理想の図書館
東京で新設される図書館で、吹き抜けの壁面に見上げるばかりの巨大書架が設置されて、「実用的じゃない!」と批判されているようです。
Twitterの写真を見てみましたが、わからないではないです。見上げるような高層書架は本好きのロマンという面はあり、たぶん実物を見れば「おおー!」と思うのでしょう。一方で、やはり本は読むもの、副次的に装飾としての機能を持ってもいいけれど、装飾としてのみ扱われる書物は虚しい。その虚しさは飾られている本がダミーでも同じ、というかダミーなら一層虚しいとも思えるのです。吹き抜けの壁面が一面書架の魅力というのも、やはりキャットウォークなどがあって全ての本が手に取れてこそ、だと思います。ある程度の高さまでなら、ヴィレッジヴァンガードの本店にあったような、可動式の梯子なんてのも素敵ですが、40代も半ばになると「いずれ登れなくなる」という思いが・・・。
さて書架を装飾として扱うことには拒否感を感じつつも、吹き抜け+書架の魅力を否定できないのは僕自身がそういう妄想をしているからでもあります。
比較的よく行くショッピングモールが細長い吹き抜けの建物の両側に、通路とお店が並んでいるという構造で、ここへ行くたびに「これが図書館だったら」と想像します。「この両側のお店が全部、書庫だったら」「お店ごとに仕切られているのが、ジャンルごとのコーナー」「エントランスの壁には、フェルメールの『地理学者』と『天文学者』を高さ2.5mくらいに引き伸ばした壁紙を使おう」「エントランスの中央には通路、その両側にはガラスケースにロゼッタストーンのレプリカと、グーテンベルク聖書のレプリカを展示しよう」「ラファエロの『アテネの学堂』も欲しいが、壁面は書架にしたい。いっそ建物の外壁に大きく!」「食堂はフードコートをそのまま・・・?いや本を持ち込ませないためには、1階に隔離した方が・・・」
家族の買い物の間、そんな空想で時間をつぶしています。というお話でした。トップ画像は久しぶりに「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。ストックホルム図書館だそうです。
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