小ネタ 僕が「スパゲッティをパスタと呼ぶのは気に入らない」という考えを改めた理由

 スパゲッティを「パスタ」と呼ぶのが嫌いでした。「だった」です。過去形です。
 なぜ嫌いだったかと言うと不正確だから。だって「パスタ」と言えばマカロニもあればラビオリもあればニョッキもラザニアもあるわけで。「パスタ食べたい」と言った時にマカロニグラタン出したら、文句言わないか?と思うわけです。特にイタリア語のパスタは英語のペーストに相当する言葉で、歯磨き粉や靴墨のチューブでもパスタという言葉を使うことがあると知ってからは、なおさらスパゲッティ=パスタみたいな使い方は嫌いだという気持ちは強くなっていきました。

 ところがです。ある時、僕はスパゲッティを茹でていました。その時、ふと「厳密に言うとこれ、スパゲッティより細いかも」という思いが頭をよぎりました。続いて「これをスパゲッティて呼んだときに『おう!それはスパゲッティじゃねぇ!カッペリーニだ!』とか言われたらムカつくだろうな」と思ったのです。その瞬間、心の底から「じゃあ、『パスタ』でいいやぁ」という思いが沸き上がってきました。
 驚きました。ここまで一瞬にして、しかも自ずから自分の価値観が真逆に変わってしまったのは、初めての経験だったのです。

 今でも自分からパスタという言葉を使うことはあまりありませんが、他の人がスパゲッティを指してパスタと言うことに拒否感はなくなりました。

 タイトルに「小ネタ」と入れた通りこれだけのお話なのですが、自分としては大きな体験でした。


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