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「働く」とは何か?~Beyond VET 2021 Vol.2 開催報告(後編)~

こんにちは!Beyond VET事務局です。

前半に引き続き、6月末に行われたイベントの活動報告です。このnoteでは労働基準法とワークショップについてまとめています。
イベント前編noteはこちら👇

労働基準法を知るべき理由

「自己実現」、「お金を稼ぐこと」などなど、みなさんが働くにあたっての考えを持っていると思います。しかし、それは社会のルールの中で成立させなければなりません。そのルールを知っておくことは、みなさんの働く目的を達成する上で重要になります。

労働基準法とは?

日本国憲法第27条第2項の基づき1947年に制定された、労働条件の最低基準を満たす法律。労働者が持つ「生存権の保証」を目的とし、労働契約、賃金、労働時間、休日および年次有給休暇、災害補償、就業規則などの項目について、「労働基準としての最低基準」を定めています。

労働基準法クイズ

労働基準法の中で知っておくべきことをクイズにしました!
ぜひ挑戦してみてください!(答えと解説は問題のすぐ下に掲載していますので、問題のところでスクロールを止めて考えてみてね!)

第一問
36協定を結ばずに、残業させていいのは何時間まで?
1.1日1時間、1ヶ月20時間以内
2.1日3時間、1ヶ月30時間以内
3.1日の上限なし、1ヶ月45時間
4.残業禁止


第一問答え: 4

36協定とは、法定労働時間を超えて働かせるときに必ず従業員と雇用主が結ばなくてはならない協定のことです。
36協定を結んでいない状態では、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を1分でも超えて残業させてはいけません!!

基本条項と特別条項(繁茂期などにおける特別措置)は以下の通りです。

基本条項: 
1ヶ月の残業は45時間以内、年360時間以内
特別条項: 
① 時間外労働が年720時間以内
② 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
③ 時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」
 「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内
④ 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度


第二問
条件
出勤時間8:00 退勤時間21:00 昼休憩13:00〜16:00
昼休憩中は診察・オペはなくかかってくる電話対応・急患対応のみ
問題
この場合の勤務時間は何時間でしょう?また、この人が時給1000円で勤務している人の場合、1日の給料(額面)はいくらになるでしょうか?


第二問答え:  勤務時間:13時間 日給(額面):14,250円

休憩時間とは、使用者の指揮命令の支配下から完全に解放される時間です。
つまり、休憩してOKだよ!でも、急患きたら診てね!電話は取ってね!は
急患が来なくても、電話がかかってこなくても休憩時間ではありません。

また、法定労働時間は1日8時間、週40時間です。これ以上働かせた場合は
時給×1.25の残業代を支払わなくてはいけません。
解答としては、13時間労働のうち、5時間は法定外労働時間となるので、
1000×8+1000×1.25×5=14250(円)となります。


第三問
第2問の労働環境(出勤時間8:00 退勤時間21:00 昼休憩13:00〜16:00
昼休憩中は診察・オペはなくかかってくる電話対応・急患対応のみ)が
週5日1年間続きました。これは違法ですか?合法ですか?


第三問答え: 違法

36協定の特別条項にも違反しているため違法です。


第四問
以下の求人票で違法な部分を見つけてください。

給与 新卒:28万円(見込み残業,各種手当込み)
   経験者(3年目以上):35万円〜(見込み残業,各種手当込み)
休日 週休2日制
有給 有給法定通り付与(昨年の取得実績4日/年) 有給もしっかり取れます!
所在地 東京都江東区3-2-14


第四問答え:
見込み残業の条件が書かれていないことと、有給が4日/年であること

まず、見込み残業(=みなし残業、固定残業)とは以下の通りです。

本来「みなし残業」とは、業務の遂行方法が大幅に労働者の裁量に委ねられる一定の業務に携わる労働者について、労働時間の計算を実労働時間ではなく「みなし時間」によって行うことを認める裁量労働制に基づいた時間の概念です。
一方、「固定残業」とは、一般的に基本給や手当(固定残業手当等)に、
一定の時間外労働相当分(例えば月20時間)に対する割増賃金(残業代)を
支払っておくという賃金の支払方法です。


つまり、固定残業(みなし残業)は必ず○○時間分で〇〇円と表記しなくてはなりません。また、固定の残業時間を超えた分は支払う義務があります。

また、年10日以上有給休暇の権利がある従業員について付与された有給は1年以内に5日間取得させるのが使用者の義務です。

(参考)
週休2日制とは1ヶ月のうち1週間以上、週休2日の週があること、完全週休2日制とは毎週週休2日であることを指します。

ワークショップ

今回は「ねえ、将来どうするの?」をテーマに、運営だけでなく、参加者同士が自分が進みたいと思っている進路や、その理由について深堀りし、働くにあたって、自分の軸をより明確化するワークショップを行いました。

このワークショップや転職エージェントの在田の話をふまえ、「働くこと」について、どのような意識の変化があったのか、参加者の声をまとめました(一部)。


・自分の好きなことを諦める必要はない
・自分がやりたいことを明確にしてれば頑張れる。
・働くことは自分の選択次第で、何にでもなる!
・社会への貢献を考えること。
・なぜこの職業を選んだのかを常に意識していきたいなと思いました。
・お金を稼ぐだけでなく、自分の答えと合致した仕事を選ぶことも大切だということ
・働くにあったって、したい事って言っても、色んな形があるんだなって思いました。自分のペースを見つけられたらいいなと思っています。
・働くことはやはり不安ではあるが、不安要素(収入ややりがいなど)との向き合い方次第で何かが自分の中で変わるのかなと思った。仕事に対しての自分の原点を見失わない、それだけは明確にしておくことを大切にしていこうと思う。


今回は「働くこと」について、転職エージェントや現場経験が豊富な獣医師の目線からお話させていただきました。
自分の軸や生き方は決してすぐに決められるものではありません。自分と向き合い、自分の中の譲れないものやワクワクするものが何かしっかり考えることが大切です。一人ひとりに必ず正解があります。
今回のイベントやこのnoteが何か一歩前に進むきっかけになれば嬉しく思います。


次回イベントは8月中旬を予定しています。詳細は後日、SNSやこのnoteで発表します。その間、コミュニティ内でのイベントをメインに行います。

このようにBeyond VETはイベントも行っていますが、コミュニティとしても運営しております。ちょっと興味あるな!雰囲気だけでも知りたい!って方は、Beyond VET公式TwitterまでDMいただくか、beyondvet.info@gmail.comまでメールでご連絡ください。個別に対応させていただきます⭐️

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