ターメリック 〜神聖な土〜
タミル語ではMANJAL、ヒンディー語ではHALDI、日本語ではウコンと呼ばれインド料理には欠かせないスパイスがターメリックです。
このターメリックという言葉はもともとラテン語のTERRA MERITTAが語源なのだとか。意味は「神聖な土」。
その名の通り土の中で育った根の部分を乾燥させ粉状にしたものを良くインド料理では使います。少し苦味がありオレンジ色に近い黄色をしていることが多いですね。
ターメリックが歴史に登場するのは約4,000年も前らしくアーユルヴェーダの文献には紀元前500年前から載っているのだとか。もともと食用で使われていたか、染色の材料として使われていたかは定かではないそうです。
昔から様々な効能があるとされターメリックを燻して喉や鼻の詰まりを解消させたり、ターメリックをペーストにして肌荒れの治療に使ったり、生のターメリックを絞って傷口などにつけて手当してきたそうです。
たくさんの効果効能があるターメリックですが、ターメリックに含まれているクルクミンと呼ばれるポリフェノールの一種がとても良いと言われていて、アーユルヴェーダや中国伝統医療では
・消化促進・肝機能促進・関節炎の痛みの解消・殺菌効果・抗アレルギー作用・解毒作用・月経調整などに効果があると言われています。
良く沖縄のウコンで春ウコン、秋ウコンなどと聞いたことがある方も多いと思います。
秋ウコンの方が春ウコンよりクルクミンの量は多いそうで一般的にターメリックと呼ばれているのは秋ウコンの方をさすそうですね。
最初にも書いたようにターメリックはインド料理には欠かせないスパイスであり、遥か昔からその効能を活かし様々なものに使われてきました。
様々なスパイスミックスをブレンドする時にもターメリックが入ることが多いのですが、効能があるから入れているというよりターメリックが入ることによってスパイスとスパイスの間を取り持ってくれるような気がします。
料理を作るときにもターメリックが入ることによってその他のスパイスをつなげて味にバランスを作ってくれるような気がします。
世界のターメリックの8割をインドで栽培しているらしく、特に南インドではその内の6割のターメリックを栽培しています。タミルナドゥ州、ケララ州、アンドラプラデッシュ州のターメリックがとても有名でデリーやムンバイなどにあるスパイスマーケットでもこれらの地方産のターメリックが並んでいます。どれも香りが良く見事な黄色をしているものが多いです。
様々なターメリックを見てきて、使ってきましたが数年前に南インドでオーガニックコーヒー農園を営む友人が彼のキッチンで彼の友人が北東インドで作っているターメリックパウダーを見せてくれました。見せてくれたターメリックは黄色というより少しオレンジ色をしていました。香りを嗅いでみて今までにない深い香りにびっくりしました。ターメリックは南インド産が一番良いと思っていた私は、まだまだ知らない、知られていないターメリックがインドにはあることにワクワクしました。そしてぜひ北東インドに行ってそのターメリックを見に行ってみたいと思いました。
そして今年(2020年2月)に北東インドに「幻のターメリック」があることを見つけ行ってきました。
この話は次週に。
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