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Inkhorn Brewing(東京・目白)

 インクホーンとは、動物の骨で作られたヨーロッパのインク壺こと。言葉や物語がインクから紡がれることをイメージし、インスピレーションの源泉として社名に採用したのが、Inkhorn Brewingです。

 2021年の創業以来、アロマティックでトロピカルなスタイルを次々に発信し、着実にファンを増やしてきたInkhorn Brewingは、いまでは都内有数の人気レーベル。
 しかし、オーナーブルワーの中出駿さんは、自身の真骨頂について「クリアなビール」であると語ります。

「ヘイジーもいいですけど、日頃から意識しているのはクリアなビールであること。たとえば2年前に考案したNEON PILSというスタイルは、すっきりとクリアだけど、ちゃんと香りがあるビールを狙ったものです。ざっくり言えばホッピーなピルスナーですね」

 なお、中出さんは中学卒業後に早くも日本を飛び出し、アメリカに留学。長い海外滞在の中で出会ったのがクラフトビールの文化であり、創意工夫に満ちたラインナップが全体的に欧米的なのも、そんなルーツにあるのかもしれません。

 最近はイベントへの出店は控え気味のようですが、それでも豊島区内にある醸造所はフル稼働。リリースされたビールは数分を待たず、あっという間に売り切れてしまう人気ぶりのため、調達に大変苦労しているのが「ビビビ。」の裏事情ですが……、そんな苦労も吹き飛んでしまう、脳に直接訴えかけてくる美味さがInkhorn Brewingの醍醐味なのです。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉


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