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年越しメロン日記

松浦みるです。
執筆中の本日は1月2日。あけましておめでとうございます。

「喪中につき新年のご挨拶は控えさせていただきます」という文章に今年も緊張している。
みんな知っていて私は知らない常識〜!
親しい人は知っていて私は知らない事情〜!
その人にとってどういう存在の人だったのか、今どういう気持ちなのか全然分からないけれど、喪中というひと言で突然あなたの状況が表されて、ドキドキする。喪中はがきに書いてあった文章は、1月1日にTwitterで見かける文章になった。

『斗起夫』場当たり中。共演者のさくらさん撮影
終演!

そういえば大学を卒業してから、「みんなが知っていることを私は知らない…!!」とびびり続けている。特に冠婚葬祭について、その知らなさに突然耐えられなくなったのか、2022年1月8日に私は楽天で数珠とダミー真珠ネックレスとブラックフォーマルバッグレディース用を購入している。別に必要になりそうな状況だったわけではないし、結局1年経った今も使っていない。

喪中は「おめでとう」と言うことを避け、おせちや正月飾りも控えるらしい。びびったのでネットで調べた。冠婚葬祭について私が知っているのはネットの情報でしかない。【喪中の過ごし方】サイトの最後には必ず「故人を思う気持ちが大切」と書いてある。
分からない。分からないくせに今年の正月も親戚祖父母親兄弟に会わないことを選んだ私は、東京で幸せな年末年始を過ごした。

あけましておめでとうございます。


12/30(金)
公演最終日。千秋楽のステージは12時開演で、アフターイベントなどなどを終え劇場のばらしが18時ごろ終わる。劇団員さんたちは作業のため劇場に残り、テクニカルスタッフさんは機材の搬出へ。俳優は先に劇場解散。おつかれさまでした。
北千住の銭湯『梅の湯』に行く。ばらしが終わったら銭湯に行くというルーティーンは、学生のとき演劇サークルで身についた。メイク道具や持ち寄りの小道具、いただいた衣装やケータリングのお菓子をスーツケースにいれて持ち帰る。『斗起夫』のラストシーンで使われたメロンを、なぜか私がもらった。
なぜかって、いる?って聞かれて、いる!って答えたからだけどさ。重たいメロン。嬉しい。

12/31(土)
洗濯機をまわす、まわしたところで体が動かなくなって寝る。銭湯で髪を洗っていないけど、メイクが落ちているという最強の状況にドヤ。
16時半に起きる。シャワー。白米。梅干し。コーヒー。コーヒーを飲みながら終演のご挨拶投稿を作成する。それを「終演ツイート」と呼ぶくらい、演劇の情報はTwitterに集中している。私は今回初めて、Instagramに投稿してTwitterにシェアする、という形にしてみた。長文とたくさんの写真を載せることができて、自身の感覚にあっていたと思う。もちろんそもそも、終演ツイートしなくたっていいのにね。
いいねの数は当たり前に気になる。

お片付けをして、21時にお家に人を招いた。鍋の材料を買ったのに、パスタとピザとポテトサラダとポテチと鈴カステラとガトーショコラでお腹いっぱい。23時から佐藤佐吉賞2022ノミネート発表生配信を見る。友達や後輩の名前が出ると歓声をあげ、先輩やお世話になった人の名前が出るとうなって頷く。大きな拍手をしながら聞いていたら0時になりそうだったので、オーケストラのテレビ番組に変えた。

1/1(日)
あけましておめでとうございます、今年もそして今後ともよろしくお願いします、と言う。一緒に年越ししてくれてありがとうございます、とさらに言う。これはこの日何度も口にする。日付越えたからやる気出して鍋作る。メロン4分の1を切ってテーブルへ、座組グループLINEに「熟れてます!!」と報告。狭いお部屋にありったけの布団を敷き詰めてそれぞれ寝たり起きたりする。
気づいたらテレビはシューイチになっていて、年越しそば用に買ったお蕎麦とメロン4分の1を朝ごはんに。みんなで顔パックしながらめちゃくちゃ演劇の話をする。
芸能の神様がいる神社に初詣に行く。
空いている。
初詣で甘酒を飲むという目標の達成に立ち会えて光栄。
おみくじを引いたら、一緒に行った3人全員大吉。え、え、えーーーーーーーー!大吉が多い系の神社ですかあ?とまわりの人のおみくじをチラ見し疑ってかかる。3人大吉はたぶんちゃんとすごい。
ルノアールで再びめちゃくちゃ演劇の話をする。

夜はご近所さんをお家に呼びつける。だってメロンがまだ半玉も余っているから。生ハムと寿司などを持ってきてくれた。ガラスの仮面ごっこをして、熱海旅行の予約をした。メロンはやっぱり食べ終わらない。

1/2(月)
朝メロン生ハム巻き。やっと1玉食べ終えた。
バイト終わりにシフト一緒の同僚さんたちと初詣Vol.2。おみくじをひいたら大吉。わ、わ、わたしは最強ーーー!

今演劇をやっている人で、
SNSで自分の態度を表明し宣言をすることと、無関係でいられる人はいない。
このnoteで初めて、あけましておめでとうございますとネットに放った私は、それを言うべきでない状況になったときどういう選択をするのだろう。どれほどの選択肢を知っているのだろう。


どんなに気持ちがこもっていても、言葉を尽くしても、責任を持っても、
そしてどんなに気持ちがこもっていなくても、自分の言葉でなくても、沈黙しても、

この場所で私が文章を書けるのはあと3回!

今年もよろしくお願いいたします。



松浦みるの記事はこちらから。
https://note.com/beyond_it_all/m/md4021287af87


読んでくださり、ありがとうございます。 このnoteの詳細や書き手の紹介はこちらから。 https://note.com/beyond_it_all/n/n8b56f8f9b69b これからもこのnoteを読みたいなと思ってくださっていたら、ぜひサポートをお願いします。