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儀式 | daily

儀式というのは集団の協調のために役に立つと言われております。儀式自体に意味があるというよりは、儀式を通じて集団の和を育むという感じでしょうか。最近何かと協調性を欠きがちな世界ですが、同じようにマスクを着けたり、手を洗ったり、うがいをしたり、といった共通の様式に則った行動を取ることで少しずつでも協調性が醸成されているのではないかという気がいたします。しばしば笑いのネタにされてしまう北朝鮮のマスゲームのようなものも、北朝鮮内部では恐らく真面目にやっているひともいるでしょうし、それによって育まれている集団の摂理というものもあるのだろうと推察されます。日本でもオリンピックをめぐる一連のゴタゴタで悪い意味での協調行動が見られたのではないでしょうか。

ある種のシャーマニズムというものが政治の場において重要だったのは、その呪術的な振る舞いにより天啓を受けることよりも、その芸術的かつ人の注目を集め魅了するという幻惑的な側面に価値があったのだろうと思われます。いや、実際に占い師の言葉で会社の方針を決めたり政治の判断をしている人もいるらしいのでそれだけではないのかもしれませんが。少なくとも、ある集団の前において公開される呪術的な振る舞いというものは、その一連の儀式に参加するものに、連帯感を生み出すというところに意義がある、ということを言いたいわけです。つまり、誰が偉いのか、とか誰が仲間なのか、といった関係性の明示化です。

これはテクノロジーが普及した現在においても変わらず、規模がグローバルになっただけで、儀式の意味合いというものは相変わらず協調行動や連帯を生み出すため、ということです。アーティストのライブ然り、スポーツの祭典然り。というわけで、何はともあれ、それを見聞きし、人口に膾炙されるというそれこそが儀式においては重要なわけで、実は内容というのはそれほど重要ではなかったのかもしれませんね。

本の紹介です

Weeklyというのもあるよ。

dailyの方は文字通り日々気軽に読めそうなライトなものを、そしてWeeklyの方は有料というだけあって内容の充実ぶりはDailyの比ではありません。バック・ナンバーも100号を数え、どこから読んでも何かしら得るものがあるはずです。
というか、読んでないなんて信じられません。よろしくお願いいたします。
そして主宰うでパスタとキノコによる対談というかおしゃべりが聞ける特典付きです。


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