが続きも感想を書くつもりです。
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