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オンライン料理教室で伝えてみたいこと

コロナ禍で始めたオンライン料理教室も気づけば丸々4年が終わろうとしている。
始めた頃は試行錯誤が続いていたが、一日に開催する数も3回から4回に増え、様々な企業や団体からも貸切の依頼まで来るようになった。スパイスを使う料理やスパイスから作るカレーは常々「香り」が大事だと伝えきたので、その香りの立ち方や、どのような香りがしてきたら次の材料を投入するのかを伝えるのがオンラインだとどうしても難しいなと思っていたのでオンライン料理教室ではなるべく言葉で色々なものを補えるように開催中一時間はずっと喋っているように心がけてきた。香りの出方、スパイスの加えるタイミング、玉ねぎの炒め方、水分の加え方、材料の切り方を言葉で伝えていくにつれ、自分の中での疑問点や、納得しているポイントなども浮き彫りになってくるようになった。

 季節の食材を使うように、毎回新しいレシピを紹介しながらの開催が36回目を迎え4年目の37回目を開催するとにきには季節の食材を使ったり、新しいレシピを紹介するだけではなく、そのレシピ、そのカレーの中にある学びの要素をもっと深く伝えることで受講者の方々に一度のカレーの作り方を知るだけで、その後のカレー作りの幅や楽しさが広がるように工夫してみることにした。37回目、伝えることを工夫した時にテーマにした学びの要素は「スパイスの香りの活かし方」であった。テーマが決まるとそれをどのように伝えるか、どのようにレシピを組み立てていくと伝わりやすいかを季節の食材を通して研究するようになったので私が勉強になることがとても多かった。スパイスの香りの活かし方の次は使うスパイスの組み合わせや配合をテーマにカレーを作ってみたり、スパイスをローストしてガラムマサラを作ってみたり、フレッシュなハーブやスパイスとドライなスパイスの組み合わせなどを学べる会を開催することもできた。スパイスのことを一通り伝えることができたら、次はカレー作りに欠かすことができない材料の活かし方をテーマに料理教室を開催していくことにした。玉ねぎ、トマト、ヨーグルト。酸味、旨味に出汁の活かし方をテーマに開催した会もあった。

 一つ一つのテーマを深掘りにしていくことによって、私自身が知っていることや、知らないことが浮き彫りになり、それをさらに学ぶ機会になってきた。インド料理の中の酸味をテーマにした時はインド全土の地域によっての酸味の種類やその活かし方が勉強になり、酢の重要性やその歴史およびインドでの歴史も勉強になった。

 美味しいカレーを4人前作るだけではなく、それぞれの調理のポイントを深く、広く知ることによってスパイスを日常的に使う楽しさがもっと広まっていけばとても嬉しいなと思っている。

 来月のオンライン料理教室のテーマは「ハーブの活かし方」である。ハーブを意識して日々過ごしてみると、我々は草花の中に暮らしており、それらをより生活の中に落とし込めると料理の世界やカレー作りの世界の広がりはもはや無限大だと実感してくる。

 

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