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外で得た気づき

皆さんこんにちは。
穂の国とよはし芸術劇場PLATの石田晶子です。

ここ最近は、温暖な豊橋でも雪が降ったり、寒い日が続いています。
2月と言えばバレンタインですが、冬将軍もチョコが食べたくて荒ぶっているのでしょうか。私もチョコレートは大好きだけど、今年こそはあまり食べすぎないように心がけている真っ最中です。(貰えるならば、喜んで食べます。)

1月2月は出稼ぎつづき

さて、私は普段、愛知県・豊橋駅直結の穂の国とよはし芸術劇場PLATで働いているのですが、1月末から2月頭にかけては、自分の本拠地ではない文化施設での出稼ぎ公演を続けて担当していました。
そもそも私は、豊橋市から劇場の指定管理を任されている(公財)豊橋文化振興財団という団体の職員としてPLATの企画・運営を行う事業制作部に属しているのですが、建物のキャパシティや構造上、PLATでの上演に向かない公演を行う際などは、他の施設に出張しに行くこともあるのでした。


inc. percussion days 2022 in TOYOHASHI


豊橋市出身で、世界的に活躍する打楽器奏者の加藤訓子さんがプロデュースする若手演奏家育成のためのプログラム「inc.」は、豊橋市民文化会館で行われました。
プロとしてこれからの音楽の世界で活躍する若手を「incubation(=孵化)」させるために生まれたこのイベントは、コンサートだけでなく、ワークショップやレクチャーも行う、いわば打楽器のフェスティバル。
個性あふれる魅力的な若手演奏家の皆さんが様々なことに挑戦している様子が印象深く、未来に向かって羽ばたいていく様子が目に浮かびました。

2013年開館の穂の国とよはし芸術劇場PLATは、豊橋市の劇場の中ではいちばん若い末っ子なのですが、今回訪れた豊橋市民文化会館は1967年開館ということで、さながら父・母のような存在でしょうか。文化会館は、昔から活動している地元の文化団体の方の利用が今でも多いみたいです。

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豊橋市民文化会館は、豊橋駅から路面電車、またはバスで30分くらいの場所にある、向山緑地と呼ばれる大池のある公園の中に建っています。犬のお散歩やランニングコースには打ってつけで、全体的にのどかな雰囲気が漂う場所です。
なお、この緑地の一部には謎の遺跡だらけの公園があるので、「エジプトに行ってきました」「万里の長城に行ってきました」的なしょうもない嘘をつくのにとてもお勧めのスポットです。

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大阪フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会


PLATの舞台ではステージに乗り切らないオーケストラの公演は、ライフポートとよはしで行われます。
豊橋駅からバスを使って約30分くらい、「ポート」とつくだけあって海沿いの施設です。椰子の木が生えていたり、やたらポップな噴水があり、なんとなく開放的な雰囲気が漂っています。1994年開館とのことなので、私と同世代のアラサーの施設です。毎年、オーケストラの公演を豊橋に呼ぶ際は、音楽ホールのライフポートとよはしを利用しています。

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私の財産


私がPLATで働きはじめて、もうすぐ6年が経とうとしています。
毎週のように行われる公演やイベントに目まぐるしく翻弄されながら、あっという間の6年間でした。職場の仲間に恵まれて、様々な知識や経験、人脈、成長の機会を得られたことにとても感謝しています。
しかし、得たものはそれだけではありません。
この年月で得た、顔馴染みのお客様との交流も私の財産です。

私がPLATから他の施設へ出稼ぎ公演の担当として赴いたとき、持っていく荷物は多いし、勝手はいつもと違うしで、正直心細い思いをしていることが多いです。
しかし、ご来場のお客様の中に「久しぶり〜」「元気〜?」と声を掛けてくれるいつもの常連の方の姿を見つけると、とても元気が湧くのです。

交わす言葉はほんの一言、二言。
公演の感想や意見交換に留まらず、「今日の服似合うじゃん!」とか「雰囲気変わった?」なんて軽口もあれば、高齢のためにトイレが近くなってしまいコンサートの途中で出てきてしまう常連さんと一緒に、客席外のモニターの前でじっと過ごす穏やかな時間も心が温まるひと時です。とある方は、クールな表情のまま、手編みの小さな刺繍飾りをプレゼントしてくれました。

劇場で出会った人たちが、また劇場に訪れるのを迎えるとき、心が弾みます。
良い音を浴びて、良い芝居を見て、笑顔で帰っていくのを見送るとき、私はとても嬉しくなります。あなたが来てくれて、良かったと心から思います。

これからも、束の間の楽しいひと時を、劇場で一緒に過ごそうじゃありませんか。
またのご来場をお待ちしています。



石田晶子の記事はこちらから。
https://note.com/beyond_it_all/m/mcb850169d9e7


読んでくださり、ありがとうございます。 このnoteの詳細や書き手の紹介はこちらから。 https://note.com/beyond_it_all/n/n8b56f8f9b69b これからもこのnoteを読みたいなと思ってくださっていたら、ぜひサポートをお願いします。