平成残滓。


因果応報。

一つのドキュメンタリー番組が衝撃を与えている。

「先進国から脱落寸前の衰退途上国家・ニッポン」
「所得は右肩下がり、負担は右肩上がり」
「全てにおいて安くなり、現状の生活水準を維持する為に買い叩かれるニッポン」
相変わらず、危機感を煽る為のセンセーショナルさを煽るNHK。

だが、オッサンからの視点は完全に醒めている。

バブル崩壊、日本の安全神話の崩壊の魁となった阪神淡路大震災とオウム真理教による一連の事件、アジア通貨危機、消費税率引き上げ、山一証券の破綻、「都銀は破綻しない」という神話が崩壊した北海道拓殖銀行の破綻、等々…

閉塞化していく中にあって、当時の選挙民の多数派が選択したのが「自民党をぶっ壊す!」と言いながら私怨で「政治とは生活である」と言った政治的末裔たちを派閥抗争で抹殺し、国民生活を破壊していったカイカク路線である。

当時は「カイカクで生活が良くなる」と無邪気に信じ込まれていた。両親も祖父母も、およそ当時の選挙民の過半数はその幻想を信じ込んでいた。
(なお、非選挙民であるワイは醒めていた)

彼らは同時にかのような事も言っていた。

「イマドキの若者(当時)は恵まれすぎている!」
「日本の若者(当時)にはハングリーさはない!」
「中国や韓国の若者たちのハングリーさを見習え」
「若者(当時)たちはもっと苦労をしろ」

そして、若者(当時)は現在は『ロスジェネ』としてあちこちに呪詛を振りまいている。彼らの多くは、無縁遺骨という末路が確約されている。
(オカルティストではないが、ガチな話彼らの呪いを鎮める、という意味で国家政策の間違いの結果犠牲者となった彼らにロスジェネ神社とかロスジェネ明神とかロスジェネ慰霊塔みたいなのを作らないとダメなんじゃないかと思わなくもなかったりする)

はっきり申し上げるならば、今の苦境は30年くらい前からせっせと日本人の多数派が勤勉に作り上げてきた結果である。

「若者はハングリーさが足りない」というんで金回りを悪くした、「勉強ができないヤツが儲かっているのが気に食わない」という結果が学校歴社会、誰でもできるエッセンシャルワーカーの貧困化

ネタバレでも何でもない、当然の結果である。


「地方で子育て」に騙されるな。

「子育て環境が整っている地方で子育てしよう」なんて煽る意見もありますが、子供の将来を考えるならば、絶対に言う事は聞いてはいけません。

何故なら、比較的所得の低い地方で生まれ育った子供は、比較的所得の高い都市部で生まれ育った子供と比べて、一世代では覆しようのないレベルのハンディキャップを背負うからです。

さらに言うと、『多様性』に出身地域・社会階層・学歴は含まれません。

繰り返します。

『多様性』に出身地域・社会階層・学歴は含まれません。

田舎に生まれりゃほぼノーチャンス。

地方都市に生まれてもワンチャンあるかどうか。
そしてそのワンチャンの大半は理系科目ができないと掴めない。

かたや、政治的にも多数派になった都市部の子育て世代からすると、「田舎者に教育をアタエテ成り上がられるのは困る」のがホンネだ。


地方で育った子供たちの末路

では何故、政府から財界から言論人まで総動員して「地方で子育て」の大合唱であり、今頃になって未曾有の少子化対策を打ち出したのか。

それは、使い潰せる日本人低賃金エッセンシャルワーカーの絶対数の不足が露見しており、そこに低学歴に押し込めやすい地方出身者をあてがいたいからだ。

はっきり言って、「女をあてがえ論」よりも醜悪である。
だが、この「職のあてがえ論」、「女をあてがえ論」に反論するフェミニストほど無自覚なのは本当に面白い。
また、この「職をあてがえ論」は容易にMMTのJGP論に絡め取られる。

与党野党に関わらず、政財界のみならず産業界も学術業界も報道業者も、おおよそ大体の日本のトラディショナルなエスタブリッシュメントの多数派の人口政策はこうだ。

「今後20年は、これまで通りロスジェネを使って誤魔化して、その間に未曾有の少子化対策を打って日本人の低賃金エッセンシャルワーカーを増やす。ロスジェネは自然に淘汰されるし、社会保障によりかかるだけの役立たずの高齢者になったら経済的に処分すればいい

繰り返します。

ロスジェネは自然に淘汰されるし、それ以降のエッセンシャルワーカーは社会保障によりかかるだけの役立たずの高齢者になったら経済的に処分すればいい

事実、既に政府は数十年先の為に先手を打っている。
政府に入り込んで完全に上がりポジションの某政商兼経済学者は「日本人は死ぬまで働き続けることになる」という予言(という名前の目標現実化)をしているし、その弟子であり尖兵はウッキウキで「これから貧乏な高齢者をどんどん処分していきまーす!!」とにこやかにツイートかましている。

このお嬢様育ちの政治芸人はガンギマリで世代間格差の是正を訴えているが、実際にこのお嬢様政治芸人が見ている高齢者というのは大体が「一定階層以上の高齢者」であり、やろうとしている政策の結果損をするのは間違いなく「中流以下、地方在住の高齢者」だ。

Twitterで「目線が違う」というのはこの意味だ。

そして彼女は確信犯で、目線の違いを利用している。そして、目線の違いによる想定される悲劇を指摘したら、頭ごなしに否定する。
「そんな事はありません」「そんな事は、ワテクシめは考えてもおりません」と。

そりゃてめぇはそのような悪意とは無縁だろうが、てめぇの考えた「さいきょーのせいさく」とやらで動く人間全てが悪意とは無縁だとは限らないだろうが。

生まれも育ちも都市部のインフルエンサーたちに騙されるな。

ヤツらは自分のインセンティブの為に、他人の人生を食い物にしようとするリヴァイアサンそのものなのだ。

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