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動作を習得させるのは誰?それとも何?

前回に続きエコロジカルアプローチの記事になります。私の解釈を多分に含んでいること、ラクロスとの関わりで書いています。もし、他の競技の指導者や選手がいましたら、自分の競技ではどうだろうかと思考を巡らせながら読んでもらえたら幸いです。 

動作を習得させるのは誰かそれとも何?

動作を習得させるとは運動学習をさせるということと同義です。特にトレーナーだったり、理学療法士などの療法士だったりすると運動学習については専門領域となってくるかと思います。私もPTでありATとしても働いているのでよくわかる。昔は自分の知識と力でヨクしてみせると奮闘していまいた。中には『おれが治した。指導してうまくなった。』と思ってらっしゃるている人も多いのが残念です。それはおいておいて。。

伝統的なアプローチはまさにこれで、動作パターンの反復であり、細かい動作を口頭指示で矯正したりする。
エコロジカルアプローチでは違います。雁の群れのように、周囲の環境の中で自らのパターンを自ら発見し、学習し自己組織化する。
制約から学ぶ。

3つの制約

制約には3つあります。個人、タスク、環境です。

個人制約とは、フィジカル的な部分です。身長体重、筋力、柔軟性など。旧来のフィジカルトレーニングはここの部分の強化のみに焦点を当てていたイメージです。制約主導アプローチでは、この個人制約の部分を更に制約をかけることで自己組織化を図る。例えば、あえて体が大きい人と小さい人をマッチアップさせてみるとか。。。制約以外でも然りで、足が早い人だけを揃えたらスピードで撹乱するプレーを誘発させやすくなるかもしれませんとか。。

タスク制約とは、コートのデザインを変更して半面でプレイさせる。◯◯してから得点したら2点にする。など練習のオーガナイズやルールを変更することです。

環境制約とは、コーチの服装や表情、声色、道具の状態、時間帯、天候(雨、風の影響)、室内、室外、天然芝、人工芝、アスファルト、ダート、などなどです。他にも太陽の眩しさや周囲の色彩、天井の高さや、コート以外の観客席の奥行き、観客がいるのといない、応援があるのとない場合、あえて息切れしている状態を作る、あえて感情的な負の場面を作ってからの適応などなど。。いろいろです。

ここで大事なのは『すべてが相互作用によって成り立っている』ということです。あえて書きますが、『コーチやトレーナーもまた選手にとっては外的な環境要因の1つである』ということです。だからこそ、指導自身のメンタルコントロールや練習についての哲学は必ず選手に影響を与えている。常に向上心!

個人的には口頭指示は完全否定しません。選手自身も知らなければ、アウトプットできないことも多分にあります。細かく教えるというよりも、『こういうのもありだよね』『こういうのも知っておくとあとで役に立つかもね』『こういうのもおもしろいかもね』とアドバイス程度に私は留めています。

選手は常に決まった環境下で決まった動きだけを試合でしているわけではありません。料理でも同じで、同じレシピで作って、その時の環境や素材の状態で味は変わる。試合の状況は同じ場面なんてほぼ皆無です。

だからこそ、コーチが教える伝統的なアプローチではなく、選手自身が環境から学ぶ、環境から知覚して、アウトプットしていくことがスキル習得の近道なのでしょう。その中でミスが生じたり、うまく言ったりする『結果』がでる。そのときに『学ぶ』のです。たまにははっぱかけることもありますが、その時にミスを責めたり、指導をするのは果たして『学び』になるのでしょうか。
私が良くやっているのはフィードバックや質問です。
◯◯はどうだった?見えていた?自分の中ではどんな感じだった?どこまで周りを見えていた?
そんな感じが多いです。状況確認、観察と洞察、選手の見え方との差で必要であれば指導する。これが私が注意していることです。

今回は短めでした。指示せずに学んでもらうって難しいですよね。『教える』と『導く(コーチング)』、『学ぶ(適応化)』もどれか1つが良いわけではなくて、これらもまた相互関係の中で最適化されていくものなのかもしれません。

現在もコーチをやってますが、新しい繋がりを常に探しています。お声がけしてもらえたら幸いです。新しいコーチコミュニテーやトレーナーコミュニティも作れたらと思っています。一緒にやってもいいよっていいう学生さんや、コーチなどいたら嬉しいです。でわまた。。

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