見出し画像

面白いったらありゃしない

大胸筋のトリガーポイントをひとつひとつ解いていったら、この1か月つきまとわれていた膝の痛みがほぼ消滅したという、身体の構造の面白さにまたも驚かされました。

そもそもこの膝の痛みと症状は、反対側の膝で経験している半月板損傷ととてもよく似ていて、各種検査方法でやってみてもほぼクロ(とはいえ、どの検査方法も100%ではないし、まして自分でやっていれば誤差率はさらに上がると思われます)。思い当たる節が全くなかったわけでもないものの、あれでそこまで?という感じで、なんとも腑に落ちていませんでした。

半月板がらみに有効な実証済みの手技もどれもいまいちぱっとしないし、パンデミック前のような体を酷使する生活をしていないので、たっぷり休ませているはずなのに、やっぱり使わな過ぎの方が使い過ぎより良くないのか、と感じるほどに芳しくない。重い腰をようやく上げて、最近見つけた、興味深いアプローチをするらしい鍼師のトリートメントを予約したところでした。

起きていると身体が辛くて横にならずにはいられないことが最近特に多くて、ロックダウンで仕事ができないのを良いことに、横になってぼーっとしていることが良くあります。その時によっては何かを観たり読んだり、気が向けば瞑想をしたり、セルフレイキをしたり、セルフトリートメントをしたり。

でセルフトリートメント、というか、これは大抵やろうと思って始めるというよりは、なんとなく手が身体のどこか、多分無意識で不快感のある場所にいき、気づくと触診をしているという感じです。そして、そういう場所には大抵痛みを伴う不調の芯みたいなポイントがいくつかあるので(そして、なんでここが痛いの、と驚く)、そのポイントのひとつひとつにしばらく指先を置いたまま、圧を加えたり加えなかったり、ということをしているとその芯が溶けて、痛みもなくなり、可動域も広がる、というようなことをしています。ある種のトリガーポイントセラピーみたいな感じでしょうか。

今日もまた、ああ勉強しなきゃ、と思いながらも身体がしんどくなってきたので、私の部屋の中で1番日当たりの良いベッドの上でゴロゴロしていたら寝落ちしてしまい、その起き抜けに、気付いたら大胸筋の起始周辺のトリートメントをしていました。しかも痛い(sore)スポットがいっぱいある。

私は自分の体に関しては、どうも大きな筋肉にあまり興味がないというか、小さな筋肉ひいきなところがあって、小胸筋はけっこう良く手当てをするものの、大胸筋は「大きい子は放っておいても大丈夫」的にほぼ無視でした。だからsoreスポットがいっぱいあったのにはちょっとびっくり&放っておいてごめんね、という気分になりました。

そんなわけで、「うおー、なんだここ」と軽い圧なのに、強烈なセンセーションを感じながら、だいたい網羅したかなというところで一旦終了。お茶をいれにキッチンへと向かうと、膝が、というか脚全体が力強い。え、もしかしてヤツ(大胸筋)だったの?

もしやと思って、そっと捻ってみても平気っぽい。ちょっと前までは1mmも捻りたくなかったのに(膝関節はそもそも捻られるのがあまり好きではないので、なんでもないのにわざわざ捻ったりしない方が良いです)。なんなら明日の鍼の予約、必要なくなったかもと思うほどの安定感。

これ、心当たりが全くないわけでもないのです、実は。違和感が出始めた頃、乗っていた踏み台がバランスを崩して、どこも打たなかったものの、近くにあったダイニングテーブルに支えられる形で落ちました。人間はとっさに心臓や脳を守るために身体を丸めるので、大胸筋が一気に収縮したという可能性はとても大きい。そしてそういうトラウマは身体に残りやすいので。

しばらくスクワットしてみたり、色々、痛くてやりたくなかった動きをしてみては、まじか、、、とだんだん笑えてくる始末。身体は全身膜で覆われていて、どこもかしこも繋がっているので、決して不思議なことではないのですが、この大胸筋と膝の関係は、今まで経験したことも聞いたこともなかったので、しばし呆然としてしまったのでした。

先週のカンファレンスでさらに興味を持った、身体のテンセグリティ構造をこんな形で体験するとは。もう面白いったらありゃしない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?