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新年、明けましておめでとうございます。

バックトゥーザフューチャーの未来の世界も、AKIRAも、ブレードランナーの世界も超えて、気がつけば世界は2022年になりました。
「新世紀エヴァンゲリオン」ってアニメ作品があるのですが、これも舞台は2015年です。
それから7年も過ぎてるのが、びっくりです。


最近、映画版の「序」「破」「Q」と昨年公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を見返しました。
僕がTVアニメでエヴァを見たのは1995年ですから、確か小学校6年生の頃。
それまでアニメの主人公といえば、ドラゴンボールの孫悟空やスラムダンクの桜木花道のようにポジティブが主流でした。
が、そこにいきなり、碇シンジという悩める主人公が登場したのはとても新鮮でした。
使徒という得体の知れない敵に、碇シンジ君が「エヴァンゲリオン」というロボット兵器に乗って戦うのですが、その過程で碇シンジ君は自分自身のことや、父親、周りの大人や同級生との関係に葛藤します。
1990年以降、長期不況下の日本で育ってきたプレッシャー世代(あまり認知されてませんが、1982年〜1987年生まれの人たちはそういうカテゴリーらしいです)としては、ドラゴンボールの孫悟空もいいけれど、この碇シンジ君の不器用さに妙に親近感を覚えました。
バブル後の不景気、阪神淡路大震災、アメリカ同時多発テロ、就職氷河期の名残の中で育った僕にはピンときたアニメだったんだと思います。

それから僕も大人になり、またエヴァンゲリオンもゆっくり続編が出続けました。
エヴァンゲリオンはテレビ版最終2話が、主人公の内面を描く内容で謎が多過ぎたのでかえってブームになったのですが、それを一応完結させたのが、1997年に公開された劇場版「Air/まごころを、君に」。
新たな設定・ストーリーで再構築した「エヴァンゲリオン新劇場版」シリーズとして、2007年に第1作「序」、2009年に第2作「破」、2012年に第3作「Q」、2021年に第4作「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」が公開されたという流れです。

僕がこの作品を最初に見た12歳から「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」が公開された去年37歳まで、この作品を25年間見続けてきたことになります。ただ、この歳になると、好きな作品であることに変わりはありませんが、ずっとやってるなあ、いつ終わるんだろう、どう終わらせるんだろう、このまま終わらないのかな、というくらいの距離感になっていました。
それが、去年、完全に終わりました。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を観た後の感想がこれ。

「あー、すごい、エヴァ終わったわ。」

「始まった」ばかりの2022年の記事に、なんでエヴァンゲリオンが終わった話をしてるんだという声が聞こえますが、続けます(笑)

これまでたくさんの謎があって、それが「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」で全部解決されたとも思わなかったんですが、感覚的に「終わった」と思いました。
それは「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を見た時に、
監督の庵野さんの「僕にもうこの作品を作らせないで」、「もうこの作品に期待しないで」という意思というか、
「君たちがあの頃感じた、碇シンジへの親近感や、エヴァンゲリオンという作品に求めてきたものは、これで描き切りましたから、どうぞ後は現実世界で頑張ってください。」というメッセージに思えたからです。

そして、作品がどうあろうと見た本人が「終わった」と納得すれば、作品は終わるんだ、とも思いました。

演劇にも始めと終わりがあります。シーンにも、セリフにも。
それにどんなに良い作品でも、どんなにロングランしていても、必ず終わる時が来る。ある一定時間世界を作った上で「あとはご自分の世界で楽しんで」と、明かりをつけて客を追い出す。この演劇の「終わる」という特性が、僕は結構好きだったりします。

2021年、エヴァが終わって僕の少年時代も終わりました。今まで終わってなかったんだ(笑)
この新年という区切りも、本来昨日と変わりない1日に、人間が暦を作り出し、儀式を作り出し、終わりと始まりを生んだのですが、

果たして、2021年は本当に終わったのか?
そして2022年は本当に始まったのか?

そんなよくわからない感覚がありながら、実家のTVでは、紅白歌合戦と除夜の鐘で2021年が終わり、新年のお笑い番組と箱根駅伝で2022年が始まっていきます。
とはいえ、区切りがなかったらダメでしょう、
12月31日があるから、人はとりあえず仕事を終えるのだし、1月1日があるから人は新しい目標を立て、区切りがあるから「今年もお世話になりました」と人に感謝を伝えられるのだ、とも思います。

新年っていつもそんな不思議な気分になるのですが、
1月5日から稽古が始まるので、そんな呑気なことも言ってられません。
現実の方がさっさと2022年を突きつけてきます。

今年前半の出演予定は
まずは、河内大和さんの演出で「リチャード3世」
https://g-garage-richard3.studio.site/

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次に小川絵梨子さんの演出で「I Call My Brothers」
https://iti-japan.or.jp/announce/8049/

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次に木村龍之介さんの「KING LEARーキング・リアー」
https://www.mpac.jp/event/37405/

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と、ありがたいことに3月までに3本の舞台に出演します。
ご興味ございましたら、足をお運びください♪

それでは、今年もどうぞ、宜しくお願い致します!



近藤隼



近藤隼の記事はこちらから。
https://note.com/beyond_it_all/m/m469a63ef1392


読んでくださり、ありがとうございます。 このnoteの詳細や書き手の紹介はこちらから。 https://note.com/beyond_it_all/n/n8b56f8f9b69b これからもこのnoteを読みたいなと思ってくださっていたら、ぜひサポートをお願いします。