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聖ヴィヴェーカーナンダと親鸞上人の決定信
インドの聖ヴィヴェーカーナンダは万国宗教会議で一躍時の人となった素晴らしい宗教者であるが、彼の言葉の中に大変感銘を受けたものがある。
それが次のような発言である、
私は政治の馬鹿げたこととなんの関わりももちたくない。私はどのような政治も信じない。神と真理だけが世界の政治である。他のいっさいは虚無である。(一八九五年九月七日)
上記の聖ヴィヴェーカーナンダの神に対する決定信が窺える。神と真理だけを支柱とするのだという凄まじい信仰心で、完全なる絶対他力である。
少し偏った考え方に見えるが徹底しているところが他の追随を許さない宗教者としての決意が垣間見えて思わず唸ってしまう。
この聖ヴィヴェーカーナンダの言葉から日本の親鸞上人の言葉がふと思い出される。
親鸞上人の語録である『歎異抄』に、
善悪のふたつ、一切存じません。そのわけは、ほとけのお心でよしと思召すほどに知りつくしたのならばこそ〈善〉ということを知ったと言えよう。また、ほとけがわるいと思召すほどによくわきまえた上ならばこそ〈悪〉ということを知ったとも言えようが、煩悩にみちた私たちと、このあてにならない世の中とでは、すべてが、どれもこれも、そらごと・たわごと、真実というものはない。ただ念仏だけが真実なのです。
親鸞上人は世間の善悪は煩悩にまみれた凡夫の判断であってすべてはそらごと・たわごとで真実ないとして、尊敬されている聖徳太子がおっしゃる「世間虚仮 唯仏是真」を掲げておられる。
聖ヴィヴェーカーナンダと親鸞上人の鬼気迫る宗教的態度に唯々驚きを隠せず合掌してしまう自分がいる。
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